この記事は第108回今週のオススメ記事に選ばれました! もっといい記事に出来るように勉強しろよお前ら |
学問のすゝめとは、福沢諭吉の著書の一つである。学問のすすめとも書かれる。
概要
最初は福沢の故郷である中津の友人のために一冊だけ作ったが、「これみんなに見せた方がいいんじゃないっすか?」と出版するように勧められ、1872年(明治五年)に慶応義塾の活字版を使って初版を出版、十七版まで作られた。
第一編の「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という文句から、しばしば人間平等を謳った作品だと誤解されるが、実際はその後に
賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。
〔中略〕
むずかしき仕事をする者を身分重き人と名づけ、やすき仕事をする者を身分軽き人という。
〔中略〕
と続いており、正しくは全十七編に渡って「学問しろよおめーら」ということを主張している作品である。ただし福沢諭吉の言う「学問」とは、あくまでも仕事や国家運営の役に立つ「実学」のみを指す。
もっとも作中ではフランス革命やアメリカ独立にも幾度となく触れており、「人間は生まれついた時点では 平等である」と主張した作品、と言い換えるならあながち間違いではないという気がしないでもない。
詳しい内容は後述するが、学問がどれだけ大事か、と言うことを分からせるために「赤穂浪士(笑)尊皇攘夷(嘲笑)」とか「儒学とか何の役にも立たねーよ(笑)」とか「学者様(笑)は維新の後も何も変わってないッスね(笑)」等等、色々と危ないことを書いていたために、当時は散々批判されたらしい。
実学
学問とは、ただむずかしき字を知り、解し難き古文を読み、和歌を楽しみ、詩を作るなど、世上に実のなき文学を言うにあらず。
〔中略〕
実なき学問はまず次にし、もっぱら勤むべきは人間普通日用に近き実学なり。
譬えば、いろは四十七文字を習い、手紙の文言、帳合いの仕方、算盤の稽古、天秤の取扱い等を心得、なおまた進んで学ぶべき箇条ははなはだ多し。
究理学(物理学のこと)とは天地万物の性質を見て、その働きを知る学問なり。
実用になる学問に限っても、勉強しなきゃいけないことは山のようにある。役に立たない学問など後回しだ。
作品内容
古文的表現が多々使われているものの、第五編で「民間の読本または小学の教授本に供えたるもの」と評しているように、それほど難しい文型や単語があるわけでもないので、高1レベルの古文知識さえあれば十二分に原文を読破できる。
古今東西の様々な事件・事象がとりあげられており、ウィットに富んだ言い回しが多用されていて大変面白いため、是非原文で読んでみて欲しい。が、6行以上の文章を読むと脳が焼き切れる、あるいは宗教上の理由で古文は読めない、といった方もいると思うので、僭越ながら下に筆者による各編のまとめを軽く書いておこうと思う。
第一編
人間はみんな平等って言うけど、実際は金持ちだったり貧乏だったり違いがあるよね。
その差って勉強してるかしてないかの違いなんだ。あ、勉強って言っても難しい本を読むっていうことだけじゃないよ。
そういうのはあんまり役に立たないからね。文字とか計算とか、実用的な勉強を最初にした方がいいんだよ。
勉強しないおバカな子がいっぱいだと政治する人も厳しくなっちゃうけど、勉強する賢い子がいっぱいになれば、政治する人は優しくしてくれるんだ。だから勉強しろよお前ら。
第二編
さっきも言ったように、勉強って言うのは本を読む事だけじゃないよ。本を読むのはあくまでいろいろ知る手段だからね。でさ、「人間はみんな平等」っていうのは、具体的には人をいじめたり人の物を取ったりバカにしたりしちゃダメてこと。
だから力が強かったりお金持ちだったりする人が、力が弱かったり貧乏だったりする人をいじめちゃダメなんだよ!
同じように政治する人もしない人をいじめちゃダメだけど、政治しない人もする人を困らせたりしちゃいけないよ。
そういう人はおバカだから、政治する人はどうしても厳しくなっちゃうんだ。だから勉強しろよお前ら。
第三編
人はみんな平等だから国だって平等なんだけど、みんながしっかりしていないと↓みたいな事になっちゃうよ!
- 外国の人が僕らをいじめに来たときに、「俺関係ねーからお前やれよ」って言って誰も戦ってくれなくなっちゃう!
- 外国の人に、悪いことしてないのにペコペコと謝って、みんながバカにされちゃう!
- 偉い人の名前を言い訳にして色々な悪いことをしちゃう!
