太陽にほえろ!とは、1972年から1986年にかけて日本テレビ系列で放映された刑事ドラマである。
概要
東京都新宿区の警視庁七曲署刑事課、捜査第一係の刑事たちの活躍を描く群像劇として人気を集め、放送終了以後も様々な後続作品に影響を与えた。
所属刑事(PART2含む)
- ボス(藤堂俊介)……石原裕次郎
- 山さん(山村精一)…… 露口茂
- ゴリさん(石塚誠)……竜雷太
- 殿下(島公之)……小野寺昭
- 長さん(野崎太郎)……下川辰平
- マカロニ(早見淳)……萩原健一
- シンコ(内田伸子)……関根恵子
- ジーパン(柴田純)……松田優作
- テキサス(三上順)……勝野洋
- ボン(田口良)……宮内淳
- スコッチ(滝隆一)……沖雅也
- ロッキー(岩城創)……木之元亮
- スニーカー(五代潤)……山下真司
- ドック(西條昭)……神田正輝
- ラガー(竹本淳二)……渡辺徹
- ジプシー(原昌之)……三田村邦彦
- ボギー(春日部一)……世良公則
- トシさん(井川利三)……地井武男
- マミー(岩城令子)……長谷直美
- ブルース(澤村誠)……又野誠治
- マイコン(水木悠)……石原良純
- デューク(島津公一)……金田賢一
- DJ(太宰準)……西山浩司
- 橘兵庫……渡哲也
- 篁朝子……奈良岡朋子
- オサムさん(喜多収)……寺尾聰
太陽にほえろ!の様式美
ニックネーム
“ボス”藤堂俊介をはじめとする一係メンバーには必ずニックネームが付けられ、互いにその名で呼び合うというお約束があった。ベテラン組はボスを除いて『~さん』と呼ばれることが多いのだが、それ以外の新人や転属組は横文字のニックネームが付けられる事が多い。ドラマ後半になると自薦ニックネームも登場するのだが、大概の場合からかわれたり、由来とは違った意味のダメ出しを食らうことが多い。
疾走シーン
捜査は足でやるものだ! と言わんばかりに、とにかく犯人を「走って」追跡するシーンが多かったことでも知られる。この伝統は、放映前からスタッフと衝突を繰り返し、参加を渋っていたマカロニ役の萩原健一を、総監督の竹林進が『君の走っている姿を撮りたい』の一言で見事口説き落とした事に端を発する。その後、萩原の後続である松田優作(ジーパン)、更に彼の後続である勝野洋(テキサス)にもこの伝統は受け継がれ、犯人を追って疾走する新人刑事という様式美が完成した。
なお、この「疾走組」の名前は全員が「じゅん」であり、その後の若手刑事にも「じゅん」の名は受け継がれる事となる。
殉職
壮絶な殉職シーンもドラマを形作る要素となった。劇中で殉職したのは、マカロニ、ジーパン、テキサス、ボン、殿下、スコッチ、ロッキー、ゴリさん、ボギー、ラガー、山さんの11人。ただし、マカロニは刺殺、殿下は交通事故、スコッチは病死であり、正確には殉職ではない。
殉職シーンを始めたのはマカロニ役の萩原健一の提案から始まったものであった[1]。マカロニの殉職シーンと松田優作が演じるジーパンの登場によってドラマ自体が更に人気となり、それ以降は新人刑事役のラストを飾るために殉職シーンを用意するようになったとのこと[2]。
刑事が殉職するであろうタイトルであっても視聴者とっては「この刑事はどうやって殉職するんだろうか」という気持ちで視聴するため、大きなネタバレタイトルでも問題なかったと言われている[3]。なお、殉職シーンに関しては基本的に役者の意向が強く反映され、撮影当日のアドリブもOKであり、役者にとっては殉職シーンこそが大きな山場であった。
多くの殉職者を出したもののスタッフ側の限界もあり、渡辺徹演じるラガーが最後の殉職シーンとなった。
一係豆知識
- 放映当初の一係はどこかアウトローな雰囲気が漂っていた。一係No.2として長く若手を纏め上げていた沈着冷静な山さんも、最初は勤務中に賭け麻雀に興じるようなキャラクターだった。
- 石原ゆうたろうの持ちネタである「ブラインドに指をかけ、窓の外を窺う」シーンは『太陽にほえろ!』のものだと思われがちだが、実は『西部警察』のシーンであるらしい。
- ゴリさんの由来は、「ゴリ押しのゴリさん」から。後に若手刑事からゴリラと勘違いされて怒るシーンも。
- 殿下の退場(殉職)があのような形になったのは、多数の女性ファンからの助命嘆願書があった為。
- 同様に、女性ファンからの人気が高かったのがジプシー役の三田村邦彦。彼が飾り職人の秀として『必殺仕事人Ⅲ』に出演していた1982~83年の金曜日は、当時の腐女子達から「聖金曜日」と呼ばれていたとか。
- 様々な個性の刑事が登場する物語といえばエド・マクベインの『87分署シリーズ』だが、『太陽にほえろ!』企画・原作者達の共同ペンネームである“魔久平”の名は、そのままエド・マクベインからとられている。
- 524話ではデビュー当時のBOØWYの貴重なライブシーンが見られるのだが、残念ながらビデオ化もDVD化もされていない。
- 俳優時代の中田譲治が何回か出演している(全て役名は異なる)。
音楽
関連動画
関連項目
- テレビ番組の一覧
- 日本テレビ
- 東宝
- 刑事ドラマ
- 大野克夫
- 石原軍団
石原裕次郎が「太陽にほえろ!」の成功に刺激を受け、後に自身が社長を務めた石原プロモーション主導による「大都会シリーズ」「西部警察」を製作。これらの作品で呼称された「黒岩軍団」「大門軍団」から転じて石原プロモーション所属の俳優の総称も石原軍団となった。 - 三菱電機
本放送当時の筆頭スポンサー。日テレ金曜20時枠を前番組「三菱ダイヤモンド・アワー(日本プロレス中継・ディズニーランド)」よりスポンサードしており、「太陽にほえろ!」終了後も1992年まで筆頭スポンサーを務めた。 - 名探偵コナンメインテーマ
本作のテーマ曲とよく似ていると言われるが、作曲者が同じ大野克夫である。特に沈黙の15分版がよく似ている。
なおどちらの作品にもスコッチという名の警察官が登場する。
脚注
- *「太陽にほえろ!」の放映自体が半年と計画されていたものの視聴率が良かったため、1年延長されたことで当初は半年と言われていた萩原が早く降板したかったために殉職を提案したと言われている。
- *新人刑事役以外の役者からもイメージの固定化を防ぐために早期降板(殉職)を希望したということもあり、役者の殉職シーン待ちという状態に陥ったこともある。
- *同じ日本テレビでやっていた「気になるあいつ」というドラマでは渡辺徹演じる津村がラガーの殉職シーンを見て感動するシーンがあり、当時の視聴者もほぼそのような形で視聴していたと思われる。
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