妖怪人間ベム(ようかいにんげん-)とは、1968年にフジテレビ系列で放映されたTVアニメ及び、それを原作とするアニメ・漫画・テレビドラマ作品のこと。
概要
TVアニメとしては当時異例の最高視聴率28.3%を誇った大ヒット作である。
放映期間は1968年10月から1969年3月まで。全26話。
西洋風の世界観の中、人間達の生き様や「業」を見事に描いた物語でもある。30年以上も前の作品ながら、テーマがハッキリとしていて現在でもその面白さは色褪せる事はない。
外見が醜い「妖怪人間」の方が人間らしく、人間のほうが妖怪のように心醜く描かれる様子は見る者の心を打つ。
作中のセリフ「早く人間になりたい!」はインパクトが強く、子供達やテレビなどでよく真似されていた。
好評につき1982年にはアニメのパート2が企画されるも頓挫、その後2006年にリメイク版が作成され放映、2011年には実写テレビドラマ化、2012年には実写版の映画化、2017年にはショートアニメ化された。
あらすじ
それは、いつ生まれたのか誰も知らない。
暗い音のない世界で、1つの細胞が分かれて増えていき、3つの生き物が生まれた。
彼らはもちろん人間ではない。また、動物でもない。
だが、その醜い身体の中には正義の血が隠されているのだ。
その生き物……それは、人間になれなかった”妖怪人間”である。
(冒頭ナレーションより)
登場人物
画像:ベム(上)・ベラ(下左)・ベロ(下右)- ベム(声:小林清志)
- 妖怪人間のリーダー格。杖を使って戦う。おいしいところを持っていく。
- ベラ(声:森ひろ子)
- 妖怪人間の紅一点。左腕に巻いた鞭を使って戦う。高笑いを上げながら登場する姐さん。
- ベロ(声:清水マリ)
- 人間の子供と友達になりがっている。顔は怖いがいいヤツだい!
- 枯れ木
- ほぼ毎話かならず登場する為、ニコニコ動画では「今週の枯れ木さん」と親しまれている。
この作品の無国籍さや荒涼とした空気を演出してくれる名バイプレーヤー。 - 骨
- 彼(彼女?)も毎回のように登場し、枯れ木さんと同様に「今週の骨」と親しまれている。
この作品の恐ろしさやバイオレンスさを高めてくれる、『妖怪人間ベム』には欠かせない存在である。
ニコニコ動画では
2010年11月から全話配信されている(第1話のみ無料)いた。
現在は配信していたフルアニMAXチャンネルの閉鎖に伴い視聴はできなくなっている。
突っ込みどころも満載なのでネタアニメとしても楽しまれており、ニコニコ動画らしいコメントで盛り上がりをみせていた。
いくつかの場面がカットされているのが残念。下記DVD-BOXではノーカットという噂もあるが…?
平成版アニメ
2006年にはキャスト及びスタッフを一新し約40年ぶりの完全新作
「妖怪人間ベム -HUMANOID MONSTER BEM-」が制作され、スカパーのアニマックスで放映された。
ベムたちの外見には現代向けのアレンジが加えられ(3本だった指が5本になっている)、各地を旅するのではなく某国港湾都市を舞台に据え、悪事を働く妖怪たちとの闘いと街に住む子供たちを始めとする人間との交流を描くといった内容となっている。
現代向けアレンジが加えられたとはいえ話がマイルドになった訳ではない。特にストーリー終盤の展開は昭和版を観た人の心をもう一度抉ることだろう。
こちらもニコニコ動画ではフルアニMAXにて2012年4月からバットさんの後番組として配信が始まった。
昭和版の要素を多く受け継いでいたこともありコメントには昭和版配信で使われていたネタが引き継がれたことに加え、黄金バットなど他のフルアニ配信作品からのネタも多く見られた。→フルアニ民
こちらも現在はチャンネル閉鎖に伴い視聴は出来なくなっている。
ストーリー
それは、いつ生まれたのか誰も知らない。
暗い、音のない世界で、1つの細胞が分かれて、
3つの生き物が生まれた。
彼らはもちろん人間ではない。また、動物でもない。
だが、その醜い身体の中には、“正義の心”が隠されているのだ。
その生き物とは・・・。それは、妖怪人間である。長い流浪の末、ベム、ベラ、ベロの妖怪人間たちは、
東洋の東の端にある巨大な港湾都市にやってきた。
この街には、さまざまな隠された歴史や文化があるが、
政府指定開発都市にも選定され、自然破壊が進められている。
また国際貿易都市の性格上、混沌とした様相を呈している。妖怪人間たちは、街全体が巨大な妖気に包まれていると感じ、この地にとどまることを決意する。
そして、人間たちを守るため、襲い来る魔の妖怪たちに全力で立ち向かう。時には妖怪より醜い人間の心を目の当たりにすることもある。
助けたはずの人間から、醜い妖怪と罵られ、虐げられることもある。
しかし彼らは今日も、魔の妖怪たちと戦う。
正義をなせば、人間になれる日が来るということを信じて-
平成版の登場人物
- ベム(声:井上和彦)
- 今作でも妖怪人間のリーダー格。ウーガンダー!正義の杖シルバーバトンの威力を見よ!
