宮本武蔵(1584? ~ 1645)とは、戦国時代最末期から江戸時代初期に活躍した剣豪。
概要
いわゆる二刀流である二天一流兵法の開祖であり、兵法書「五輪書」や数多くの絵や書を残している。13歳の初決闘以来60余の決闘全てに勝利したといわれている(五輪書より)。
しかし武蔵に関する客観的な記述がされた歴史書は少なく、まともなものは先述の五輪書ぐらいしか残っていないという。
生涯
美作の豪族である藤原姓新免氏・新免無二斎の実子とも養子ともいわれる。「宮本」の名字は美作の宮本村生まれであることに由来するという。…が「五輪書」の中では播磨生まれと称している。諱は玄信(はるのぶ)、号は二天。
関ヶ原の戦いにおいては、新免氏が宇喜多秀家の配下であったことから西軍であったとの説もあったが、新免無二斎が黒田官兵衛に仕官した文書が見つかっているため、どうやら東軍側で会ったようである。
関ヶ原の戦いが終わった後、武蔵が21歳の頃から、京都などで多くの決闘に挑んで勝利した(五輪書より)。特に有名なのは巌流島の決闘であろう(後述)。
武名は高かったようで、大坂の陣の際には水野勝成が息子の護衛役として武蔵を従軍させている。以降も特に仕官はせず、各地の大名家に立ち寄るフリーの剣術家として活動していたらしい。島原の乱では、養子の宮本伊織が当時小倉藩・小笠原家に仕えていた縁で、小笠原勢の客将として従軍。
1640年、剣術大好きな熊本藩主・細川忠利に招待されて以降は熊本で余生を過ごす。五輪書を記したり、絵画を制作したりしたのはこの頃。1645年に死去した。伊織とその子孫はそのまま小倉藩の家老として仕えた。
巌流島の決闘
宮本武蔵といえば佐々木小次郎との決闘、そして決闘の舞台となった巌流島が有名である。小次郎から決闘を申し込まれた武蔵は、約束の時間からわざと遅れて到着してから決闘に臨んだ。武蔵は鞘を捨てた小次郎に対し、戦う前から「小次郎敗れたり」と発言し、その言葉の通り決着は武蔵の勝利で決まった。
というのが大まかなあらすじだが、なんせ決闘相手の佐々木小次郎は武蔵以上によくわからない人物(そもそも実在したかさえ怪しいレベル)なので、巌流島の決闘に関する記述も「武蔵一人で向かった」「弟子たちとともに向かった」「約束の時間に遅れた」「約束通りに現れた」など書物によってバラバラである。
創作物における宮本武蔵
近代から現代にかけて映像作品や文学作品など、武蔵を扱った創作物は多い。基本的には江戸時代の人物として描かれるが、作品によっては「関ヶ原の戦いで西軍にいた(らしい)」「いやいや東軍にいた(らしい)」「大坂の陣に参戦した(これは信憑性高い)」ということで戦国時代の人物として描かれることもある。
中でも吉川英治が書いた小説「宮本武蔵」は、現代における「剣豪・宮本武蔵」のイメージを定着させた作品として有名。「ハエを箸でつかんだ」という逸話はこの小説による創作である。近年では同作品を原作とした井上雄彦の漫画「バガボンド」などがある。
とはいえ詳しいことはよくわからない人物なので、作品によってはトンデモ設定をつけられることが多い。「魔界転生」では堂々のラスボス。
海を渡った五輪書
武蔵が立合いの極意を記した五輪書が、思わぬ形で現代のサムライ達に影響を与えているのをご存知だろうか。それは誰かというと、アメリカのビジネスマンである。
ビジネスの最前線では、厳しい交渉の現場でも己を常に冷静に保ち、大局的勝利を掴み取る者こそが一流である。こうした精神のタフさが兵法家の心構えに通じるということで、ビジネスマンの間で五輪書を読むことが流行したという。武蔵もまさか自分の著作がアメリカでこんなふうに読まれるとは思っていなかっただろう。
ゲームにおける宮本武蔵
戦国無双
「天下無双」と背中に書かれた服をまとい、二刀を用いて戦う。剣の振りが素早く攻撃力も高いため、2においては最強武将の一人と目されていた。
武蔵のストーリーは関ヶ原の戦いで西軍が敗北した所から始まり、佐々木小次郎や真田幸村らとの出会いを通じて「人を活かす剣」を捜し求めつつ戦う。巌流島決戦はムービーで表現される。
その後は3で小次郎共々リストラされる。その間無双OROCHIシリーズに登場するが、他のPCが最新作のアクションに準拠しているのに対して新モーションもないままな武蔵は非常に使いづらく、同じく1でリストラされてそれっきりだった石川五右衛門ら共々可哀想な状態だった。
4でリストラ組と共にPCに復帰。待望の新アクションもあるよ!
戦国BASARA
「戦国BASARA」シリーズでは2のみに登場。声:MUSASHI -GUN道-浪川大輔
信長の野望シリーズ
元服(登場)が1599年以降とかなり遅いため、史実シナリオではなかなか見かけられない。武勇は高いが適性や統率などに問題があり、副将に据えるのが無難、というケースが多い。天翔記では巌流島イベントが存在する。
- 註:DLC
軍事能力 | 内政能力 | |||||||||||||
戦国群雄伝 | 戦闘 | - | 政治 | - | 魅力 | - | 野望 | - | ||||||
武将風雲録(S2) | 戦闘 | 80 | 政治 | 26 | 魅力 | 68 | 野望 | 78 | 教養 | 52 | ||||
武将風雲録(S3) | 戦闘 | 96 | 政治 | 26 | 魅力 | 87 | 野望 | 78 | 教養 | 69 | ||||
覇王伝 | 采配 | 27 | 戦闘 | 96 | 智謀 | 53 | 政治 | 11 | 野望 | 78 | ||||
天翔記 | 戦才 | 190(A) | 智才 | 108(A) | 政才 | 22(C) | 魅力 | 42 | 野望 | 78 | ||||
将星録 | 戦闘 | 95 | 智謀 | 56 | 政治 | 13 | ||||||||
烈風伝 | 采配 | 7 | 戦闘 | 86 | 智謀 | 47 | 政治 | 8 | ||||||
嵐世記 | 采配 | - | 智謀 | - | 政治 | - | 野望 | - | ||||||
蒼天録 | 統率 | - | 知略 | - | 政治 | - | ||||||||
天下創世(註) | 統率 | 90 | 知略 | 42 | 政治 | 1 | 教養 | 69 | ||||||
革新 | 統率 | 27 | 武勇 | 102 | 知略 | 53 | 政治 | 11 | ||||||
天道 | 統率 | 27 | 武勇 | 102 | 知略 | 53 | 政治 | 11 | ||||||
創造 | 統率 | 32 | 武勇 | 73 | 知略 | 11 | 政治 | 12 | ||||||
戦国立志伝 | 統率 | 32 | 武勇 | 83 | 知略 | 56 | 政治 | 12 |
太閤立志伝V
元服(登場)するのが1598年で、主人公として選べるのは1598年スタートの太平の章のみ(架空シナリオの夢幻の章を除く)となる。
剣豪として一念発起するところから巌流島の決闘までの専用イベント群に専用エンディング、二天一流の剣技も用意されていて、太閤立志伝Vの剣豪連中の中ではおすすめキャラの柳生宗厳と同じぐらいもしくはそれ以上に注力されている。
その他
「龍が如く 見参!」では、主人公の桐生一馬之介の本当の名前が宮本武蔵であるという設定である。声:黒田崇矢
関連動画
関連項目
親記事
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兄弟記事
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