こんなことが起こっちゃうんだ!だから勉強しろよお前ら。
第四編
「みんな勉強しようよ!」って偉い人が言うのは、みんながおバカさんだと国がガタガタになっちゃうからなんだよ。
でも「今はみんなおバカだから、政治する人はみんなが賢くなるまで厳しくしよう!」っていうのはダメだよ!
厳しくしちゃうとみんな怒られたくなくて、嘘を付くようになるから、そのせいでお互いを信じられなくなっちゃうんだ。
あと今は何でもかんでも政治する人がやってるけど、しない人が色んな事をいっぱいやる方がいいんじゃないかなあ?
まあこれは僕の意見だから、間違ってると思ったら気にせずに批判してもいいよ!だから勉強しろよお前ら。
第五編
日本は今までずっと独立してたって言うけど、それってただ引き篭もって外国と接してなかったからじゃないのかなあ。
開国してみたから分かると思うけど、日本と外国の文明を比べてみると、実は日本ってかなり遅れてるんだよ。
それで今政治する人が頑張って鉄道とか電気とか作ってるけど、文明で大事なのってみんなの思いなんだって思うな。
今の政府って色々やっててみんなに尊敬されてるけど、それで「自分で何かを始めよう」って気には誰もならないよね。
いつの時代も、新しいことって政治しない人の中から生まれるべきだって思うな。だから勉強しろよお前ら。
第六編
法律っていうのはみんなの代表が選んだ決まりだから、代表を選んだみんなは守らなくちゃダメだよ。
例えば家に泥棒が入った時、泥棒を捕まえるのは良いけれど、捕まえた後に殴ったりするのはダメだって事。
赤穂藩の人達は吉良義央さんを倒したけど、これって法律を無視して意見を無理やり通そうとした悪い人達じゃないかな。
そんなことする前に、みんなで政府の人に相談するべきじゃないかな。無視されたとしても命がけでね。
僕の作った慶応義塾でもちゃんと法律を守っているしね。だから勉強しろよお前ら。
第七編
政治っていうのはみんなの代表が行うものなんだ。だからみんなだって、政治に参加している人なんだよ。
だから政治する人がお金を無駄遣いしたり、しない人が法律を破ったり税金を払わないのはいけないことだよ。
でもひどい政治をしている時は、みんなで「政治がひどいよ!」って命懸けで政治する人に言わなくちゃダメなんだ。
あ、命懸けっていうのは「主君に尽くす」って意味とは違うよ。世の中のため、みんなのために命をかけるんだ。
第一、忠臣って言われてる人が死んでも、ほとんどが世の中の人の為になってないからね。だから勉強しろよお前ら。
第八編
他人の邪魔をしないのなら、自分のしたいことをしたって構わないんだ。それが人間の尊厳っていう事だからね。でも力が強い人が弱い人をいじめたりするのはいけないよ!
たとえば、女の人って男の人よりも力が弱いよね。それでは男の人が女の人を虐めてるんだけど、人間はみんな平等なんだから性別で上下が出来るのはおかしくない?
沢山の女の人と付き合うの(=一夫多妻制)だっておかしいよね。親と子は一緒の家に住むのが普通なのに、これじゃ獣と同じだよ。
あと子が親に親切にするのって普通だけど、本に書いてある親切って色々とおかしいよね。だから勉強しろよお前ら。
第九編
家を持って家族を養えれば「お前すげーな」って言われるけど、それってアリと同レベルな事しか出来てないよね。人はみんな集まって生活をするんだから、みんなの為になるようなことをするよう頑張るのがいいんじゃないかな。
だって、もしみんながアリな生活してたら、今も昔も生活の内容って全然変わらないでしょ?
家とか家具って壊れてなくなったらそれまでだけど、人のアイデアっていうのはそうそう無くならないからね。
今の豊かな生活だって昔の人が頑張った結果が残っていてくれたおかげなんだから。だから勉強しろよお前ら。
第十編
最近の学者さんってほんのちょっと勉強しただけですぐ仕事を始めてお金稼ごうとするよね。
それが駄目ってわけじゃないけど、もうちょっと勉強してればすごい事できるんじゃないかなーと思ったり。
今の日本って何もかも外国より遅れてるから、外国から先生連れてきてるけどそれってあんまり良くないよね。
それって日本のお金を外国へ捨ててるって事だし、何より学者さんにとってはとっても恥ずかしいことじゃない?
