奴隷とは、人間であるにもかかわらずその人格を否定もしくは制限され他者の所有の対象とされる者を指す。
概要
人間を奴隷とすることは有史以来行われてきた労働形態の一つである。歴史的には戦争で敗北した者(戦争捕虜)、債務を払えなくなった者(債務奴隷)、共同体内部で形成された被差別階層に属する者などが奴隷とされてきた。奴隷制社会は多くの場合捕虜獲得のための戦争と奴隷売買貿易の発展を伴うとされる。大航海時代後にはアフリカからの労働奴隷輸出が一大産業として世界的な貿易の一翼を担った。
一般的に奴隷制といえば、その非人道的な取り扱いが想起されるが、これは多くアメリカ黒人奴隷の悲惨な境遇のイメージに拠っている。実際には地域や時代によって奴隷の待遇や地位は異なる。ギリシア・ローマ時代には高い教養を持ち教師や秘書として主人に仕えた奴隷もいるし、イスラム世界では奴隷身分から執政官や君主になる事例もあった。
いずれにせよ他者の所有の対象であって、自由を制限され差別の対象となっていることに変わりはなく、多くの場合過酷な労働を強いられ、虐待(性的なものを含む)されることもあった。
現在、世界の多くの地域で奴隷制は公的に廃止されている。一方で、人身売買や略取などによって奴隷状態に置かれている人々も多く存在する。また、女性や子供を被所有物とみなす慣習、労働制度の欠陥、権力による強制労働などによって職業選択の自由を喪失した状況を事実上の奴隷状態とみなすことも可能である。
その他
ボンデージ/SMにおける性的なモチーフとして、対象の人格を否定し、服従させた状態を奴隷と呼ぶ場合がある。性的倒錯の形態としては比較的広く認識されており、成人向けゲーム・漫画などでよく取り上げられる題材である。紳士淑女諸君においては奴隷と聞くとこちらの意味にとる方が多いかもしれない。
相手の同意を得たロールプレイ(ごっこ遊び)ならともかく、同意のない相手を何らかの手段で現実に奴隷とし拘束することは法律に抵触し処罰の対象となりうる。
なろう系小説では奴隷を仲間にする展開がちらほら(特に復讐系)
仲間になる奴隷は獣人などの亜種族かつ女性であることが多いがたまにガタイのいいオスケモ獣人が仲間になったりもする。
蛇足
辞書によっては結婚を「奴隷、女奴隷、主人、女主人からなるが、総計すると二人しかいない」と定義している場合がある。この定義は結婚を解消する自由が存在し行使可能な限りにおいて不正確である。
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