「ここは、静かですね」
妙高(みょうこう)とは、大日本帝国海軍の重巡洋艦である妙高をモデルとした艦娘である。
一見黒髪のおかっぱ頭に見えるが長髪を後ろで纏め上げてシニヨンにしており(よく見ると首の後ろ辺りがモコモコしている)、両の横髪をピンで留めている。短めの前髪に露わな太眉が印象的。
イラストはBob。CV:種田梨沙。図鑑番号は通常・改がNo.055、改二はNo.191。
私、妙高型重巡洋艦、妙高と申します。共に頑張りましょう
妙高型四姉妹の長姉。アクの強い妙高型姉妹達の中で最も落ち着いた、しっかり者の女性。MVP獲得時の台詞のように、基本的に一歩身を引き、自分でなくて周囲を立てる余裕も持ち合わせる大人のレディである。
2014年5月9日のアップデートにて時報、放置ボイスが追加された。
特筆すべき点としては、時報を持つ艦娘たちの多くが24時間通して時刻を知らせるという任務に耐え切れず、深夜には眠気にまどろんでしまう(或いは就寝を催促する)中、彼女はそれが一切なく、それどころか提督が寝ているときですらひとり黙々と職務に励む敏腕秘書官ぶりを発揮。秘書官としては他に比肩しうる者がいない程に有能な彼女であるが、ひとたび怒らせると恐ろしいことになる。提督が1日の間に足柄と羽黒の二人との約束を忘れて両方ともすっぽかすという不義理を働いた際には、足掛け二時間以上に渡って説教を繰り広げ、提督をすっかり参らせた。
妙高型は重巡の中では平均的な性能であるが、この妙高は姉妹艦と比べて雷撃の強化最大値が10だけ高くなっている。また、彼女のみレア度が2段階高くなっているので、妙高型を揃える任務の最後の砦となっている場合も多い。因みにこの任務は第四艦隊開放の為の任務(金剛型四姉妹を揃えるアレ)の出現条件となっており、この時点で泣きを見る提督も少なくないとか。
絵師が同じである那智や川内もそうなのだが、中破すると立ち絵が服が脱げている絵に変わる艦これにおいて、なぜか他のキャラと違って中破絵がダイナミックに吹っ飛ばされている瞬間の絵であるため、中破状態で秘書艦にしていると母港が大変なことになる。またそのダイナミックさから、雑コラのネタにされることもしばしば。(一説によると、最初に中破絵を注文されたとき、「中破にされた時の絵」をリクエストされた絵師が「中破した瞬間の絵」を描いてしまったことに由来するとか何とか。日本語は難しい)
この妙高、妹達のためにも、最後まで戦い抜く覚悟です!
「これなら私、最後まで戦えそうです!」
史実での華々しい武勲や終戦まで沈没を免れた幸運から、比較的早期から雑コラのイメージ脱却改二の実装が期待されていたが、妹艦の羽黒の改二実装から約1ヶ月後の2014年7月4日のアップデートにて、遂に現実のものとなった。
純粋な重巡としては「衣笠」、「羽黒」に続く三人目かつ重巡のネームシップとしては初(「利根」の改二は航空巡洋艦に艦種が変わるので)の改二で、改造レベルが70と「利根」「筑摩」に並ぶ重巡トップの練度(運営曰く「かなり高い練度」)を必要とする。
服装や艤装は概ね羽黒改二と同じくしているが、艤装や靴に白、緑、茶色の斑の迷彩模様が施されることとなった。これは史実においてシンガポールの港で浮砲台となった際に施されたものを反映しているためである。おっとりとしていた表情はキリリと引き締まり、自信と気品に満ち溢れた佇まいによって彼女の「デキる女」感がますますアップすることとなった。また、前髪が若干伸びた。マロ眉は犠牲となったのだ……。
中破絵は以前の吹っ飛ぶスタイルを踏襲するのかどうか一部で話題になっていたが、無事(?)標準的なスタイルに落ち着いた。具体的にはこちらに背を向けて座り込む形になっており、前述のシニヨンと艶めかしい極上のうなじを堪能することができる。絵が一新されたことを残念がる声も上がっていたが、これはこれで旦那の死後すぐ手篭めにされる未亡人若妻っぽさが醸し出されて……あ、憲兵さん何でしょうか?
追加ボイス等では行動を共にする機会が多く、共に同じシンガポールで最期を迎えた高雄と仲が良く飲み友達としてお誘いを受けている。偶然とはいえ重巡四人の姉妹の長女同士で落ち着いた人柄かつ総じて妹たちも個性的なため波長が合う様子。
性能に関しては、羽黒改二と比較すると耐久が1、火力が4低いものの、それ以外は同等以上の数値となっている。中でも回避85、雷装88、そして運32(さらに近代化改修で、限界までまるゆを食わせると実に79まで上がる)は重巡中トップであり、カットインも狙っていける。あと、対空値も80と摩耶様や利根姉妹改二に次ぐ値となっているのは、最後は防空砲台となっていた史実に基づくものか。
羽黒改二同様20.3cm(2号)連装砲を2つと22号対水上電探1つが初期装備となっている。また、彼女専用の任務【新型電探を配備せよ!】[1]が用意されており、これを達成すると22号対水上電探改四が新たに手に入る。因みにこの電探は対潜+2が付いているが、これは後述の妙高が潜水艦に攻撃を命中させた際に使われていたためだと思われる。だからといって重巡がこれを装備しても対潜攻撃できるようにはならない。
もし、難しい史実なら、向こうでいたしましょうか?
