学園都市ヴァラノワールとは、2002年10月31日に冥界の主アイディアファクトリーが発売したアドベンチャー+シミュレーションゲームである。ハードはプレイステーション2。2004年1月23日には、ゲームキューブにて追加要素を加えて移植された『学園都市ヴァラノワールローゼス』が発売されている。正気か!?
本記事では、PS2版の直後に発売されたOVAアニメ版についても記述する。
概要
かつてアイディアファクトリーのメインシリーズであったネバーランドシリーズの一つであり、人気のあった「スペクトラルフォース」「ジェネレーションオブカオス」と、後の作品である「スペクトラルソウルズ」を繋ぐ作品である。そのため、フォースシリーズに登場したキャラや関係者が今作に登場していたり、今作の生徒の多くがソウルズシリーズに再登場している。また、今でもIFで活動しているキャラデザイナー平野克幸氏が初めて手掛けた作品でもある(代表作:アガレスト戦記、ムゲンソウルズ等)。そのためキャラ人気が非常に高い。また「コミックZERO-SUM」で漫画が連載されたり、ファミ通文庫より小説(著:桜庭一樹)が刊行されたりしている。
ゲーム内容
プレイヤーは主人公ミュウを操作し、学園都市ヴァラノワール勇者学部の中で友情や愛情を育み、卒業を目指すシミュレーションゲームである。ゲームとしてはサクラ大戦が一番近いだろうか。キャラクターとの交流がメインのアドベンチャーパートと、探検や戦闘がメインのSRPGパートに分かれている。この仕様はアガレスト戦記1まで同社で多用されることになった。
しかしその仕様が想像を絶するほど粗く、運に頼らなければ禄にクリア出来ないこともしばしば。あろうことか、攻略しようとしていたキャラクターがランダムで退学されるという恋愛アドベンチャープレイヤーの度胆を抜く恐ろしい仕様は、多くのプレイヤーの心を折った。
また攻略できるキャラクターは30人を超えており、コンプしようとするとこの鬼仕様を何度も何度も周回しないと行けない。この時代にトロフィーが存在してたらどうなっていたんだ…
勿論世間ではクソゲー扱いだが、冥界ではよくある話である。
昔は全キャラ攻略していたプレイ動画も存在していたのだが、IFの権限により削除されている。
OVAアニメ版
何を血迷ったのか同時期にOVAが上下巻発売されている。製作はIF自身が手掛けている。なんでゲーム屋がアニメ作ってんだ?
内容は大まかにはゲーム序盤のストーリーをなぞっている。主人公ミュウが学園に入学し、騒動を繰り広げる学園コメディといったところ。
しかしその出来は言葉には表せきれない壮絶な物となっており、作画から脚本まで突っ込みどころ満載。完全に売り物ではないレベルのアニメーションが画面内で繰り広げられる。簡単に要点を纏めると
- とにかく動かない。拡大縮小を駆使しギリギリまで枚数を節約している努力があちこちに見受けられる。
- 背景はすべてフル3D。時期を考えると結構珍しいものの全部しょぼい。
- モブは基本コピペ。2キャラ位の絵が一列にズラッと並ぶ光景は他のアニメでは中々見られない。
- OPがゲームの使い回し。ゲーム時点で紙芝居OPだったのにそれをさらに使い回す節約法には感動すら覚える。さらにダンジョン探索などのシーンでも原作のSLG映像を使い回し、難しい戦闘シーンを省略している大胆な構成。
- 魅力あるキャラクター達は稚拙な脚本により崩壊。登場キャラクターすべてが狂っており、特にメインで喋るキャラの崩壊は半端ではない。ほとんど喋らなかったサブキャラ達のほうが勝ち組だとまで言われる。
等、様々である。
あまりに酷過ぎたため、「作画は専門学生が作っている」「アニメ枚数制限が2本で800枚だったため」等といった噂が後を絶たない。
この驚異な出来栄えとなったOVAは、その前に酷評されていた「ロスト・ユニバース」「ガンドレス」と一括りにされ、「ヤシガニ三部作」と呼ばれるようになった。でも正直ぶっちぎりでこの作品がひどいと思う。
