妖精騎士ランスロットとはスマホゲーム『Fate/Grand Order』に登場するサーヴァントの一騎である。
CV:高野麻里佳
イラスト:CHOCO(スーパーバイザ―:今泉昭彦) 設定作成:奈須きのこ
サーヴァントについてはサーヴァント(聖杯戦争)の記事を参照。
概要
第2部第6章『妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ』にて初登場。ブリテン異聞帯を統べる女王モルガン(fate)に仕える妖精騎士の1人にして、ランスロットの着名を与えられた青き弾丸。女王の命令に従って敵対者を始末するが、とある理由から個人的に風の氏族長オーロラにも忠誠を誓っている。
愛称は「メリュ子」「恋人」「妖スロ」など。メリュ子に関しては塔イベント『ミスティックアイズシンフォニー』で実際に使用された事から公式愛称と言える。ランスロット(Fate/Grand Order)と名前が被る事から「ランスロット」と呼ばれる事はまず無い(作中ではよく呼ばれる)。テーマ曲は『Azure Luster ~妖精騎士ランスロット戦~』と『境界 ~炎の厄災~』。
当時の『アヴァロン・ル・フェ』は前編・後編・崩壊編の三部作となっており、後編が配信された2021年7月14日にパーシヴァルともども実装。限定サーヴァントのためピックアップされた時のみ召喚可能となる。かわいい、強い、主人公に対する明確な好意と人気が出る要素が揃っており、実装時から非常に高い人気を獲得。生放送『カルデア・サテライトステーション 2021-2022』で発表された「もっとも多くレベル120にされたサーヴァント星5編」において2位に輝いた(1位はモルガン)。リアルイベント『ウィンターパーティー2022~2023』の英霊召喚フォトスタジオ(好きなサーヴァントと一緒に写真を撮れるやつ)では、ランサークラスで最も写真を撮られて見事1位に。今もなお人気が衰えてないと言える。
絵師のCHOCOはFateシリーズ初参加だったためスーパーバイザーの今泉氏と共同でデザインを練り上げた。CHOCOにとって妖精騎士ランスロットは初めて担当したサーヴァントであり、そのためか思い入れが大変強く、独自にイラスト集やグッズを複数出したり、ツイッターに即興の描き下ろし絵を掲載。また家族全員がFGOで妖精騎士ランスロットを引いているなど家族一丸となって愛でている様子。
再臨の段階によって宝具が単体か全体かに変化する史上初のサーヴァント。戦闘中であってもスキル3で一度だけ変更出来るため今までのサーヴァントにはないオンリーワンな利便性を誇る。ちなみにこの特殊なシステムを実現するにあたって開発リソースが非常に割かれたらしく(サーヴァント5騎分の労力)、おいそれと増やせない事が示唆されている。単体宝具と全体宝具を併せ持つためか、2023年の年始福袋にて「ランサー単体宝具」と「ランサー全体宝具」の福袋2つに妖精騎士ランスロットが入っているという前代未聞の扱いを受ける。2つにまたがって福袋に入っているサーヴァントも史上初。もはや何でもアリな最強種である。
2022年12月4日の生放送『Spotlight Lostbelt No.6』で声優のキャスティングに難儀した事が明かされた。奈須氏曰く、
「TYPE-MOON世界で重要な立ち位置である事、自分が今まで扱ったことのない性格である事もあり、『透明感があり、プライドが高く、人の心がわかってなく、少女漫画チックなキラキラ感があって、それでいて凛々しい王子様ができて、寂しがり屋』といった要素をふまえて、最終的に高野さんにいきあたりました」
との事。
第2部第7章『黄金樹海紀行ナウイ・ミクトラン』にて、浮遊属性無しである事が判明。前編終盤のボス敵トラロック(fate)戦では、浮遊属性があると致命的なデバフを回避出来るのだが、空を飛べるにも関わらず妖精騎士ランスロットは浮遊していない扱いのため、容赦なくデバフを喰らって何も出来なくなってしまう。情報が出揃ってない頃に「飛べるから」と彼女を出して酷い目に遭ったマスターもチラホラいる模様…。どうやらバトルグラフィックで浮いているかどうかが判別の基準らしく、地に足を付けて立っている妖精騎士ランスロットは無慈悲の浮遊無しとなった。
戦闘能力
……逃亡は許さない。
……縄につくか、ここで死ぬか。
……君たちの道は、それだけだ。
自他ともに認める妖精國最強の実力者。また妖精國唯一の竜の妖精であるためどの氏族にも属さない。幻想種の頂点に立つ竜と同じ生体機能を持っており、竜の炉心から紡がれる過剰なまでの魔力と古の神秘が妖精騎士ランスロットを最強たらしめる。彼女曰く竜の炉心の出力は核融合炉や聖杯と同一とされ、その無尽蔵の魔力を減衰させる事無く発揮させられる常識の埒外なため、単なる突進が宝具となりうる驚異の存在。
空を自由自在に、そして風の氏族ですら捉えられないほど超高速で飛行する能力を有しており、飛べる妖精がまずいない妖精國において大空は彼女の不可侵領域。それでいて慣性や空気抵抗、姿勢制御等の常識の壁を完全無視してありえざる飛行を可能とする。空中戦をやる相手がいないため上空からの強襲を基本戦法としている。彼女の前では如何に堅牢な城壁であっても用を為さず、対空射撃はまず当たらない、まさしく頭上の悪魔。その高機動性から放たれる炎の爆撃は建物を悉く破壊する。空を飛ばれては打つ手が無い事からシェフィールド領主ボガードは引きずり降ろしてからの近接戦闘を企図していた(結局実行には移されなかったが)。
その火力は戦略爆撃機に、スピードは戦闘機に、機動性はVTOL機に例えられる。言わば戦国時代に戦闘爆撃機が現れたかのような無法の存在が妖精騎士ランスロットである。どの戦場にも超特急で飛んでいける高機動性を活かすべくモルガンは遊撃戦力として使用しており、故に他の妖精騎士と違って領地を持っていない。しかし一方で弱点も存在する。飛翔している最中は戦場に立っている者が気づく程の轟音を鳴り響かせているため隠密行動には向いておらず、不意を突いた奇襲を仕掛けた際には即座に感づかれて防がれる事となった。もっとも最強種たる彼女に小手先の策は必要ない訳だが。
近接戦闘においても鬼神の如き強さを発揮。強靭な牙の氏族や妖精の天敵モースですら彼女の前では単なる雑兵に過ぎない。その強さたるや妖精騎士の中でも破格。妖精騎士ガウェイン率いる精鋭の護衛隊すら苦戦する大型モースの群れを難なく殲滅しており、女王騎士から「まさに敗北を知らぬ竜の妖精」「ブリテンでもっとも美しい妖精騎士」と称えられ、ガウェイン直属の部下からも「おお、麗しのランスロット!ブリテンでもっとも強き妖精騎士!」「あの方であれば、ブリテンの何処に逃げようと瞬きの間に仕留められますな!」と高評価。指折りの実力を持つ妖精騎士ガウェインも「妖精國でもっとも強い生き物」「我々と同じ分類ではない」と評するなど完全に規格外の存在として扱われている。最強の二つ名は伊達ではなく、過去に行われたキャメロット御前試合コマドリ大会では当然のように優勝をかっさらっていった。
