穢れし愚者の魂を、消去せよ―――
ライド・THE・ヴァンガード!
《威圧する根絶者(ドーンティング・デリーター) ヲクシズ》!
《威圧する根絶者(ドーンティング・デリーター) ヲクシズ》とは、TCG「カードファイト!! ヴァンガード」のカードである。
イラストレーターはDaisuke Izuka。
劇場版アニメパート「ネオンメサイア」のラスボスとして登場。その際の担当声優は土師孝也。
スペック
ノーマルユニット
クラン:リンクジョーカー 種族:エイリアン
グレード:3 パワー:11000 クリティカル:1 シールド:なし
効果:
起【(V)】:[【CB(3)】 - カード名に「根絶者」を含むカード,あなたのリアガードを1枚選び、ソウルに置く] 相手のヴァンガードをすべてデリートし、そのターン中、このユニットのパワー+10000。(デリートされたユニットは裏向きになり、パワーが0でテキストを失う。持ち主のターンの終わりに表に戻る)
自【(V)】:相手のライドフェイズ開始時、相手のヴァンガードがデリートされているなら、相手は自分の手札から1枚選び、捨ててよい。捨てないなら、そのライドフェイズ中、相手はノーマルライドできない。
遊星「ブラント」に寄生する謎多き存在《根絶者》を束ねる者。
かつてブラントに呑まれた折、その環境に適応した者の一人。《根絶者》の邪魔をする者、即ちブラントの進行の妨げになる者を排除する為だけに行動し、進路に知的生命体を有する星が存在した場合は、自ら降り立ち排除する。
次なる餌はブラントに仇為す可能性を秘めた、危険な存在が眠る星、「クレイ」。いち早くクレイに降り立った彼は、この惑星と繋がるもう一つの青き星をも巻き込み、「救世主」の奪取と、その覚醒を担うだろう芽を刈り取るべく、行動を開始する。
「彼らは侵略者ではない。 根絶者(デリーター)だ。」
余談だが、このカードは公式サイトで募集された「気になるあのユニットの設定アンケート」のベスト4に選ばれ、設定が開示されたという経緯がある。
《根絶者》って?
宇宙を彷徨い、その軌道上の存在を呑み込む星「ブラント」。はるか昔、その遊星は”リンクジョーカー”本隊の軌道上に現れた。億を越える大軍がこの星に呑み込まれ、消滅したかに思われたが、中にはブラントの環境に順応し、生き残った者達がいた。彼らは長い時をかけて身体を星に馴染ませ、ブラントに寄生する禍々しき姿の生命体との共存に成功。”リンクジョーカー”は彼らを《根絶者(デリーター)》と称し、再び宇宙に放ったのである。今や完全に星の環境を掌握した彼らは、ブラントと共に今も銀河中を蹂躙し続けているという。
遊星ブラントに所属する《リンクジョーカー》の新たな侵略者。初出は漫画版だが、劇場版アニメパート「ネオンメサイア」において本格的に登場する際に設定が整えられた。
特徴として、コミックブースター「先導者と根絶者」以前に登場したカードは、歴史的仮名遣における片仮名「ヰ」「ヱ」「ヲ」のいずれかがカード名に組み込まれている他、後述の能力「デリート」に関わる効果を持っている。
漫画版においては、日本語表記にルビを振る形ではなく、最初から全て片仮名で名称が決められている。(例:《ドッキングデリーター グレイヲン》 同カードは後に《絆の根絶者(ドッキングデリーター)~》となりカード化された)
また、漫画版における「デリート」はカード化を考えられていない効果だったためか、ソウルが0になるなどの凄まじい副次的効果を持っていた。
コミックブースター「先導者と根絶者」においては、ドロップゾーンのカードを裏側でバインドする実質的な除外効果「バニッシュデリート」が新たな根絶者の特色となっている。
ちなみにこの「遊星ブラント」だが、《ヲクシズ》の背景に描かれている星がそれである。
《享受する根絶者 ヰゴール》、《速攻する根絶者 ガタリヲ》、《慢心する根絶者 ギヲ》と、同イラストレーターのカードはグレードが上がるたびにブラントに近づいていく演出がある。
概要
ムービートライアルデッキ「凶星の根絶者」に登場する目玉カード。例によって1枚しか収録されていないため注意されたし。