ただし、マイナー会社から発売されたマイナーゲーOVAであったために知名度はさほど高くない。
一時期はニコニコ動画にOVAが全編にわたって違法アップロードされていたこともあったが、現在では権利者権限により削除されている。
登場キャラクター
- ミュウ CV.野中藍
- 昔魔王を討った伝説の勇者の孫で、その勇者の師匠である伝説の勇者に育てられ、魔王を封印した伝説の剣を譲り受けた勇者のサラブレット的なボクっ娘。なお本人はそれらの事情を全く知らず、学園に入学する。
学園に入学する前は爺ちゃんこと五勇者ラーデゥイの世話などもしており、家事全般こなすことができる。
入学早々優等生のリュートに絡まれるが、剣の力が圧倒的で完勝してしまう。それ以来剣を封印、伝説の剣「天魔剣」に相応しい勇者になるように勉強に励む。人を無意識に惹きつける才能を持っており、彼女に心酔しているキャラもしばしば。
後に大きな世界戦争に参加し世界を平和に導いた勇者としてその名を残すことになる。 - リュート CV.広橋涼
- ミュウ入学当初にぶつかったライバル的存在。一騎打ちに負けてからミュウをライバル視するようになる。天才と称される少女だがどちらかというと努力型。英雄の父を持つ。
一作目こそライバル扱いだったが、次の「ソウルズ」では特にそのような扱いにされず、「ソウルズⅡ」では真EDのみの登場となる、割と不遇な娘。 - ネージュ CV.佐藤朱
- ミュウのクラスの組長。クラスのお母さん的な存在であり面倒見のよい性格。潜在能力は高いものの、真面目で気弱な性格が邪魔をしており本領を発揮できない。明るい人を引き付けるミュウに憧れている。
次作「ソウルズ」ではヒロインレベルの扱いにまで昇格、異世界から来た主人公と結婚する未来を迎える。 - スカーフェイス CV.高崎拓郎
- “闘神”と呼ばれた「スペクトラルタワー2」の主人公ウェイブと堕天使イスの息子。その生まれから人間と魔族両方に迫害され、母が死亡したことですべての種族を恨むことになる。非常に冷たい心の少年だったが、ミュウとの交流で徐々に溶かされることに。
正史では途中で退学するものの後にミュウと再会。最終的には結婚している。また勇者の血筋が強化されるのか。 - ガラハド CV.内藤玲
- 賭け事の好きな少年。砂漠の王朝ジャピトス王家の血筋を引いた少年で、常にダイスを持って賭け事で物事を決めている。ミュウとリュートの一騎打ちでも大勝していた。彼も途中で退学が正史になる。
後に「カルディナルアーク」というゲームで主人公を務める。 - リューンエルバ CV.佐藤朱
- ミュウのクラスの担任兼試験官。
かつて学園都市をトップ成績で合格した18歳の少女。誰にでも優しい性格で生徒から人気が高い。服装がエロい。
酒癖が悪く飲むとすぐに女の子に抱き付く癖を持つ。
豊穣と愛を司る女神ヴェネウスの転生体であり、その実力と寿命は一般の人間をはるかに凌駕している。
カイルという恋人がいたが殺害されている。 - 爺ちゃん CV.竹本英史
- ミュウとともに暮らしていた老人。その正体はかつて魔王を討った勇者シフォンの師匠である五勇者ラーデゥイ。
天魔剣を手に入れるため命を落としたミュウの両親と、それを受け取ったシフォンの願いにより、天魔剣とミュウを預かることになる。
時期を見て天魔剣はミュウに渡すつもりであったため、学園に興味を持っていたミュウに剣を託し、学園の入学を認めた。
今は気の抜けた優しいおじいさんだが、昔は相当荒れたおっさんだった。後の戦争でミュウとは敵対関係になる。
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関連項目
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