本来対象を強化する着名が妖精騎士ランスロットの場合、元があまりに強すぎて逆に枷になっており、実はこれでも弱体化していた。つまり弱体化した上で最強の座にいる訳である。奈須きのこ曰く「他のサーヴァントがモビ〇スーツならこいつはゲッ〇ー」。もはや出るゲームを間違えてるレベル。シナリオ上の強さだけでなく、ゲーム上の強さにおいてもぶっ壊れレベルの高性能を持つのだから驚きである。
最強の妖精騎士としての戦闘能力はシナリオで明確に表れており、異星の神の使徒である千子村正や歴戦のマシュ、ビースト幼体のコヤンスカヤまでをも下している。異星の神にとって不都合な女王モルガンを始末するべくキャメロットに殴り込んで来た村正を迎撃し、玉座の間から大穴の上まで突き飛ばす。空中で互いに斬り合うが、ランスロットの方が圧倒的に強く、村正は穴へと叩き落とされた挙句、10秒の間に霊核を何度もブチ抜かれて完敗(村正曰く「普通のサーヴァントなら、ま、12回?は死んでいただろうよ」)。シェフィールドの戦闘ではマシュとハベトロットを同時に相手するも終始圧倒。マシュが持つ円卓の護りすら神秘の格が違うランスロットには通用せず、賢人グリムの横槍が入らなければ危うくマシュは討たれるところだった。対コヤンスカヤ戦ではアロンダイトで分身の霊核をブチ抜いて粉砕、遠く離れた本体まで喀血させて数日間動けなくなるほどの大ダメージを与えた。妖精騎士ランスロット曰く「僕の相手ができるのはモルガン陛下か、妖精体を拡大させたきみ(妖精騎士ガウェイン)くらいだ」との事。
サーヴァントになった後はさすがに実力が劣化したものの、それでも規格外の枠組みからは外れていない。パラメータは全てがC以上で、中でも耐久、魔力、宝具はA+とその辺のサーヴァントとは比較にならないスペックを誇る。
強さ故に黒幕を秒殺してしまうからかイベントでの出番に恵まれておらず、本格的な登場をしたのは実装から1年4ヵ月後の『カルデア妖精騎士杯』。本イベントでは妖精騎士チームの一員として参加。最終戦まで勝ち残ったマスターチームの最後の相手を務める。だが妖精騎士ランスロットが本気を出すとシミュレーターが破壊されかねないとしてモルガンから手加減するよう釘を刺されており、もし破った場合は罰として恥ずかしい秘密を一つ公開すると脅されていた。そもそも本イベントは競争でもあるため高速飛行されたら勝負にならない点も理由と思われる。戦闘ではマスターチームのエルメロイⅡ世とアストライアを同時に相手し、神霊サーヴァントですら止められないほどの強さを見せつけてエルメロイⅡ世に「想定以上の存在だな」と言わしめた。そしていつものようにシナリオ上だけでなく周回面でも想定以上の存在だった。最難関フリークエスト「ミミクリーパラダイス」にて周回要員に起用されて無双したのである。ちょうど『カルデア妖精騎士杯』ではモルガン、妖精騎士ガウェイン、妖精騎士トリスタンが復刻しており、需要が高まった妖精騎士ランスロットも復刻するだろうと思われていたが、何故かランスロットだけイベント期間中に復刻せず、未所持のマスターは肩を落とすしかなかった。
妖精騎士の中では最も小柄。身長は147cmとやや低い程度だが、体重は何と20kg。人形態の煉獄(13kg)に次ぐ全サーヴァント中第2位(レディ・アヴァロンと同率)という驚きの軽さ。参考までにボイジャーが26kg、イリヤスフィールが29kgである。異様なまでの軽さがマッハでの飛行を可能にしているのかもしれない。しかし戦闘において繰り出される一撃は体重の軽さを微塵も感じさせないヘヴィ級。高速移動から繰り出される斬撃、打撃、零距離射撃、蹴り等がエネミーを的確に粉砕する。最強の存在である事を強調するためか攻撃エフェクトが派手。
両手には無毀なる湖光(アロンダイト)を収める青色の鞘が備え付けられている。しかし戦闘中に刀身を出す事は無く、鞘に水色の魔力を纏わせて敵を切り刻む戦法を取る。宝具「今は知らず、無垢なる湖光」展開時に自らの外皮から一対の妖精剣アロンダイトを形成するが、剣とは言っても形状は槍に変化しており、本家ランスロットのアロンダイトとはまた違った刀身になっている。弾丸の如き高速飛行から繰り出される一撃はどのような敵をも貫く。魔力で形成された妖精剣アロンダイトは抜刀すると数瞬の後に霧散するため、常時刀身を展開する事は出来ないが、彼女の魔力が尽きない限りいくらでも形成出来るので宝具を通常攻撃のように繰り出せるほど回転率が高い。幾度も抜き放たれる斬撃の如く、敵対者を葬り去るまで何度でも連射する事が可能。ちなみに彼女は宝具「今は知らず、無垢なる湖光」を本家ランスロットから借り受けた偽物と考えており、(連発可能とはいえ)威力の低さに繋がっている。本人曰く「カッティングが得意」で、敵を切り刻むのは勿論、器用な事にチョコレートの調理にも活用。モルガンのチョコ礼装「キャメロット物語」には彼女のカッティング技術が使われている。
円卓の騎士の名を持つ同僚達と同様に本家の宝具が元となった宝具を使用するが、クラスが「セイバー」でも「バーサーカー」でもない「ランサー」に変異している。その事に関して、当の本人は気にしてないのか、気づいていないのか不明であるが「ランサー」である事に関しては誇りを抱いている節があり、敵対した賢人グリムが大神宣言(グングニル)を使用できる「ランサー」ではなく「キャスター」として召喚されていた。その事実を知り、同類ではないと気づいた際、これまで槍を投げそうだから「ランサー」であると勝手に見て信じていた事もあり、指摘された敵対者である賢人グリムを困惑させて、村正曰く天然な寂しがり屋さんな一面が表に現れてしまう程のショックを受けてしまっている。
人物像
水晶と称される黄金の瞳を持ち、顔立ちは幼いながらも整っており、腰の辺りまで伸びた白銀の長髪を揺らめかす。英霊夢装では更に髪が伸びていた事から自由自在に伸ばしたり縮めたり出来るようだ。
湖を想起させる青色主体の鎧や私服を愛用。戦闘時だと冷酷かつ機械的な印象を受けるも、私的な場面では喜怒哀楽が一目で分かる程に表情豊か。妖精國ブリテンの女王モルガンに仕える傍らオーロラに尽くしていた彼女だが、ちゃんとモルガンに対しても忠誠心を抱いていた。だが、ランスロットの着名をしてくれた恩義を仇で返してしまった事をサーヴァントになった後も後悔しているらしく、「合わせる顔があるものか」と吐露している。