それまでのトライアルデッキの切り札の目玉だった「リミットブレイク」や「双闘」能力を持たない代わりに、漫画版で登場していた能力「デリート」を実装した初めてのカード。
ユニット能力にもある通り、デリートはヴァンガードを対象に行われる。強力な効果だが、初期の《ドラゴニック・オーバーロード》を超えるコストが非常に重く、周辺サポートカードを活用しない限り、繰り返し効果を使うことはおろか、他のカウンターブラスト効果との併用すら困難。
かといって、カウンターコストを回復するカードは「根絶者」にはファーストヴァンガード《享受する根絶者 ヰゴール》と、ヴァンガードにアタックがヒットした時限定の《貪り喰う根絶者 ジェヰル》しか存在せず、名称以外のカードを採用してしまうとこのカードのコストに影響が出てしまう可能性が出てくるという悩ましい問題点を抱えている。
「デリート」
デリート自体は、実質相手のパワーを0にした上で効果を封じてしまう凄まじい効果である。デリートを受けたカードは裏向きになり、相手ターンの終了時まで効果は続く。
ヴァンガードにおいてパワーは防御力も兼ねており、パワーの低いヴァンガードが攻撃力の高いユニットに殴られた場合、それを防ぐためにより多くの手札を消費しなければならなくなる。
これにより、相手の効果を封じた上で、パワー0のヴァンガードを相手に一方的に高いシールド値の要求を続けることができる。
効果が封じられるため、クロスライド効果はおろか《夢幻の風花 シラユキ》や《旭光の騎士 グルグウィント》といった相手ターンで効果を発動する防御的な効果すら踏み越えてアタックをすることができる。
たとえ相手が完全ガードを持っていたとしても、リアガードの攻撃に高いシールドを要求させるため、非常に心強い。
そして、相手ターン中もデリートは続くため、相手のヴァンガードの攻撃や効果発動に重大な支障をもたらす。
「呪縛(ロック)」とは違い、相手の攻撃こそ封じないが、ヴァンガードのパワーは0。双闘していようが、現状デリート能力を持つカードはレギオンメイトもまとめてデリートするため、問題なくパワーを下げられる。
そのため、デリートされた相手ヴァンガードのアタックはブースト分しかパワーがないことも多く、その状態では容易にガードができるだろう。ユニット名称と双闘状態が保持されるところと、トリガーチェック行為自体や、効果によるヴァンガードのパワー上昇も問題なく行われるところには注意したい。
余裕ぶっこいてノーガードを選択して、相手がトリガーを引き、ヴァンガードにパワーを集めて攻撃が通った、では笑えない。
ちなみにスタンドトリガーを採用している場合、デリートされてパワーの低くなったヴァンガードに対してリアガードで連続攻撃を行えるため、「根絶者」とは相性がいい。そのためか、根絶者のスタンドトリガーの追加はやや遅かった。
もう一つ重要なポイントとして、ライドやGユニットへの超越によりデリートされたヴァンガードを上書きすることができるが、デリートされたカードがライドや超越をされた時、デリートされたカード自体の効果誘発は不可能である。
これは、実際ライドや超越を行った際に効果発動タイミングがあり、その後デリートされたユニットがソウルあるいはハーツに移動、デリートが解除されるからである。
そのため、ブレイクライドや超越ボーナスを主体としたデッキには手痛いメタ効果になりうる。
相手ターンにおいてのデリートの弱点として、ヴァンガードが新たなカードに変化してしまえばデリートは解除される。
各種ライド効果に加え、新たに登場したGユニットへの「超越(ストライド)」でデリート状態を突破されてしまうのだ。
このため、相手ターン中のデリート突破手段は比較的豊富であり、グレード3に対してデリートを敢行しても自分のターンの攻めにしか生かせないことも多々ある。
ただし、自分のターン中はデリートの突破手段が著しく限られるため、自分が攻める時にデリートを使うのならば何ら問題はない。
ライド制限効果について
デリートは先述の通り、終了タイミングを待たなくても新たなヴァンガードにライドすることで終了させることができる。
