女中とは、女性の使用人や、旅館などにおける女性従業員の事を指して使われた日本語である。
差別的含意を持つと見なされることもある言葉となってしまっているので、使用には注意が必要。
概要
元来では「女性に対する敬称」「身分の高い女性を敬って呼ぶ言葉」であったとされる日本語。しかし徐々に女性一般を呼ぶ言葉に変質し、次に「女性使用人の中で身分が高い者」を指す言葉となり、そして「女性使用人」「旅館などの女性従業員」を指す言葉へと変化していった。現代の日本語で「敬称として」あるいは「女性一般を呼ぶ言葉として」使用されることは無い。
類義語に「仲居」がある。「仲居」は身分の高い「女中」(奥女中)と身分の低い「下女」の中間に位置する存在という意味であったようだが、「女中」が主に「女性使用人」を指す言葉へと変化していったのに対して、「仲居」は主に「旅館などの女性従業員」を指す言葉へと変化していった。
そのため、「使われる身分」という含意が強くなった「女中」は差別的な含意を持つ言葉だと見なされるようになったのに対して、「従業員」「あくまで職業名」という意味合いが強くなった「仲居」の方はそうでもなくなっている。旅館の女性従業員を「仲居さん」と呼んでもあまり失礼ではないが、「女中さん」と呼ぶと気を悪くするかもしれないので注意したい。語源を辿ると「女中」(奥女中)は「仲居」よりも上の立場であったのに、現代では上下が逆転しているのは興味深いところである。
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関連項目
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「概要」で「下女」に軽い説明を追記しました。「関連動画」を新設し「お女中様」(sm20549073)を掲載。