宇宙の騎士テッカマンとは、1976年に放映されていたタツノコプロ制作のSF変身ヒーローアニメである。打ち切りのため当初の予定より大幅に短縮された全26話。
概要
『新造人間キャシャーン』『破裏拳ポリマー』に続くタツノコ作品で、放映当時には不人気により打ち切りになった(本来の予定では悪のテッカマンになった父親と戦うなどの展開が後半予定されていた模様)。しかし、他のタツノコ作品同様にファンの評価は非常に高く、特に詳細に練られた設定や宇宙の無重力感を重視した演出は、現代に語り継がれてきている。
後にタツノコにより、『宇宙の騎士テッカマンブレード』が制作され、TV放映された。
しかし、設定の一部を共有はしているが、前作との関連性は極めて希薄であり、別の作品である。
2012年5月30日よりニコニコでの配信が開始された。
毎週五話づつ更新され、公開開始から1週間のみ無料。
しかし2015年4月30日をもって配信は終了し、見ることはできなくなった。
ちなみに後年、テッカマンはカプコンの格闘ゲーム『タツノコVSカプコン』に他のタツノコヒーロー達と共に出演。ブレードもその続編となる『タツノコVSカプコンUAS』に出演し、『UAS』においてはテレビ本編でもなしえなかった新旧テッカマンの共演が実現している。
あらすじ
時は近未来、公害や戦争の影響で地球は滅びかけていた。地球環境を復元するための「クリーンアース計画」も凍結され、地球はあと3年で滅びると予想されている。そこで、宇宙開発センターは太陽系外に「第二の地球」を求めて宇宙船「スペースエンジェル号」を送り込んだ。しかし、突如太陽系へと飛来した「悪党星団ワルダスター」にスペースエンジェル号は破壊され、乗員も全員殺されてしまった。
スペースエンジェル号艦長南恒星の息子・南城二は父の敵を討つために宇宙船「ブルーアース号」に乗り大気圏を脱出、ロボット「ペガス」の「テックセットシステム」を使い「テッカマン」に変身、見事に敵円盤群を撃退する。
宇宙開発センターの天地局長はテッカマン=城二、局長の娘のひろみ、それに謎の青年アンドローと、ミュータントのムータンを加え「スペースナイツ」を結成した。彼らはテッカマンを中心にワルダスターの地球侵略に立ち向かって行く。
また、それと同時に、光速を越えて宇宙を航行する「リープ航法」の解明も急がねばならない事案である。第二の地球へとたどり着くことが出来なければ、やはり人類は滅びてしまうからだ。
登場人物
- 南城二(森功至)
- 主人公。テッカマンに変身することのできる青年。
- もともと直情型で頭に血が上りやすいことに加え、父親をワルダスターに殺されてしまったために異星人を強く憎んでいる(それが災いしてワルダスターとは無関係である異星人が乗った船に襲いかかるというヒーローにあるまじき行為をしでかしたこともあった)。しかし、サンノー星人のアンドロとぶつかり合ったり、地球人と敵対していない異星人達に出会うことによって、全ての異星人を憎むことはなくなった。(視聴者からはTボゥイとも呼ばれる)単細胞さはちょっぴり傷のままだが物語を通して成長していったキャラであり、アンドローとの友情も深いものとなっていった。
- スペースナイツのリーダーだが、テッカマンに変身できることから指揮官というよりは戦闘隊長に近い立場である。
- 天地ひろみ(上田みゆき)
- 城二の恋人。とても化粧が濃い。一時期タツノコ公式サイトにもこのことが書かれていた。
普段は後方支援が多いが、単身ワルダスターの生物兵器と渡り合える等以外と戦闘能力も高い。 - アンドロー梅田(山田康雄)
- 謎の金髪アフロ男。その正体はサンノー星からやってきた異星人である。変身能力らしきもので地球人の姿をとっている。
- クールでニヒルなキャラで斜に構えたところがあり、地球人を見下すような言動が多いことから城二と喧嘩になることもしばしば。しかし、何度もお互いにぶつかったことで友情を深めていくことに。
- 序盤はサンノー星に帰るためにワルダスターの宇宙船を奪わんとして独断専行をすることも多かった。後半になってもサンノー星に戻りたいという思いは残り続けたが、城二たちとの交流を通した結果地球にも強い愛着を持つようになった。
- 超能力やワルダスターに関する知識でスペースナイツを幾度となく危機から救う。視聴者からはテレポートの際のポーズが「アンドロー梅田のかっこいいポーズ」と好評。
名前の元ネタは「アンドロメダ」。 - 名前の表記については「アンドロー梅田」と「アンドロ梅田」が混在しているが、タツノコプロHPの作品データベースでは「アンドロー梅田」表記になっている。
- ムータン(小宮和枝)
- サンノー星のミュータント。可愛い格好して(というか初登場時に比べるとどんどん可愛い方にデザインが変わっていってるような)目からビームを発射することができる。
- ペガス(徳丸完)
- 天地局長の作ったロボット。城二(テッカマン)の相棒である。ひろみよりもよっぽどヒロインに相応しい。
- テッカマンに変身するためのセッタールームを脚部に備えている。