しかし今作では美味しいところをかっさらっていくどころか何もしない事も。ハゲチットモウゴカナイ - ベラ(声:山像かおり)
- みんな大好きベラ姐さん。ムチを振るってもらったらありがとうございます!と言いましょう。
今作ではライバルの女妖怪も登場、更には洗濯や料理をするシーンも見られ魅力が増す。 - ベロ(声:洞内愛)
- タイトルはベムだがあくまで主人公はこの子。武器がないのでOPではジャンプする。
今作では彼の純粋な心がベムベラの心の大きな支えとなる。でも人ん家に土足で上がっちゃダメです。 - 日向雲英(ひなたキラ 声:稲村優奈)
- 第一話から登場する人間サイド代表。心優しく行動力もありベロとは他の人間の友達以上に仲良し。
大人達に何と言われても揺らぐことがあっても最後までベロ達との友情を信じる。キラちゃんマジ天使 - 海堂空(声:岩橋直哉)
- 第三話から登場する雲英と同じ学年の少年。基本人はいいはずなのだが、回によってはガキ大将的な役割も。
怪事件を妖怪のせいだと決めつけ退治しようとする一方で、ベラ姐さんに淡いあこがれを。 - 如月美月(声:茅原実里)
- 第四話から登場する空たちのクラスメート。物静かでクラスでは浮いており、実の母親にすら丁寧口調な他人行儀。
途中まではある意味キラちゃんの対極。上2人に比べるとやや影は薄いが、終盤では人間の子供サイドの一人に - 田無幻狼斎(声:野島裕史 )
- 寺生まれのTさん的な人。一体ターナ・何シーなんだ・・・?
実写ドラマ版
2011年10月22日からはKAT-TUNの亀梨和也、杏、鈴木福(子役)をキャストに迎えた実写ドラマ版が日本テレビ土曜枠にて放映された。前年度の同枠ドラマ『怪物くん』や『TIGER&BUNNY』のシナリオを手掛けた西田征史を脚本に起用、初回の視聴率は18.9%、平均視聴率は15.6%と、好成績を収めた。
舞台は現代日本に移され、アニメ版ベムにそっくりな「名前の無い男」が陰で暗躍する。
実写映画版
日本テレビドラマ版の最終回の続編。ストーリーは映画オリジナル。興行収入は11.7億円を収めた。
ショートアニメ
2018年に生誕50周年を迎える『妖怪人間ベム』。その記念すべきアニバーサリーイヤーを目前に送り出される、リブートプロジェクト第一弾は、なんと“ギャグ”全開のショートアニメだった!!『秘密結社 鷹の爪』などで知られるDLEのスタッフが送り出す本作は、人間の欲望が渦まく夜の街・歌魔羅(かまら)町で、「人間になりたい」3人の妖怪人間が“人間とは何か”を求めて彷徨う社会派(?)コメディ!エロ・金・地位・権力…現代社会の闇にうごめくドロドロも、みーんな笑いに包んでPOPにお届け!!
キャスト
スタッフ
- 原作:アサツー ディ・ケイ
- 監督:安達 譲
- シリーズ構成:岡田 幸生/安達 ××
- オープニング映像監督:大月 明日香
- 企画:大芝 賢二/椎木隆太
- エクゼクティブプロデューサー:麻生 一宏/紙谷 零
- プロデューサー:高橋 知子/加藤 隼輔
- アシスタントプロデューサー:黒瀬 香保理/松田 彩
- アニメーション制作:DLE
- アシスタントディレクター:田原 毅
- キャラクターデザイン:谷口 崇
- キャラクター作画:谷口 崇/国領 恵実香
- 撮影・コンポジット:奇志戒聖
- 劇伴:すどうゆうき
- 収録スタジオ:スタジオ叶音
- MA・ミキサー:ヌーベルアージュ
- 製作:NAS/DLE
主題歌
チャンネル動画
BEM
50周年プロジェクトの一つとして、完全新作アニメが2019年7月よりテレビ東京ほかにて放送開始。
詳細は『BEM 』の記事にて。
関連動画
1968年アニメ
テレビドラマ
関連静画
関連チャンネル
関連項目
関連リンク
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