「ブリテンでもっとも美しい妖精騎士」と言われるほど言動ともにイケメン。良家のお嬢様を彷彿させる容姿は村正にして「となりの妖精もまた……なんていうか、可憐、だったな」と言わしめ、美しいものに弱いロリンチが思わず言いなりになってしまった。グロスターの夜会では誰に対しても紳士的で公正な振る舞いを見せ、バレンタインイベントではチョコレートを贈ってくれたカルデアの職員一人ひとりに誠意を込めた返礼をし、妖精國時代のキャメロットでは多くの贈り物を受け取っていた事が判明するなど、男女問わず非常にモテる王子様タイプ。騎士然とした堂々たる振る舞いは女王軍や市井でも有名らしく「牙の氏族の厄介者ガウェイン」、「女王陛下の酔狂トリスタン」と他の妖精騎士が蔑まれる中、「まともなのはランスロット様だけだ」と妖精から評されている。しかし彼女の美しさはオーロラの輝きをもかき消してしまうため、そうならないよう普段は仮面で顔を隠す。
女たらしな本家ランスロットと違って彼女はマスターに一途なため修羅場にならないが、その行動によって起こる相手の心の変化には全く気付いていない様子であり、彼女自身は間違いなく一途だが本家ランスロットと同様に天然のタラシである模様。
本家ランスロットについてモルガンから「精錬で流麗で誠実で立派な騎士」と聞いていて最初こそ憧れていたが、妻帯の騎士としてあるまじき行為を目の当たりにし、モルガンにそういう目で見られていた事にショックを受けている。『バトル・イン・ニューヨーク 2022』の「G・B・Fプロローグ」では(台詞こそ無いものの)本家ランスロットに言い寄られて明らかに嫌そうな表情を見せており、彼女からの評価は釣瓶落とし。加えて着名により彼のスキル「無窮の武練」が付与されているが、最強種の彼女にとって戦闘技術は役に立たないものなので、スキルそのものを嫌っている。「僕は戦闘機だ。人間の剣技なんて邪魔になる。面倒くさい」とは彼女の言。一方でロリンチ曰く王子様の性格も着名によるものらしい。
自身を戦闘機と表現しているが第三再臨の姿では特にその考えが顕著となり、ランスロット(バーサーカー)のマシンガンやモリアーティのミサイル発射機構に興味を示して翼に装備出来ないかと思うなど、男のロマンを理解してくれている様子。「マシンガンにときめかない戦闘機はいないのよ」とは彼女の言。またロボットにも興味があるようで、オデュッセウスの木馬には対抗意識を燃やす一方、エウロペが持つタロスを「温かみとユーモアがあって好き」と評価するなど彼女なりの視点を持つ。また『アヴァロン・ル・フェ』においてアルビオンの遺骸を貶めた挙句、自分を商品扱いしてきたコヤンスカヤには殺意を抱いており、「サーヴァントであるうちは私も見逃してやる。ビースト幼体の兆しが見えた時は全力で戦う」と吐き捨てている。
一人称は基本的に王子様然と振る舞う時は「僕」、素の時は「私」。自身を最強と自覚しているため自分以外の生物を等しく弱者と認識しているが、傲岸不遜な性格ではなく人肌が恋しい寂しがり屋で、「僕の方が強いから従って?」という理由で甘えたがる。寂しがり屋な事に関しては本人も気にしているのか指摘された際、指摘した者に対して静かに殺意を向ける。内向的な性格のため妖精騎士として振る舞う時は自分の気持ちを胸の奥底にしまい成すべき事を迅速に行う行動派。自身が醜い肉塊から生まれたので「生まれ持った生態を理由に差別しない」という信念を持ち、弱者たる人間を疎んではいるものの見下したり憎んだりはしない。
異聞帯のパーシヴァル(fate)とは義理の姉弟の関係にある。彼が小さい頃から武術を教え込み、深い愛情を注いで10年間に渡って面倒を見続けてきた。妖精國最強の騎士に育てられたパーシヴァルはメキメキと成長し、コマドリ大会では決勝戦まで勝ち進んで妖精騎士ランスロットと矛を交えた記録がある。勝利したのは姉の方だったが、妖精騎士相手に持ちこたえたパーシヴァルを見てモルガンから褒美が与えられている。しかしこの事が姉弟の関係を裂いてしまう。モルガンの態度を見て「妖精國を本気で変える気がない」と確信に至ったパーシヴァルは反乱組織の円卓軍を結成。姉と決別・敵対する事になる。そんな彼を姉は「パーシヴァルは……不良になってしまった……母竜として、そんなふうに育てた覚えはないのに……」と嘆く。しかしパーシヴァルはモルガンを倒す事で姉を自由に出来るとも考えており、妖精騎士の桎梏から解放するという姉を慮った理由も決起に含まれていた。ブリテン異聞帯攻略後、彼女はカルデアでパーシヴァルと再会するが、彼は汎人類史の存在。つまり異聞帯の彼とは赤の他人であり、頭では理解しつつも心の整理が出来ていない様子だった(実際パーシヴァルから彼女に向けた専用台詞が無い)。
モルガンのバレンタインイベントで朝に弱い事が判明。妖精騎士ガウェイン曰く妖精國では基本午後出勤だったらしい。そんな彼女だが、女王の命令であれば早朝の会議にも(寝ぼけまなこで)参加する。モルガンは我が夫が誰なのか妖精騎士にも話しておらず、ガウェインとトリスタンはカルデアに所属する英霊だろうと推測していたが、ランスロットのみ正体がマスターだと正しく見抜いていた。自身のバレンタインイベントでも頑張って早起きしていた様子。
『アヴァロン・ル・フェ』では女王の妖精騎士として冷徹に敵を葬って来た妖精騎士ランスロットだが、カルデアに召喚されるとマスターの恋人を名乗るようになる。このためファンから「恋人」の愛称で呼ばれる事も。愛情は本物で、「君の顔を1日24時間は見ていたくて」「恋人同士である事を示すのには、言葉はちょっと難しい」と隠そうともしない。最初からマスターへの好感度が高めというカルデアでは非常に珍しい反応だが、バレンタインイベントでその理由が明かされた。竜種は見た瞬間に運命の相手が分かり、どのような出来事を経てどのように最期の時を迎えるか、結末まで全て見えるのだという。このため竜種は実際に未来を見てつがいとなる相手を決める。召喚された時にマスターを見て、妖精騎士ランスロットは運命の相手だと確信。最初から彼女の獲物だった訳である。ククルカン(fate)を強敵と認めて本気で空中戦を行う事になった際、マスター(一番大切なもの)を賭けようと提案したようで、彼女が空中戦と己の実力に絶大な自信を持っている事が窺える。ちなみに勝敗は明らかにされていない。アルビオンとORTの心臓が本気で戦ったら余波でストームボーダーが壊れるからね、しょうがないね。
