概要
1991年から山本弘などのグループSNE所属の小説家を中心に複数の作家によって書かれた、シェアードワールドライトノベルシリーズ。角川スニーカー文庫より出版されていた。TRPGとしても展開され、こちらの関連書籍は角川スニーカーG文庫として出版されていた。現代を舞台に「妖怪」が活躍する。
2000年以後は「百鬼夜翔」という後継シリーズへと移行したが、2011年にも約10年ぶりに「妖魔夜行」の新作小説が出ている。
「妖怪」
付喪神や濡れ女や化け猫など、いかにも「妖怪」然とした者たちも多数登場してはいるが、本作の設定上この「妖怪」とは人間の思いから生まれるものとされている。そのため架空の存在ならばどんなものでも、強い思いが集まればひそかにどこかで「妖怪」として誕生している。
小説やTRPG関連書籍などで登場した妖怪らしからぬ「妖怪」の例としては、「都市伝説に登場する怪人」「特撮ヒーロー番組の登場人物」「宇宙人」「天使」「シャーロック・ホームズ」「雷神トール」「建御名方」など。
どれも人間の思いから生み出された「妖怪」であるため、例えば宇宙人も「本物の宇宙人」ではなく地球出身であり、家畜の肉をくりぬくとか麦畑にミステリーサークルを残すなど、「宇宙人がすると人々が信じていること」を自分たちでも意味も分からず妖怪としての本能で妖力を使って行っているだけである。自らの「本物ではない」という虚ろさを悩む妖怪キャラクターが登場する作品もある。
ただ元になった「思い」が強ければ強いほど強力な妖怪となる傾向があるため、多数の信徒から「思い」を寄せられて誕生した「神」たちは、えてして本当の「神」と言っても差支えないほどの強大な力を持っている。
TRPG「ガープス・妖魔夜行」
上記のようにTRPGとしても盛んに展開され、小説だけではなくTRPGリプレイやルールブックなど、サプリメント(関連書籍)が複数出版された。ゲームシステムとしては汎用TRPGシステム「GURPS(ガープス)」を拡張して利用していた。
GURPSはキャラクターを作成する際にキャラクターポイント(CP)を使って能力を決めていく。目安としては25~50CP使って作成されたキャラが一般人~秀才、75~125CP使うとかなり優れた能力を持つ英雄候補、150CP~200CPで英雄クラスとされ、ファンタジーものなどでは75~125CPでプレイヤーキャラ(PC)を作成する事が多い。
しかしこの「妖魔夜行」ではPC妖怪の推奨作成CPは350CPまたは600CPとなっている。これにより人間の限界を軽々と超越した強靭な体と、「妖力」としての様々な特殊能力を備えることになり、プレイの幅が大きく広がる。また、ボスなどで1000CPを超す強力な敵NPC妖怪が登場したりもするので、「人間だったら即死」級のダメージがガンガン飛び交う派手な戦闘が展開されることもある。
関連動画
「妖怪」を扱う作品という共通点があるからか、東方ProjectのキャラクターがTRPG「ガープス・妖魔夜行」をプレイする動画がやけに多い。(「東方卓遊戯」の記事も参照)
こちらは「アイドルマスター」のキャラが「ガープス・妖魔夜行」をプレイする動画。(「卓ゲM@Ster」の記事も参照)
関連項目
- シェアードワールド
- ライトノベル
- TRPG
- グループSNE
- 山本弘
- 水野良
- 秋口ぎぐる(参加したのは後継シリーズ「百鬼夜翔」の方)
- 角川スニーカー文庫
- GURPS
- 東方卓遊戯
- 命蓮寺で妖魔夜行
- 卓ゲM@Ster
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- 0pt