子連れ狼とは、小池一夫原作・小島剛夕画の劇画、およびそれを原作として映画・テレビ番組が制作された時代劇作品である。
概要
柳生一族の手によって、妻を含む一族を皆殺しにされた剣士・拝一刀が、唯一生き残った息子・大五郎を伴い、子連れの刺客として活躍する様子を描く。
原作漫画は1970~1976年の6年にかけて連載された。
1972年には、この原作に惚れ込んだ若山富三郎の主演によって映画化され、大人気を博す。
その人気を受けて、1973年には萬屋錦之介の主演でテレビドラマが制作され、こちらも大人気となり、70年代を代表する時代劇の金字塔となった。
とりわけ若山主演の映画シリーズは、あまりにも景気よく血が噴き出る過激な描写で方々へ影響を与え、70年代のスプラッタームービー隆盛に大きな影響を与えたという。
1987年、英訳されて「Lone Wolf and Cub」として北米に輸出され、人気を得た。これは日本の漫画としては最初期の輸出で、その後のいわゆる「マンガ」が世界的人気を獲得するのに多大な役割を果たした。
『ダークナイト・リターンズ』『シン・シティ』の原作者であるフランク・ミラーなど、著名人にもファンが多い。
続編として、大五郎を主人公にした『新・子連れ狼』『そして - 子連れ狼 刺客の子』が発表されている。
主な登場人物
- 拝一刀(おがみいっとう)
水鴎流の使い手にして名刀・胴太貫を持つ凄腕の剣士。もともとは公儀介錯人(架空の役職)の任を担う武士であったが、その地位を狙う柳生一族によって謀反の疑いをかけられ、一族を皆殺しにされた上に御家は断絶。切腹を命じられるが復讐を誓い江戸を脱出、息子・大五郎と共に放浪の旅へと出る。
「一殺五百両」の刺客として「子を貸し腕貸しつかまつる」と大書した旗を乳母車に差して旅をする。 - 拝大五郎
一刀の一人息子。言葉は遅く、父を呼ぶ時の「ちゃーん!」という台詞がほとんど。オーバーテクノロジー搭載の乳母車に乗って父と共に旅をする。前髪を残して髪を剃った、芥子頭が特徴。あまりにも彼の印象が強いために、かつてロナウドの髪型が芥子頭だった際には「大五郎カット」と呼ばれた。
拝家襲撃の際にはまだ幼児(原作では臨月で生まれる直前)だったが、母の機転によって死を免れた。その後眼前に毬と短刀を示され、毬を取れば父の手で殺される運命にあったが、短刀を手に取り、父ともども冥府魔道の旅に出る事となる。父と共に数多の刺客との闘いを見届けた事により、並みの剣客には持つ事の出来ない死生眼(ししょうがん)を宿している。 - 柳生烈堂
江戸幕府総目付、公儀刺客人総帥。表には出せない汚れ仕事を扱う、柳生家の裏の頭領。奇特な刺客を数多く従えており、実子らも交えて拝親子の行く先々に送り込み、命をつけ狙う。
終盤、八丁河岸にて一族を率いて最後の決闘を行い、遂に一刀を倒す。しかし直後に大五郎によって槍で貫かれて死亡した。この時大五郎を抱きしめて「わが孫よ」の一言を残しており、この言葉については様々な解釈が行われている。
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関連項目
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