2023年7月5日より始まった塔イベント『ミスティックアイズシンフォニー』では、サーヴァントと休憩所に相性が設定され、相性が良いと疲労回復までの時間が3分の1にまで短縮される恩恵を受けられた。休憩所は全部で8つあるのだが妖精騎士ランスロットの場合はマスターのマイルームのみ良相性。相性が良い休憩所が1つだけというのは他に例を見ない。この恋人、実に好意が分かりやすい。
バレンタインイベントではカルデアの女性職員からチョコを贈られ、彼女もまたホワイトデーでお返しを約束するなど、どうやら職員からは男性扱いされている模様。またバレンタインながらマスター(男)からもチョコが贈られるという他には無い珍しい内容になっている。このようにモテモテな妖精騎士ランスロットだが、やはり本命はマスターのみであり、彼からのチョコに期待して昨夜は眠れなかったらしい。彼女にとってバレンタインは告白のイベントではなく「恋人同士の絆の交換」「お互いの気持ちの確認」の認識。既にマスターと彼女は仲睦まじい恋人同士なのである。まず最初に妖精騎士ランスロットとしてアロンダイトを模した白いチョコレートを贈り、次に竜の姿となって「この先、どんな危険な冒険に巻きこまれても私がかならず、あなたを導いてあげるから」の言葉とともに心臓を模した赤いチョコレートを贈った。最強種にとって大切なものとは自らの心臓。チョコレートとはいえ心臓をマスターにプレゼントする辺り愛情はとても深い。しかもそのチョコには100年分の魔力が宿っており、人間であるマスターが食べると丸一日寝込んでしまうのだが、最強種の視点ゆえ彼女はその事を全然気にしていない。チョコとはいえ心臓を贈ったサーヴァントはカルデアにおいても例外中の例外らしく、トラロック(fate)のバレンタインイベントにてテスカトリポカ(fate)にまで知れ渡っている事が判明した。
FGO7周年記念で配布された英霊夢装では藍色の十二単を纏った和風の姿を披露。おそらく恋人の国の文化だから袖を通したと思われる。担当絵師のCHOCO兄貴が出した描き下ろし本によると清少納言(fate)に着付けて貰ったようだ。ちなみに種火の味について言及した数少ないサーヴァント。今まで種火をどのように消費していたのか不明瞭だったが、「味」という事で直接食べていた模様。彼女曰く「この種火、美味しいね」「際限なく食べたい、これ」との事。
マスターを我が夫(妻)と呼ぶモルガンとはマスターを巡って対立している…と思いきや、少なくともランスロット側は「夫と恋人は別ジャンル」と謎理論をかざして気にしていない様子。またカルデアでの妻や恋人呼びは意外と有名なのか、水着清少納言のバレンタインイベントでも言及されている。
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この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
その正体はブリテン異聞帯における赤き竜アルビオンから切り離された左腕の残滓。アルビオンとは幻想種の頂点に立つ竜種の中でも最高位の存在であり、ロリンチによると先カンブリア時代(地球誕生の46億年前から約5億4100万年前)から活動していたらしい。よって魔術師はおろかベオ君でさえも卒倒するレベルの神秘を纏う、妖精騎士ランスロットの反則じみた強さの源流。真名はメリュジーヌ。
妖精歴1万2000年、始まりの六人が聖剣製造をサボった事でセファール襲来を防げず星が無の海に帰した時、アルビオンは帰るべき楽園までのパスを開いていたのだが、小さすぎて通れず、結局楽園に帰れないまま力尽きて墜落死してしまう(楽園へ帰るより地上で飛び続ける事を選んだ結果らしい)。だが肉が腐り落ちる前に左腕を切り離し、それがメリュジーヌの前身となる。その後、アルビオンの遺骸を中心に陸地と森林が生まれ、北の妖精と呼ばれる者たちが住みつく。争いを好まない大人しい妖精だった彼らは遺骸を大切に守って暮らしていた。しかし妖精歴6000年、妖精の死体を土木にして拡大を続けたブリテン島が北の妖精の住む土地と接続し、春の戦争が生起。戦いは人間を擁していたブリテンの妖精が勝利。何の罪も無い北部の妖精は皆殺しにされてしまった。この時の虐殺は徹底したものであり、次代が発生しないほど念入りに殺され、オークニーの地に灰の雪が降った。北部の妖精たちは滅亡間際に「つぎはおまえたちだ」と呪詛を残したという。やがてアルビオンの遺骸は腐り落ちて骨だけとなり、崩れた肉塊から発生した沼の水は妖精への敵意に満ちた不浄なる掃き溜めと化す。女王歴になってもなお湖水地方には北の妖精の怨念が渦巻いていた。
春の戦争から7600年が経過した女王歴1600年頃、アルビオンの遺骸がある暗い沼にて、湖水地方の視察に訪れたオーロラによって拾い上げられる。当初は泥の中で蠢くだけのアメーバの様な不定形の姿(本人曰く汚らしい肉片)をしていたが、自身が泥にまみれるのを厭わずに拾い上げてくれた事、オーロラが持つ輝くほどの美しさに惹かれ、「この人のようになりたい」と願ったことで人型の姿を獲得。まさに奇跡だった。メリュジーヌという名もオーロラが名付けてくれたもの。この時からメリュジーヌはオーロラに絶対の忠誠を誓い、彼女の願いを叶えるべく剣として振る舞う。
女王歴1900年、厄災を恐れるあまり土と風、牙と王の氏族が戦いを始めた。当初オーロラへの愛だけで体を保っていたメリュジーヌだったが、それだけでは厄災化を止められず変調をきたす。そこへ戦争を終わらせたい女王モルガンが彼女に提案を持ちかけ、着名を受けて「妖精騎士ランスロット」となる(妖精國で一、二を争う実力者だが無論これでも弱体化している。着名は醜い真の姿を晒さないための枷である)。こうしてモルガンにも仕える事になったが、彼女は「僕が陛下に従うのは、ブリテンのためじゃない。このカタチを維持するため」と妖精騎士ガウェインに語っている。が、マイルームでの台詞によると着名してくれた事には恩義を感じており、少なからず忠誠心を持ち合わせていた。ともあれメリュジーヌはモルガンとオーロラの二君に仕えるように。メリュジーヌにとって誕生の地である暗い沼には思い入れがあり、時折飛来しては単身モースを掃討していた。女王歴2007年、牧場から買い取られた6歳のパーシヴァルがオーロラの養育院に引き取られる。院長のウッドワスが施す厳しい訓練により集められた子供たちは次々に脱落していったが、パーシヴァルは体格に恵まれていた事、メリュジーヌが直々に稽古をつけていた事で頭角を現す。彼女にとってパーシヴァルは初めての教え子、初めての弟、初めての友人であり、実の肉親であるかのように大切に育てた。パーシヴァルもまた彼女の期待と愛に応えようと一層奮起する。
