太田康資単語

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「太田康資」（おおた・やすすけ 1531 ～ 1581）とは関東地方の戦国武将である。

概要

清和源氏の流れを組むとされ、扇谷上杉氏の重臣を務めていた武蔵太田氏の当主。日本史上に残る軍略家・太田道灌の直系の子孫にあたる。三十人力の強力の持ち主と言われ、八尺の鉄棒を振り回す馬鹿力に定評がある。

生涯

太田資高の子に生まれる。曽祖父は江戸城を築城した名将・太田道灌。太田資正など岩付太田氏の者とは異なり、道灌の直系の曾孫（本家）にあたる。

かつて道灌が主君である扇谷上杉氏によって謀殺されて以来、太田氏と上杉氏との関係は微妙だったようだ。そんな中で後北条氏の進出と扇谷上杉氏の衰退も重なり、大永四年(1524年)、父・資高は北条氏綱の配下に寝返って、江戸城より上杉朝興を追い出した。こうして資高が氏綱の娘を娶って生まれたのが太田康資である。康の字は北条氏康から拝領したもの。

父の死により太田家の家督を継ぐと、父と同じ江戸城の三の丸の城代（※城主ではなく、城主の代理）となる。富永直勝（本丸）と遠山綱景（二の丸）の次の、江戸城内では三番目の偉さだった為か、呼び名は「殿」付けされなかったと言われ、空気を読んだと思われる遠山綱景の娘を北条氏康の養女にした上で妻に娶った。

しかし、三十人力と言われる馬鹿力で戦功をあげてきた太田康資にとって曽祖父からの因縁のある江戸城の城主になれなかった事はプライドをかなり傷つけられたらしく、同族のトップブリーダー太田資正を通じて関東管領となった上杉謙信へと寝返る計画を立てた。

北条側の史料では自発的な寝返りではなく、太田資正と里見氏による調略とされている。

しかし計画は失敗し、寝返りが後北条氏に露見した康資は資正を頼って逃亡。その際に上杉謙信の要請をうけた里見義弘が救援の軍を派遣した為、北条氏康との間で第二次国府台合戦(1564年)へと発展するが、これは北条方の大勝に終わる。敗れた康資は安房に逃亡し、そのまま里見家臣となった。

その後も里見氏に従って後北条氏と戦い続けた太田康資だったが、里見氏の家督争いによって発生した内乱に巻き込まれて戦死した。享年51歳。

後に徳川家康の側室となったお梶の方（英勝院）は太田康資の遺児と言われているが、異説も多い。聡明さで知られるお梶の方の父親が次項で述べるような超脳筋なのだろうか……。

※その他「太田康資」の詳細についてはWikipediaの該当記事参照の事。

関東一の剛力決定戦

三十人がかりでも動かせないといわれた大岩を動かしたことから三十人力の持ち主といわれた太田康資だったが、自身の裏切り＆逃亡が遠因で発生した第二次国府台決戦にて、谷に落ちた牛を担ぎ上げて谷を上がった怪力伝説を持つ清水康英の妻の怪力を受け継いだ清水太郎左衛門政勝（※後にねじ首太郎左衛門の異名を取る）と、関東一の剛力の座をかけて激突した。