如月千歳(CV:神田朱未)とは、『スーパーロボット大戦V』に登場する、バンプレストオリジナルの女性主人公である。
愛称はチトセ。
概要
日本の九州地区・坊ノ岬に存在する、地球連邦軍第三特殊研究所と呼ばれる施設の防衛隊に属しており、士官学校も卒業しているれっきとした軍属の主人公。19歳という若さで三尉になっている。
とはいっても、チトセがいた地球の環境は木星帝国(『クロスボーンガンダム』)の攻撃と、ガミラス帝国(『宇宙戦艦ヤマト2199』)が放つ遊星爆弾のお陰でズタボロになっており、三尉という階級は人材不足のあおりを受けてのこと。
彼女が属する研究所の防衛隊も、なんと彼女ひとりしかいないという有様。
両親と妹もガミラスの攻撃で亡くなっており、天涯孤独の身。
それでもチトセは絶望せず、研究所の面々が日々打ち込んでいる地球環境再生研究を縁の下で支え、起死回生の秘密兵器「宇宙戦艦ヤマト」への希望を抱いて日々前向きに生きていた。
転機となったのは、宇宙戦艦ヤマトが発進するまさにその直前。遊星爆弾の攻撃に加え、ガミラスの機動兵器までもが直接発進前のヤマトと、周辺基地を叩きにくるという執拗っぷりを発揮。そこでチトセは、
「ガミラス…!まだ地球から奪い足りないの…!?」
「海を奪って、人の命を奪って、未来を奪って、そして、希望まで奪うの!?」
第一話『絶望からの出航』より
と、怒りを露わにした。なんだかヤマトのキャラクターになってるような?
ヤマト起動もままならないなかで、周辺基地の防衛隊は全滅。チトセのいる研究所も攻撃を受けたが、なんの因果かその攻撃で秘匿されていたと思われる、機動兵器ヴァングレイのハンガーも露出。
チトセは「やるしかない」と覚悟を決め、「ヤマトという地球の希望を守る」という、とんでもなく重大な初実戦に赴く。
その瞬間から、チトセとヤマトの長く・世界を股にかける旅が始まった。
性格と能力など
基本的に前向きで快活な性格。「失ったものは戻らない、だから今あるものや未来を守る」「考えてもわからないことは考えない、前に進むだけ」という信念をモットーに戦っている。
綺麗事とわかっていても、「戦争なんだから、兵士ひとりひとりに憎しみをぶつけるのはお門違い」「戦争でも最低限のルールは守るべき」としっかりとした倫理観も持ち合わせている。
人当たりも良く優しい性格だが、ガミラスに家族と地球の環境を奪われたという過去があるため、ヤマトが目的としている地球再生の旅には、『宇宙戦艦ヤマト2199』のキャラクターにも劣らないほど積極的。
また新兵といえど戦いに身を置く軍人ゆえに人並み以上の闘争心も心に根差しており、地球を無為に破壊しようとする侵略者・テロリスト・犯罪者には他の敵より若干辛辣な言葉を出す。
特に家族を奪われたガミラス対して強い感情を抱いており、刹那・F・セイエイ(『ガンダム00』)から敵への憎しみを指摘されたときは動揺の色もあった。
ヤマトの沖田艦長は、戦場に赴くチトセのことを「無理をしている、本来戦うべき人間ではない」と評しており、男性の主人公が選ばれた場合の物語では、それが悪い方向へと作用してしまっている。
インターミッションで恋バナに顔を赤らめつつも興味津々な様子が、
戦火に巻き込まれなかった本来の「如月千歳」なのかもしれない。
名ばかりの三尉で、知識としてニュータイプは知っていてもその能力もない常人。搭乗機体・ヴァングレイの負担が大きすぎるシステム調整も、異世界でガンダムを駆るある准将のように自前では出来ず、自動に任せるしかなかった。
本人も搭乗機体の特異性がなければ「ただの新兵」と自嘲するほどだが、決して才能皆無というわけではなく、射撃の腕は士官学校時代から評価の対象になっている。
人材不足という事情を差し引いても、歴戦のニュータイプであるトビア・アロナクスから頼りにされ、共にあのアムロ・レイを模した「アマクサ」を討ち・生還できる程度には優秀。
……ただの新兵ってなんだろう。
軍属にしては服装がやたらと自由でエロス感もただようチトセだが、これは研究所に所属していた頃に様々な雑務をこなすためであると同時に、
地球がズタボロになっても紳士の心を忘れない、研究所にいる野郎共の「私的な希望」によるもの。いいぞ、もっとやれ。
搭乗機体
- ヴァングレイ
第三特殊研究所で秘密裡に建造されていたとされる、試作型機動兵器。
高火力・重装甲・高機動といった異なる要素の並立を目指した兵器……といえば聞こえはいいのだが。
高火力を実現するために火器を積みすぎて火器管制は複雑、重装甲を目指したが各素材はあり合わせのものなのでフレーム耐久に難アリ、高機動を目指してるから異常なほど加速力も高い……などなど、操縦する人間の負担がひどいものになっている。
チトセも「とんだ欠陥機じゃない!」「武器に手足が生えてるだけね……」と最初は酷評した。
修理装置が積まれており、パイロットスーツ無しでも乗れるほど居住性も高いのだが、それはそれで「コンセプトが見えない」と評されてしまった。
だが、なんだかんだで高火力・重装甲・高機動のコンセプトを実現してることは確かなので、スパロボV世界の沖田艦長が編み出した「巡洋艦並に火力と速度のある機動兵器で前線を維持、しかる後に戦艦の巨砲で討つ」という戦術に組み込まれることとなった。
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