メリュジーヌはブリテンに住む全ての妖精よりもオーロラを優先した。彼女を輝かせるために多くの罪を重ねた。そうしなければ恩人のオーロラは生きていけないし、何より汚れ役を被るのは醜悪な自分だけで良いと思っていたのだ。そんな彼女にも転機が訪れる。女王歴2011年、オーロラの依頼により北方に住む鏡の氏族を襲撃。鏡の氏族はメリュジーヌの元になったアルビオンの遺骸を守る穏やかな妖精であり、彼らはメリュジーヌを見るなり憐憫の念を持って自ら命を差し出し、あっさりと殲滅された。あまりにも早い殲滅だったため周りの妖精からは忽然と姿を消したようにしか見えず、モルガンですらそのように思っていたほど。何の罪も無い鏡の氏族を滅ぼして精神が追い詰められたメリュジーヌは、たとえ嘘偽りでも良いから「ありがとう」と笑いかけて欲しかった。
ところが任務を果たして帰投したメリュジーヌが耳にしたのは、罪の無い鏡の氏族を殲滅した彼女を蔑むオーロラの刃物のような言葉だった。
「『鏡の氏族』を襲ったモノは、この世のものではありません」
「きっと、体はおろか心まで汚れた、ブリテンでもっとも醜い、腐ったケダモノ」
「外見はどんなにキレイにとりつくろっていても、所詮は私のマネゴトをしているだけ」
「ああ、本当にイヤだわ――あんな生き物。思うことさえ汚らわしい」
オーロラは自分が一番輝きたいがために目障りになった鏡の氏族を始末し、その汚れ役を担わせたメリュジーヌさえ糾弾して「殲滅された鏡の氏族の運命を嘆く常識人」であるかのように振る舞っていたのである。湖水地方でメリュジーヌを拾い上げたのも、「泥から汚くて醜い彼女を拾い上げる私って一番輝いているよね」という演出をするためだった。つまるところ、オーロラにとってメリュジーヌは単なる都合の良い駒に過ぎず、愛しているのは自分自身だけだった訳である。妖精の屑がこの野郎…。オーロラの本性を知って人知れず慟哭するメリュジーヌだったが、彼女の輝きに惹かれた竜は裏切ることが出来なかった。たとえ虚飾であっても泥から拾い上げてくれたのだから…。選定の槍が与えられた快挙を報告するため、決まりを破って聖堂を訪れたパーシヴァルは偶然魂がひび割れていくような慟哭を耳にし、続いて自らの愚かさに絶望する彼女の姿を目撃。あまりの凄惨さに10歳の彼は声をかける事も助ける事も出来なかった。早く大人になって彼女を助けたいと強く願う事しか――。
オーロラの本性を知った後も彼女は妖精騎士ランスロットとして女王モルガンに盾突く反対勢力やモースを掃討し続けた。反旗を翻した都市シェフィールドの攻略、キャメロットの招待されるカルデア軍団の護衛、オベロンが支配する西の森の殲滅など様々な任務を成功させ、その最中でマシュ、ハベトロット、村正、賢人グリムと交戦した。かつて愛したパーシヴァルが円卓軍なる反乱勢力を組織している事を知り、そんな風に育てた覚えはないと嘆息するメリュジーヌだが、彼は身勝手な愛だと理解しつつもメリュジーヌを助ける決意のもと活動していた。今は反乱勢力の長とはいえパーシヴァルと干戈を交えるのは嫌だったらしく、円卓軍とノクナレア軍が同盟を組んでキャメロットを攻めようとした時はノクナレア軍のみを相手するつもりだった。
キャメロット防衛戦では円卓・ノクナレア連合軍を迎え撃つ。しかしこれまでの戦闘ですっかりマークされていたため、陽動部隊に釣り上げられた挙句、村正とグリムの二人掛かりで足止めをされる。しかも彼らはマスターが召喚したサーヴァントを戦力として引き連れており、時間を稼がれている間にノクナレア軍の巨人兵団が正門を突破して連合軍が侵入、また元々戦う気が無かった妖精騎士ガウェインが投降してしまうなど凶報が次々に舞い込む。ここに至りメリュジーヌは負けを認めて飛び去った。その後、上空から城下町へ雪崩れ込む連合軍と裏切り者のガウェインを誅するべく機会を窺っていたところ、オーロラに呼び出されて戦線離脱。女王軍からは命令拒否による敵前逃亡と推測され、玉座に集まった上級妖精たちの動揺を誘った。やがてオーロラが流布した情報により激昂した臣下の上級妖精が反乱を起こし、モルガンが討たれてキャメロットは失陥。円卓・ノクナレア連合軍の勝利に終わった。
モルガンの死後、ソールズベリーの大聖堂で新女王となるノクナレアの戴冠式が行われるも、自分より輝く者を許さないオーロラによって毒殺され、その罪を予言の子やカルデア軍団になすり付ける。オーロラはメリュジーヌを大聖堂に派遣してカルデア軍団の始末を図り、手始めにグリムを不意打ちで仕留めようとしたが、マシュの防御に弾かれて失敗。更にメリュジーヌが送られてきた事で毒殺の犯人がオーロラだと露呈してしまった。「あと数時間は外に出ない方がいい」「街のいたる所で戦いが始まっている。君だと巻き込まれて死ぬだけだよ」とコーラルにアドバイスして下がらせた後、カルデア軍団に迫る。キャストリアはノクナレア毒殺から立ち直っておらず、彼女の援護無しでは全員で挑んでも一人か二人は殺されるだろうと村正は苦虫を嚙み潰したように推測する。そんな彼女の前に立ちはだかったのはパーシヴァルだった。寿命を削る選定の槍の使用さえも辞さない彼の確固たる決意に戦意を挫かれたメリュジーヌは大聖堂から逃げるように飛び去り、カルデア軍団は事なきを得た。
モルガンが死亡した事で解放されたマーリン(fate)の先導を受け、カルデア軍団はキャストリアとともに旅の終着点である楽園アヴァロンへと向かう。その際に通り道として使用されたのがアルビオンが開いたパスだった。罪なき者しか通れない道だったためブリテンの妖精は勿論、始まりの六人さえも楽園へは行けなかった。そして楽園の入り口には来訪者の強さを問う最後の竜が待ち構えており、その姿は赤熱したメリュジーヌそのものであった(霊衣開放クエストをクリアするとスキンが手に入る)。撃破すると楽園に入る事を許される。
それから時間が経たないうちに大厄災が発生。妖精國全土が火の海に没し、大穴から湧き出るケルヌンノスの呪いが妖精をモース化させ、マンチェスターでは厄災となった魔犬バーゲストが地表を蹂躙していた。こうなったのは全てオーロラが原因だと理解していながらも、彼女がいる限りメリュジーヌは厄災化せずに済む。ブリテンの最後までオーロラに尽くそうとソールズベリーへ向かった。街ではアンシリー・コート化した妖精が大聖堂を取り囲んでいたため上階の鐘つき堂に着陸して室内へ入る。オーロラはメリュジーヌを見るなり民を見捨てて自分たちだけ脱出する事を持ち掛け、彼女を絶句させる。それどころか汎人類史の世界にまで脱出してチヤホヤされる理想の世界を作ろうと考えていた。これに対するメリュジーヌの回答は、オーロラを殺す事だった。殺意からではなく愛ゆえに。
そんなわけ、ないんだよ……!