- 戦闘時はテッカマンを乗せて宇宙を駆け、共に攻撃し、息のあった見事なコンビネーションを見せる。
- 致命的な傷を負ってでも城二を守ろうとする非常に相棒思いの素晴らしいロボット。
- しゃべることができるが、回を追うごとに口調がおかしくなっている。
- 北斗勝(浅井淑子)
- 24話のサンドリバータウンでのオカルトメカの一件の際スペースナイツの面々を助け、そのまま実質彼らの一員になった少年。ガッチャマンに出てくるバードランのような「フライングボンバー」を操る。
- 25話でも実質主役回のような扱いなのだが、登場したのが残り3話の段階のため物語の中で特に目立った活躍もできず、最終回においてはこの後スペースナイツに入れることを城二から約束され地上に残った。
- 天地局長(内海賢二)
- 宇宙開発センターの局長。ひろみの父親でもある。優れた科学者であり、テックセットシステムやペガスを開発した。
- 城二の父親とは昔からの知り合いで、彼の息子である城二のことを気にかけている。
ナレーションも担当。 - クリング局長(徳丸完)
- 宇宙開発センターの一員であり、かつて地球の環境汚染を対策していた「クリーンアース計画」の責任者
- そのため8話の食人植物「グリーントラップ」の回などワルダスターの地上作戦の際にはたびたび登場する。
- 次長であるブレーンなど「クリーンアース計画」側の人間には第二の地球探索を推し進める天地局長などのスペースナイツ側に良い印象を持たない者もいるが、彼自身はこれに対し好意的である。
- シュビダー司令官(藤本譲)
- 地球防衛軍の長官であり初期から宇宙開発センターで行われている会議でたびたび姿を見かけ、スペースナイツの活動の傍らで最終回におけるまでたびたびこれの支援を行っている。
- 13話ではワルダスターの侵攻に対し防戦一方であることを憂い、無敵艦隊を率いて攻撃するも太陽系外が引力すら異なる全く未知の空間であったことをワルダスターに利用されほとんど自滅させられた。
- ただフィクションにおける典型的な無能軍人ではなく、他のセンターのメンバーと同じく地球の未来について真摯に考える信念を持っている。
- アーサー長官
- 宇宙開発センターのトップであり、たびたび会議の場面などに登場し重要なイベントの際には名前が言及されているが、上述したメンバーに比べるとほとんどセリフもなくいまいち印象が薄い(地球側の作戦もほとんど天地局長が中心になっているということもある)。
- ランボス(滝口順平)
- 悪党星団ワルダスターの団長。毎回作戦に失敗してはドブライに怒られて、土下座&お仕置されている。
- そんな彼もこの数年後に泥棒の神様になり「おしおきだべぇー」という立場になるとは予想もしていなかっただろう。
- 終盤はガニラを自分専用のロボットのように操る。
- 宇宙帝王ドブライ(桑原たけし)
- ワルダスターの帝王。悪の親玉である。打ち切りの影響により詳しいことはあまり解説されなかった。
ゲーム「タツノコファイト」にてようやくテッカマンと戦う事ができる。その際は自らテックセッターを施すなどオリジナル要素も加えられている。
自ら立案する作戦の特徴として、合体メカ好きに定評があり、他のタツノコ作品に出没しては批評コメを投下していく(ゴッドフェニックスの合体は邪道らしい)。しかし悲しいことにニコ生では名前がNGワードなためコメを投下できない模様。
テッカマン
テッカマンは元々、人間が宇宙で作業する為のものとして開発された。しかし未完成故に
南城二はこれらのデメリットを知りながらも、ワルダスターの野望を砕くために、テッカマンに変身して戦うのだ!
変身プロセス
「テッカマンに変身したい!」という子供が少ない理由は変身プロセスにある。
テッカマンに変身するにはペガスに「テックセッター!」と叫び、ペガスの脚部にあるセッタールームに入る。そして「パワーラップ!」と叫ぶことでプロテクターが装着されテッカマンへの変身を完了する。
……と、書けばごく普通のヒーローの変身のように思える。しかし実際には「パワーラップ!」と叫んだあとに
…という風に、非常に苦痛に満ちたプロセスを経なければ変身することはできない。実際に、変身シーンでの城二の声は明らかに苦痛を訴えていた。
宇宙の騎士テッカマンブレード(関連作)
前作と同一の名称が一部使われているが、オリジナル新作となるTVアニメである。
こちらでは、テッカマンが複数存在し、敵テッカマンとの戦闘などが描かれている。
謎の生命体ラダムの突然の地球侵略に対して、人類は打つ手もなく、地球軌道上を占拠されてしまう。
そんな時、宇宙開発機構に謎の若者が現れ、テッカマンに変身しラダムと戦う。
「Dボウィ」と名付けられた彼は、宇宙開発機構改めスペースナイツの一員としてラダムと戦っていく。
詳細は『宇宙の騎士テッカマンブレード』を参照。
関連動画
【痛々しい変身】
【MADテープ】
関連静画
関連項目
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