宝蔵院胤舜とは江戸時代の槍術家である。(1589~1648)
概要
「突けば槍、薙げば薙刀、引けば鎌」とうたわれる万能武器十文字槍を用いる宝蔵院流槍術は初代胤栄が興したものであるが、彼の死とともに弟子の胤瞬は槍術を使うことを禁止され一度は喪失した流派である(胤瞬以前の兄弟子による分派は存続していた)。胤瞬は初代が一度は禁じたはずの槍術を兄弟子から学び復活させたという一風変わった継承者である。
宝蔵院流を完成させた実質的な祖といえる人物であり、本人の技量も「神仏に達す」といわれるほどのものであった。
宮本武蔵との関係
同年代でもっとも有名な剣豪である宮本武蔵とはニアミスしているが戦ってはいない。
「二天記」(宮本武蔵の弟子がまとめた武蔵の伝記)によれば1604年に宮本武蔵が21歳で奈良を訪れた際には胤舜は16歳で、宝蔵院流から武蔵に対峙したのは胤舜の兄弟子にあたる奥蔵院道栄といわれている。
創作作品の中の胤舜
創作作品では吉川英治の「宮本武蔵」や山田風太郎の「魔界転生」などに登場する。剣術を題材にした作品では、日本刀同士での斬り合いがメインとなるため、槍の名手というだけで大きな個性になる。そこに加えて本職が僧侶でありながら強さを求めて師から禁じられた槍術を復活させたという点も他の剣術家と差別化しやすいという利点がある。
- 小説「宮本武蔵」の中では多くの門弟を従える宝蔵院流の総帥として描いている。
- 小説「宮本武蔵」を原作にした漫画「バガボンド」では原作では存在しなかった武蔵対胤舜の戦いが描かれている。
- 小説「魔界転生」では死期を迎えた胤舜が忍法「魔界転生」で転生し、転生衆となって主人公の柳生十兵衛の前に立ちふさがる。
- アニメ「百花繚乱サムライブライド」ではダークサムライとして登場(CV:佐藤聡美)。第捌話にて十兵衛に『インコちゃん』と呼ばれる。ニコニコ動画内でも割と評判は良く、可愛いというコメントがよく見受けられた。
関連動画
関連静画
関連項目
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