ここでしか、きみはいちばんになれないんだから……!
汎人類史の人間はオーロラが思っているほど甘くない。すぐさま爪弾きにされ、承認欲求モンスターのオーロラを無限の責め苦へ突き落とすだろう。だからその前に殺した。彼女を外の世界もとい地獄の未来へ連れていく事は出来ないから。これがメリュジーヌの愛だった。だが心の支えだったオーロラの死は厄災化を防ぐ最後の砦が無くなった事を意味する。たちまち8000年前の春の戦争で滅ぼされた北の妖精たちの怨念が体を蝕み、予言に記された「炎の厄災」として覚醒してしまった。
なお汎人類史におけるアルビオンは星の内海へ潜る途中で力尽き死亡。霊墓アルビオンという地下迷宮として残留し時計塔の地下にて秘密裏に資源の回収が進められている。(詳しくはロード・エルメロイⅡ世の事件簿にて)
アルビオンの竜骸となってブリテンの空を駆けるメリュジーヌ。北の妖精から背負わされた怨念に突き動かされ、ブリテンを崩壊へと導こうとする。そんな中、ブリテンの崩壊を阻める手段を持った敵性存在――カルデア軍団のストームボーダーを確認。右後方から襲い掛かり、右舷側の装甲を熱線で切り裂いて内部通路を露出させる。ストームボーダーの装甲は神造兵装でなければ傷つけられない堅牢なものだが、神代の存在であるアルビオンの竜骸にはバターのように柔らかいものでしかない。竜骸は気温、気圧、慣性の影響を受けずに超音速で飛ぶ常識の埒外の存在であり、大気中の魔力を使って時速1200km/hから更に加速。艦首部分を切り落とす致命的な一撃はネモの咄嗟の判断で、艦尾方向からの熱線は縦回転でギリギリ回避されるも、今やストームボーダーの撃墜は秒読み段階だった。しかし竜骸の狙いがアルトリア・キャスターである事をホームズが見抜き、甲板上に出す事で竜骸の攻撃を誘導出来ると提案。ストームボーダーの甲板でアルトリア・キャスター、義理の弟パーシヴァルと邂逅する。
炎の厄災アルビオン。ブリテンを蝕む厄災の一番手としてカルデア軍団に立ちはだかる。アルビオン戦では珍しくストームボーダーに耐久力が設定されており、チャージ攻撃のホロウハート・アルビオンを受けると減少。ゼロになると強制敗北になる特別仕様となっている。ちなみにコンティニューすると全快する。残滓とはいえ最強種なので通常攻撃が全体かつ高火力と非常に強力。ブレイクごとに凶悪なバフを自身に掛け、ターンの経過とともにただでさえ高い火力が更に上がっていく上、ホロウハート・アルビオンは無敵貫通付きと一瞬でパーティーが壊滅させられる事も珍しくない。キャストリアの対粛清防御を如何に上手く使うかが攻略の鍵である。
戦闘により傷付いたアルビオンの竜骸は甲板上より離脱。このチャンスを活かせなければ二度目は無い。しかしストームボーダーは既に満身創痍で竜骸を追いかけられるだけの余力が残っていなかった。絶望のあまりネモですら弱音を吐く中、パーシヴァルは選定の槍を使用する。次使用すれば死ぬと分かっていながら。彼は自らの寿命を犠牲に選定の槍を振るい、竜骸の心臓を貫いて墜落させるが、寿命を使い果たして死亡。視界の片隅で体が砕け散っていくのを目撃した竜骸――メリュジーヌの意識は彼の名を呟いて死を悼んだ。かろうじて炎の厄災を退けたストームボーダー。しかし右舷の損壊が激しく、また蓄えた燃料の大半を失った事で30分間の修理が必要となり、作戦の段取りが狂わされた。
力尽きて落ちていくアルビオンの竜骸。後は地面に激突して砕けるだけの存在に、メリュジーヌだった頃の記憶が一時的に甦る。彼女を取り巻く妖精や出来事、美しい光景が次々に浮かんでくる。そして彼女が愛した世界を破壊する奈落の虫を見て、敵性存在と認知。死に体に鞭打って再起動する。飛翔を続けるたびに鱗は剥がれ、肉は崩れていき、短い寿命が更に削れていく。それを承知で飛行を続け、奈落の虫に熱線を浴びせて裂傷を生じさせ――妖精騎士メリュジーヌは命を終えた。
この時に生じさせた裂傷は奈落の虫に呑まれていたストームボーダーにとっての脱出口となり、無事汎人類史の世界まで逃げ切る事に成功した。
サーヴァントとしての能力
ステータス
- クラス:ランサー
- 真名:メリュジーヌ
真名は他にあるけれど・・・大切な名前なんだ - 身長/体重:147cm・20kg
- 出典:フランス妖精史、メリュジーヌ伝説
- 地域:暗い沼、異聞帯ブリテン
- 属性:中立・悪 副属性:地
- 性別:雌型
- パラメータ
筋力:C 耐久:A+ 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:B 宝具:A+ - スキル
- 対魔力:B
- どのようなクラスであれ、妖精騎士は高い対魔力スキルを持つ。
- 陣地作成:B+
- 自らの寝床を陰鬱な森の湖へと変質させてしまう能力は陣地作成スキルとして認識される。
- 妖精騎士:EX
- 妖精の守護者として選ばれた加護。妖精たちの誓い。対人・対文明に特化した自己強化だが、他の『妖精騎士』たちへの攻撃行動はタブーとされ、妖精騎士を殺めた妖精騎士は自己崩壊する。
- ドラゴンハート:B
- 竜の炉心、あるいは竜の宝玉と呼ばれる、メリュジーヌの魔術回路を指す。汎人類史においては『魔力放出』に分類される、生体エネルギーの過剰発露状態。“竜の妖精”として自身を再構築したメリュジーヌは、竜種ではないものの竜と同じ生体機能を有している。
- 無窮の武練:B