もちろん1人で生活できるのも大事だけど、みんなの為になるよう勉強するのも大事なわけで。だから勉強しろよお前ら。
第十一編
身分制の考え方って、要するに親子の付き合いを人と人の付き合いに取り入れるってことなんだよね。
でも人と人の付き合いって大人と大人の関係なんだから、上手く行くわけないって思うな。
だって日本とか周りの国はみんなずっとそのやり方をしてきたけど、どこもうまくいってないじゃない。
こーやって身分の差を押し付けていっぱいお金儲けする人ってすっごく悪い人だと思うな。
だからまあ身分の差は意味無いわけだけど、自分の仕事をちゃんとやるのは大切だよ。だから勉強しろよお前ら。
第十二編
勉強って言うのは本を読むだけじゃなくて、友達と話し合ったり、本にまとめたり、皆に発表したりすることも含むんだ。
だから学者さんはいっぱい本を読むだけじゃなくて、分からない人達にそれを教えてあげることもするのも大事なんだ。
そういえば学者さんといえば、言ってる事はすごい真面目なのに、やってる事はすごい不真面目、って人も多いよね。
だから、「色んな事を知ってる=真面目な人」じゃなくて「いつも上を目指す=真面目な人」なんじゃないかって思うな。
上を目指すって言うのはつまり、他の人に、他の国に勝てるようにいっぱい頑張るって事。だから勉強しろよお前ら。
第十三編
「贅沢したい」とか「他の人を叩きたい」っていう気持ちは、事情によって良い事にも悪いことにも変化するものなんだ。
でも怨みはそれとは全く違うんだ。怨みっていうのは、今幸せな人を不幸にしてしまおう、っていう悪い気持ちだからね。
だから怨みを持って、人の言いたい事とかやりたいことってを邪魔するのは絶対に駄目だって思うな。
人と関わらないようにしたり、遠くにいる人がちょっとでも自分と違ってると、人間ってすぐ怨みを沸いちゃうものなんだ。
ちゃんと顔を合わせて話をしてたら不幸な事件も減ったんじゃないかなぁ?だから勉強しろよお前ら。
第十四編
大きな事をするために一番大事なことって、自分のやったことが得か損かを振り返ってみることだと思う。
自分のしたことを時々振り返るようにしないと、ただ周りの人に流されるだけの生き方になっちゃうよ!
話変わるけど、「世話」って人に何かをあげることと、良い生活になるよう忠告してあげるという二つの意味があるんだ。
だから忠告ばかりだったり、逆に物をあげるばかりなのは世話じゃないし、それってその人のためにならないんだ。
まあこれは経済学っていう考えで、人を思いやる道徳とは繋がらないところもあるけどね。だから勉強しろよお前ら。
第十五編
西洋の人達っていろんなことを疑って、それで色々すごいもの作ってきたよね。だから疑うことって大事だよ。
日本は西洋の人達を見習って色々な事を変えて、西洋のものや考えをいっぱい取り入れてきたよね。
でも、これって西洋の人達みたいにいろんなものを疑った結果かなあ?僕はそう思えないんだ。
だって西洋の人達の考え方がみんな正しいわけないし、日本にだって正しい考え方があるはずじゃない?
西洋のものは色々優れてるけど、何を取り入れるかっていうことはちゃんと考えなくちゃね。だから勉強しろよお前ら。
第十六編
ちゃんとした人っていうのは、自分の欲しい物を自分でしっかりと決めることが出来る人のことをいうんだ。
これが出来ないと、他の人が持っているものを何も考えないですぐ買っちゃって、お金が残らなくなっちゃうよ。
話変わるけど、言ったり思ったりした事と行動した事って一致させなくちゃダメだよね。
まあ「行動」と言っても、難しいかとか、皆の役に立つかとか、時間と場所とか、考えなくちゃならないことはあるけどね。
でもまあ一番大事なのは実行すること!考えるばかりで何もしないと何もいいことないよ。だから勉強しろよお前ら。
第十七編
信用って、人によって差はあっても誰もが持っているものなんだ。だから信用されて無い人は何も出来ないんだよ。
まあ信用される為に無駄使いをするのはダメだけど、いっぱい勉強した結果信用されるようになるのは良いと思うよ。
具体的には、たくさん言葉を知ること、いつもニコニコしていること、いろんな人と話をするようにすること、かな?
物を説明できなかったり、ずっと辛そうな顔してたり、仕事の違う人と話しないような人は、大体信用されてないよね。
だから勉強しろよお前ら。
要するに
勉強しろよお前ら。
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