しかし、このカードのもう一つの効果がそれを簡単には許さない。
このカードの前で、ノーマルライドによりデリートの解除をしようとした場合、コストとして追加で手札1枚を要求することができるのだ。
そのため、手札を全て消耗してしまった場合相手はドローカードだけでノーマルライドを行うことができず、仮にノーマルライドできたとしても攻め手を奪うことができる。
後続のグレード3根絶者は双闘効果を持っていたり、呪縛などの副次的効果を所持しているが、それらよりカウンターコストが重い反面、拘束力が強いのが《ヲクシズ》の長所である。
以上のことから、《ヲクシズ》に限っては、劇場版で実際にあった「グレード2のヴァンガードに対するデリート」も十二分に有効である。双闘や超越には互いにグレード3以上であることを要求するという弱点があるため、それを行使するためにさらなる手札消費を強いると考えれば、たとえ相手ターンでデリートを解除されたとしても悪くない。
双闘でもライドによる手札消費は2枚、行為に手札コストが必要な超越に至っては最低3枚以上の手札消費となる。
仮に相手がライドを選択しなかった場合、グレード2のためドライブチェックの枚数が1枚減少する。パワー減衰もあり、これもこれで非常に美味しい展開である。
総じて、ノーマルライドに対する拘束力の強さで相手を苛みつつ攻めていくのが《ヲクシズ》軸の戦い方となる。
メディアミックスにおける活躍
劇場版アニメパート「ネオンメサイア」において登場。遊星ブラントの代表的存在。
伊吹コウジに対して惑星クレイを通じて遊星ブラントから干渉。彼の「楽しかったヴァンガードの記憶」を奪い去り、「ヴァンガードの楽しさを共有することができず、同級生からは罵倒され遠ざけられ、教師にすら見捨てられ非難された」という幼少期の悲しい記憶を呼び覚まし増幅させたことで、彼を傀儡とし、地球、そしてそれと繋がっている惑星クレイを滅ぼそうとした。
早い話が、全ての元凶である。
作中では全てのファイトで伊吹の分身として登場。しかし実際は伊吹自身がヲクシズの分身に仕立て上げられていたのが実情である。
雀ヶ森レン、矢作キョウなどの「メサイア・スクランブル」招待客を次々と屠り、そのクランごとデリートを敢行している。本作のデリートを受けて敗北した場合、デリートされたクラン全てのカードが絵柄や能力を失い、使用不可能になる。実際、雀ヶ森レンのカードがデリートされた後、同じクランを使用していた元カトルナイツ「ラティ・カーティ」がカードをデリートされ困惑する場面が描かれている。
実際の「メサイア・スクランブル」においても、1回戦で先導アイチを、準決勝で葛木カムイを下し、デリートする。
しかしアイチが敗北した時の場合は、その惑星クレイとの繋がりの強さからか、《ブラスター・ブレード》がロイヤルパラディン自体を庇い、《ブラスター・ブレード》のみがデリートされてしまう。
そして大会どころかその開催地が、惑星クレイとの連動の為崩壊を始めた際、《ブラスター・ブレード》は立凪タクトの助力を得て復活。それにより、伊吹vsアイチ&櫂という変則マッチに突入することになった。最終戦でもライドされ、そのデリート能力を用いて二人を苦しめる。その途中、アイチ・櫂を含む幾人かが「伊吹ではなく《ヲクシズ》が全ての元凶」と気づいている。
最終的に、デリートされたユニットの上に、Gユニット《ハーモニクス・メサイア》を覚醒させたアイチが史上初の「超越(ストライド)」を敢行。これにより高い攻撃力を得たアタックは、伊吹のガードを突き破り、勝負を決め、同時に《ヲクシズ》による伊吹の支配をも打ち破り、伊吹は大切なことを思い出し、救われたのだった―――。
その後、このカードは支配から脱却した伊吹により投げ捨てられている。極めて危険なカードであるため、この処置は当然だろう。続編「カードファイト!! ヴァンガードG」においても一切の使用形跡がない。
関連動画
関連項目
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