- 汎人類史の英霊、ランスロットから転写されたスキル。どのような精神状態であれ、身につけた戦闘技術を十全に発揮できるようになる。過度の修練により肉体に刻み込まれた戦闘経験……といえるものだが、生まれつき強靭なメリュジーヌにはあまり必要のないスキルだった。このスキルの存在そのものをメリュジーヌは嫌っている。生まれつき強い生き物に技は必要ないのである。カルデアへやってきた後に「人間の技もヒロインっぽくていいよね」と考え直し、独自のスキル「ペリーダンサー」に変化している。
- レイ・ホライゾン:A
- イングランドに伝わる、異界への門とされる「地平線」「境界」を守る竜(ミラージュ)の逸話より。メリュジーヌはあくまで『妖精』としての名と器であり、本来の役割は『境界』そのものである。……メリュジーヌ本来の姿に変貌するための手順。カルデアのレイシフトと同じ原理の量子変換技法。
- ペリー・ダンサー:B
- とある妖精の名を冠したスキル。汎人類史においてはイングランド東部サフォークに伝わるオーロラの妖精。
- 宝具
今は知らず、無垢なる湖光(イノセント・アロンダイト)
ランク:A / 種別:対人宝具 / レンジ:2〜10 / 最大捕捉:1匹自らの外皮から『妖精剣アロンダイト』を精製し、対象にたたきつけるシンプルな宝具。ランスロットのアロンダイトの槍版。 ダメージは低いが、回転率はトップランク。まるで通常攻撃のような気軽さで展開される宝具。なぜダメージが低いかというと、メリュジーヌにとってこの宝具はあくまでランスロットの宝具であって自分の宝具ではない借りもの(偽物)だからだ。
誰も知らぬ、無垢なる鼓動(ホロウハート・アルビオン)
ランク:EX / 種別:対界宝具 / レンジ:20〜500 / 最大捕捉:500匹第三スキルによって『本来の姿』になったメリュジーヌが放つドラゴンブレス。『本来の姿』になったメリュジーヌはもはや妖精と呼べるものではなく、その威容の心臓からこぼれる光は広域破壊兵器となる。その様は境界にかかる虹とも、世界に開いた異界へのゲート(異次元模様)ともとれる。使用後、メリュジーヌは『そうありたい』と願った妖精の器に戻れず、人知れず消滅する。異聞帯のアルビオンは『無の海』を飛び続け、やがて死に絶えたが、どの人類史であれ『星に帰り損ねた竜』は無残な最期を迎える、という事の証左でもある。
ゲーム内性能
メインシナリオ2部6章『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』にて実装された限定星5ランサー。
霊基再臨段階で宝具と第三スキル「レイ・ホライゾン」の効果が変わるという初のサーヴァント。第一、第二再臨状態では単体宝具でスキル3を使用すると全体宝具化、逆に第三再臨状態では全体宝具でスキル3を使用すると単体宝具化する。よってメリュジーヌは一人で2つの宝具を持っている事になり、使い分けることで敵編成が変則的なクエストの3ターンクリアも可能という他のサーヴァントには無い唯一無二の特性を持つ。
単体宝具は「通常攻撃のような気軽さで展開される」説明文通り回転率が良く、発動前に付与される「NP獲得量アップ」のおかげで連射を容易なものにする。ただの突進が宝具になる辺り最強種たる所以か。一方の全体宝具は火力特化。スキル3で宝具威力がアップするため、第一と第二再臨からスキル3を経由して発動すると更なる火力増大が見込める。「使用すると人知れず消滅する」という怖い説明文があるがゲーム中では何も起きないので安心。
- キャラクター性能
HP (Lv1/Lv90/Lv100)
2070/14114/15462ATK (Lv1/Lv90/Lv100)
1878/12154/13304COST 16 コマンドカード Quick/Arts/Arts/Buster/Buster 所持属性 サーヴァント、地属性、中立属性、悪属性、人型、女性
特別な星の力、竜、愛する者、妖精、霊衣を持つ者、童話
魔獣型、ケモノ科
円卓の騎士(第一再臨) - スキル
保有スキル ドラゴンハート:B
(CT8→6)自身の攻撃力をアップ[Lv.](3T)
&被ダメージカット状態を付与(3T)
&最大HPをアップ[Lv.](3T・1000→2000)
&NPを増やす[Lv.](10→30%)ペリー・ダンサー:B
(CT7→5)自身のスター集中度をアップ[Lv.](3T)
&毎ターンスター獲得状態を付与[Lv.](3T・5→10個)
+スターを獲得[Lv.](5→10個)レイ・ホライゾン:A
(CT7→5)【第1・第2段階の姿の時】
自身を第3段階の姿に変貌させ宝具を換装
&NPをものすごく増やす[Lv.](50→100%)
&無敵状態を付与(1T)
【第3段階の姿の時】
自身の宝具威力をアップ[Lv.](3T)
&無敵状態を付与(1T)クラススキル 対魔力:B 自身の弱体耐性をアップ 陣地作成:B+ 自身のArtsカードの性能をアップ アペンドスキル3 対ランサー攻撃適性 - 宝具
今は知らず、無垢なる湖光(イノセント・アロンダイト) カード種別:Arts ランク:A 【霊基第1段階、第2段階時】
自身のNP獲得量をアップ(3T)<OCで効果アップ>
+敵単体に超強力な攻撃[Lv.]
&被ダメージが増える状態を付与(5T)
+スターを獲得(10個)誰も知らぬ、無垢なる鼓動(ホロウハート・アルビオン) カード種別:Buster ランク:EX 【霊基第3段階時】
自身に無敵貫通状態を付与(1T)
&Busterカード性能をアップ(3T)<OCで効果アップ>
+敵全体に強力な攻撃[Lv.]
