婦女子(ふじょし)とは、成人した女性や子供。婦人。落ち着いたたたずまいや清楚な女性など意味する言葉である。
概要
婦女子という言葉自体は古くからあり、「婦女子の皆様」「婦女子のたしなみ」など丁寧な意味で扱われていた。 使い方によっては男性の子供も含む場合がある。江戸時代にはすでに存在した言葉であり、1889年の福沢諭吉が書いた書物にも登場。
現在でも新聞や公共機関などはこの単語を使っている。小説にも度々登場する。
「腐女子」との違い
婦女子という言葉は古くから日本語として使われていたが2000年代に入ってからは、この婦女子という言葉をもじって「婦」を「腐」に変えた「腐女子」という言葉も広く使われるようになった。
混同されやすいが、あくまで「腐女子」という言葉はこの「婦女子」とは別の概念である。
「婦女子」という言葉が本来丁寧語であるのに対し、「腐女子」は元は侮蔑・自虐であるため意味が全く異なる。 しかし、発音はどちらも「ふじょし」になるので、テレビやラジオで「ふじょしのみなさまです。」と聞こえたときはどちらの意味か分からないこともあるので注意が必要になってくる。女性の方は「ふじょしの人はこちらに来て下さい」とか言われても「腐女子」の意味だと思わないように心がけた方が良いかも知れない。
将来はもしかすると、本来の「婦女子」を使う人がいなくなり、「腐女子」の方しか使われなくなるのかもしれない・・・
「婦女子」という概念の変遷
しかし、成人男性とその他を別ける性質を持ち、かつ古風な丁寧語であるこの言葉は平成に入って以降、女性の社会進出の邪魔や古臭い概念の権化としてドラマなどで使用されたことで、暗に「女子供はすっこんでろ」という意味を内包するようになってしまったことで、寧ろ蔑称と取られる危険があり敬称としての使用には危険な一面もある。
そういった影響も含め、現代社会において『成人男性かそれ以外か』という括りに意味がなくなり、女性=清楚貧弱と言うイメージが消失したことで概念自体が薄れつつあり、殆ど死語である。
そして、腐女子という概念
先述の「腐女子」という言葉もこのような侮蔑語としての「婦女子」からきているものである。
元々、BLを嗜好し取り扱う女性が自虐的に名乗ったものとされ、近世以降の侮蔑用法としての「男性には理解されはしないだろう」という諦観や、男から見た際の場違い感やお引き取り願いたい感が透けて見えてくる言い得て妙な言葉である。
「腐女子」という言葉が浸透した後、BLというジャンル自体がある程度市民権を得たことで「腐女子」という語はオタクの区分と一つとして認められ、蔑称としての性質をほぼ持たなくなっている。(「腐」という語を忌んで「女性向け」とぼかす場合もあるが、女性向けではBLに限定できず、稀に腐男もいるため正確ではなくなる)
元は丁寧語だった「婦女子」が概念の陳腐化と共に蔑称になり、元は蔑称だった「腐女子」のほうが概念の認知と共に蔑称では無くなるというのは何とも皮肉な話である。
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