ワシントン海軍軍縮条約によって巡洋艦の排水量が1万トン以下と定められ、それに準じた日本初の1万トン巡洋艦が設計され、建造が始まった。それが妙高型である。
ワシントン条約では巡洋艦は排水量の制限のみであり、そこへ目一杯の兵装を詰め込もうと軍令部は主砲8門・魚雷8門で35.5ノットを要求、しかし設計者の平賀譲は魚雷全廃の代わりに主砲10門として譲らず、一度はこれが受け入れられたものの、その後軍令部が無理やり魚雷を追加して改設計させ、主砲10門・魚雷16門を搭載した世界でも抜きん出た火力を持った重巡が完成する。居住性は犠牲になったのだ・・・
そんなこんなで1929年(昭和4年)7月31日横須賀海軍工廠にて竣工。実は那智が前年に、更には羽黒が3ヶ月前に既に竣工しており、妙高型の中では3番目に竣工した。艦名は新潟県の妙高山から。
日中戦争で上海や海南島などの攻略作戦に従事した後、太平洋戦争では妙高型4隻で交代で第五艦隊を編成し、フィリピン方面に進出。スラバヤ沖海戦では僚艦と共に英重巡「エクゼター」と駆逐艦2隻を撃沈する活躍を見せ(「雷」と「電」が敵兵の救助活動をしたのがこのとき)、その後も珊瑚海、ミッドウェー、アリューシャン、ソロモン、サイパンと数々の戦闘に参加した。ちなみに駆逐艦「初風」のトラウマとなったブーゲンビル沖海戦は43年11月である。
1944年のレイテ沖海戦に参加した際に雷撃を受け損傷し、戦場を離脱。シンガポールでの修理の結果、何とか外洋航行が可能なまでに復旧し、内地での本格的な修理のために駆逐艦「潮」と共に佐世保に向けて出港した。ところが12月13日夜、マレー半島に沿って北上している所へ米潜水艦SS-320「バーゴール」[2]の雷撃を受け、艦の後部を切断される。「妙高」も電探を駆使し敵潜水艦に攻撃を当てるが、撃沈するには及ばなかった(主砲弾を直撃させたが、運悪く不発弾だった。とはいえ、「バーゴール」側も一時は自沈処分の命令が下るほどの惨状で、向こうも生き残れたのは奇跡的だったとも)。航行不能に陥った「妙高」は僚艦の「羽黒」に曳航されシンガポールへと引き返す。
命からがら戻って来ることはできたものの、もはや修理不能な状態となっていたのと、海軍は大破した大型艦の修理はもうしない(直しても動かす燃料がないので)と方針変更をしており、高角砲や機銃といった外せる武器はすべて陸揚げして港に備え付け、乗組員も臨時陸戦隊として再編成され、港の防備にあたることになった。身動きできないとはいえ、メインの缶や発電機は使用可能だった「妙高」は、港で浮砲台となり、そのまま終戦を迎えた。
その後、「妙高」は同じく港で浮砲台となっていた「高雄」と共にイギリスに接収されたが、1946年(昭和21年)7月8日にマラッカ海峡において、「高雄」より一足先に海没処分された(「高雄」の海没処分は10月29日)。
時は流れ、妙高が没してから50年後の1996年(平成8年)、イージスシステムを搭載したこんごう型護衛艦の3番艦「みょうこう」が就役した。体を引き裂かれてもなお沈まなかった艦の名は、BMD改修(弾道ミサイル防衛能力)さえ施された上で、今も某国のミサイルの脅威から日本を守ったり、得体の知れないエイリアンと戦ったりしている(詳細についてはハリウッド映画『BATTLE SHIP』を視聴すべし)。
その姿は定係港である舞鶴鎮守府地区で目にすることができる。なお、同じ舞鶴を定係港とするのが前世での相棒の「妹」でかつ現世「あしがら」の「姉」といえる「あたご」なのはまた偶然とはいえ面白い構図である。
関連動画です。素晴らしい動画ですね!
あら、新しい関連静画をお迎えしますね
改二静画、感謝致します
関連立体、参ります
作戦司令部より、関連コミュニティがあるようですよ?
致し方ありません…関連項目に移行します!
- 艦隊これくしょん~艦これ~
- 重巡洋艦(艦これ)
-
妙高型重巡洋艦(妙高型四姉妹・第五戦隊)
妙高(艦これ) ←これ
那智(艦これ)
足柄(艦これ)
羽黒(艦これ)
自衛艦これ
=こんごう型護衛艦3番艦
=あたご型護衛艦2番艦
=まや型護衛艦2番艦
- 初風(艦これ)
- 高雄(艦これ)・・・ともに重巡姉妹の長女で最期も同じシンガポール。後に仲が良い事が本編でも言及
- 神風(艦これ)
- 種田梨沙/種田艦隊
- bob/bob艦隊
- 改二
脚注
- *なお、この【新型電探を配備せよ!】任務は、そもそも受けられるようになるまでのハードルがかなり高く、中でもレア駆逐艦「卯月」を含む睦月型駆逐艦4隻のみで挑まねばならない【「第三十駆逐隊」対潜哨戒!】が突破できない提督が数多いという。
- *資料によっては「バーガル」とも書かれているが表記揺れの範囲。「アルバコア」や「ハーダー」でお馴染みガトー級ではなく、その改良型のバラオ級の潜水艦(とはいえ、綾波型や暁型が吹雪型に含まれることもあるように、バラオ級もガトー級扱いされることがある)。他にも日本の輸送船を多数沈めた歴戦の潜水艦で、「妙高」とは結果的に痛み分けとなり修理送りとなるが、その復帰後も、給糧艦「荒埼」を始めとして輸送艦や海防艦を沈め続け、無事に終戦を迎える。戦後、米海軍から退役した後はトルコに払い下げられ、「トルグトレイス」という名で実に1977年まで現役を続けた後、1983年に除籍され、2000年にスクラップ処分にされるという数奇な運命を辿る。
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