&やけど状態を付与(5T・-1000)
真名
妖精騎士ランスロットの真名メリュジーヌはヨーロッパに伝わる蛇女の名前が由来。主にフランスやルクセンブルク等の低地諸国に伝わっており、伝承によると川の淡水や井戸に生息するとされる。フランスのヴォージュ県ではメルリュス、シャンパーニュ地方ではメルルイザインと地域によって名称が異なるようだ。実はスターバックスのマスコットに起用されていて意外と身近な所で見る事が出来る。
妖精メリュジーヌの存在は古くからヨーロッパで信じられていた。キプロスでは1192年から1489年にかけて島を統治したフランスのリュジニャン王家がメリュジーヌの子孫だと主張し、ルクセンブルグでは先祖にジークフリートとメリュジーヌがいると主張する侯爵がおり、ドイツでは男性を誘惑する女性の悪魔だと解釈され、イギリスでは水の妖精の一人で幼子だったランスロットをチェンジリングして育てたと認知されていた模様。
北フランスのマイナー作家ジャン・ダラスが1382年から1394年頃に編纂した『ロマン・ド・メルジーヌ』にて、妖精の母親に呪われて毎週土曜日に下半身が蛇になる娘メルジーヌが描かれており、本作が蛇女伝説の起源になったとされている。また『ロマン・ド・メルジーヌ』の最後で彼女はドラゴンになって飛び去っているためこれが竜の妖精の元ネタと思われる。1456年にドイツ語版が発売されて人気を博した事でドイツにもメリュジーヌ伝説が広まった。
水着Ver
2023年8月11日より開催された夏イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』にて実装。モルガンの護衛として特異点ハワトリアに来たメリュジーヌが水着霊基になった姿である。
来る前はイヤイヤだったが、いざ南国の楽園へ来てみるとあまりの解放感に野生の本能が目覚め、遊びまくる事と恋人(マスター)との思い出を作る事に躍起となる。しかし、メリュジーヌ本人の創作能力が皆無だったせいでサバフェスに参加出来ず、目的を失って落ち込んでいたところ、モルガンからレスキュー要員になるのはどうかと薦められ、ハワトリア唯一の海上保安騎士として活動を始めた。
…のだが、生粋のサボり癖はそう簡単には治らず、モルガンが経営しているブリスティンホテルにて午前中はカーテンを閉めたVIPルームでまどろみ、午後はプライベートビーチで日光浴という職務怠慢っぷりを見せている(海水が苦手で入れない背景もあるとはいえ)。それでも開放的な性格になった事で笑顔や笑い声が増え、他人への気遣いも出来るようになり、一応レスキュー任務も行っているようだ。
その一方で、ミサイル、外付けの救急箱、ウォータースキー、フェアリーパックなどのレスキュー用具を自作しており、第三再臨でお披露目する。飛行速度はマッハ10に達するらしい。もはや救難用というより戦闘機である。これに伴ってストームボーターに自分用の電磁式カタパルトを増設し、宝具使用時はここから出撃していく。ちなみにネモ船長は「戦艦に戦闘機があるのはおかしくない」と改造には乗り気で、ボーダーの改造費用は、魔力リソースとなる自身の爪や外皮、涙をロリンチに高値で買わせてメリュジーヌが自己負担しているため、筋は通している。
ちなみに水着メリュジーヌの出撃シーンを作るために、わざわざストームボーダー全体のCGを製作するという非常に手間の掛かる事をしている。しかも使用するのは全体の一部のみ。
余談だが、着用しているマスクはオーメストグランデとのコラボで実際に発売されている。
ステータス
- クラス:ルーラー
- 真名:メリュジーヌ・オンディーヌ
- 属性:中立・悪 副属性:地
- パラメータ
筋力:C 耐久:B 敏捷:EX 魔力:B 幸運:A+ 宝具:B - スキル
- 対魔力:B
- どのようなクラスであれ、妖精騎士は強い対魔力を持つ。
- 陣地作成:-
- 空中を寝床(巣)にする事で『陰鬱な森の湖』に変えてしまう特性から、離脱した。
- 妖精騎士:C
- 妖精の守護者として選ばれた加護。対人・対文明に特化した自己強化だが、他の『妖精騎士』たちへの攻撃行為はタブーとされ、妖精騎士を殺めた妖精騎士は自己崩壊する。……のだが、今回はバカンスという事でかなり緩くなっている。
- 騎乗:A+
- メリュジーヌ自身が空を飛ぶために『何かに騎乗する』という事はないのだが、高機動戦闘妖精として騎乗スキルを獲得している。新たに装着した翼(フェアリーパック)そのものが彼女の乗り物だ。
- フェアリーパック:A
- リゾート地でケガ人、遭難者が出る事などあってはならない。なぜって恋人とのバカンスが台無しになるからだ。自称空気の読める、つよつよドラゴンは自分の強さだけを誇る事はせず、その翼を海上での戦闘・救護活動をメインにするものに変形させた。脅威の機動力に加え、要救護者を救う(かばう)事もできるぞ。
- 蒼穹の武練:A
- 砂浜にあっても浮かれず、身につけた戦闘技術を十全に発揮する。基本値ではランサー時の『ベリー・ダンサー』に劣るものの、浜辺・水上・空中ではこれを上回る。
- ブルー・ホライゾン:EX
- 空を征く者にとって、地平線も水平線もそう変わりはない。『境界』に刻まれた記録帯を霊子に変換する、アルビオンの超抜能力。ランサー時の『レイ・ホライゾン』の霊基第一、二と霊基第三の効果が複合(もちろん出力は低下している)したもの。
- 宝具
虹を駆ける、無垢なる鼓動(スプライト・アルビオン)
ランク:B / 種別:対軍宝具 / レンジ:40~80 / 最大捕捉:30人外部に展開した武装をフェアリーパックからドラゴンパックに換装後、ストーム・ボーダーから発進し、攻撃対象に向けて全火力を放つオールウェポン・アタック。その飛行速度は易々とマッハ10に到達するとかしないとか。
「ボーダーの改造費は自己負担だよ。竜の外皮とか爪とか涙とか、魔力リソースになるって知ってるでしょ?ここぞとばかりにダ・ヴィンチに高値で買い取らせたのさ」
ゲーム内性能
イベント「サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!」にて実装。
限定星5ルーラー。
- キャラクター性能
HP (Lv1/Lv90/Lv100)
1980/13500/14790ATK (Lv1/Lv90/Lv100)
1776/11495/12583COST 16 コマンドカード Quick/Arts/Arts/Buster/Buster 所持属性 サーヴァント、地属性、中立属性、悪属性、人型、女性
特別な星の力、騎乗、竜、愛する者、妖精、童話
ケモノ科、夏モード、魔獣型 - スキル
保有スキル フェアリーパック:A
(CT8→6)自身のArtsカード性能をアップ[Lv.](3T)
&クリティカル威力をアップ[Lv.](3T)
&〔混沌〕特攻状態を付与[Lv.](3T)
+自身を除く味方全体に被ダメージカット状態を付与[Lv.](3T)蒼穹の武練:A
(CT7→5)自身のスター集中度をアップ[Lv.](3T)
&毎ターンスター獲得状態を付与[Lv.](3T・5→10個)
+〔水辺〕または〔空中〕のフィールドにおいてのみ、自身に毎ターンスター獲得状態を付与[Lv.](3T・10→20個)
+スターを獲得(10個)
+〔水辺〕または〔空中〕のフィールドにおいてのみ、スターを獲得(20個)ブルー・ホライゾン:EX
(CT8→6)自身のNPをすごく増やす[Lv.](50→80%)
&宝具威力をアップ[Lv.](3T)
&無敵状態を付与(2回・3T)クラススキル 対魔力:B 自身の弱体耐性をアップ 騎乗:A+ 自身のQuickカードの性能をアップ 妖精騎士:C 自身の〔人の力を持つ敵〕に対するクリティカル威力を少しアップ アペンドスキル3 対セイバー攻撃適性 - 宝具
虹を架ける、無垢なる鼓動(スプライト・アルビオン) カード種別:Arts ランク:B 自身の攻撃力をアップ(3T)<OCで効果アップ>
&クリティカル威力をアップ(3T)
+敵全体に強力な〔地の力を持つ敵〕特攻攻撃[Lv.]
関連動画
関連静画
関連項目
- TYPE-MOON関連の一覧
- サーヴァント(聖杯戦争)
- Fate/Grand Order
- 主人公(Fate/Grand Order)
- ランスロット
- ヴァイオレット
- ボクっ子
- マシュ・キリエライト
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