害悪とは、主にゲーム方面で「存在が悪」とされるものに使われる言葉である。
概要
一般的な意味での害悪は省略し、ここではスラング、及びゲーム方面で使われる意味での害悪について解説する。
対戦格闘やカードゲーム、ソシャゲ、ポケモンといった他人と対戦したり何かしら優劣を競うゲームではしばしばこれらの駆け引きをぶち壊す存在が登場することがある。それらの存在に対して「害悪キャラ」や「害悪カード」「害悪技」といったように「害悪○○」という表現がされる。
…要するに「こいつがいなければもっと面白くなったのに」という侮蔑である。極めて主観的な考えでもあるため、人によっては価値基準がまばらで害悪度合いは人によって異なる点には注意したい。
どういった傾向のものが害悪と呼ばれやすいかを以下に示す。
シンプルに強すぎる
例えば対戦格闘やポケモンにおいて他より強いキャラがいる場合、多くのプレイヤーがそのキャラを使うことが想定される。するとそのキャラに対して有利が取れたり、対策が容易なキャラを使うことで勝率を上げようとするプレイヤーも当然現れ、このようにしてメタゲームが回る(メタゲームの記事も参照)。
ところが他のキャラで対策することが不可能なほど特定のキャラの強さが抜きん出るとメタどころではなく、「意地を捨ててそのキャラを使うか、使わないならゲームそのものを諦める(もしくは遭遇しないことを祈る)」といった対応を取らざるを得なくなる。こういったキャラは多くのプレイヤーを引退に追い込むため害悪と呼ばれることが多い。
対戦格闘ではジョジョのペットショップ、kof2001のフォクシー、スマブラXのメタナイトなどが大会で使用に制限がかかった例として有名。バランスブレイカーの記事も参照。
汎用性が高すぎる
これはカードゲームで例えるのがわかりやすいだろうが、TCGではしばしば「とりあえず入れておけ」と言われるほど便利なカードが登場することがある。遊戯王OCGの「強欲な壺」が例として適切だろうか。
汎用性の高いカードがあること自体はさほど問題ではないのだが、強欲な壺レベルの「入れてないデッキはデッキにあらず」と言われるほど強いとほぼ全員のプレイヤーがこのカードをデッキに投入することになる。そのためその部分ではデッキ構築やプレイングに差がつかない。初心者でも上級者でも同じである。結果的に戦略や構築の幅が狭くなったり、そのカードを引けるかどうかの運要素で勝敗が決まることが増えるため開発者が望まない状況になることが多い。
相手のやることがわかっているのに崩せない、阻止できない
待ちガイルのようにシンプルに構えられて相手がそこからどう動くか完全に読めているにも関わらず、それ以上どうしようもないということが起こる。害悪ムーブなどと呼ばれることが多い動きで、ハメやTCGにおける1ターンキルなどもこれに該当するだろう。
なお害悪ムーブという言葉はこれ以外にも非常にマナーの悪いプレイヤーが相手を不快にさせる行為を指して使うこともある。
相性が極端で他の選択肢を殺しすぎる
あるカードゲームにおいて、デッキAが最強デッキとして君臨したと仮定しよう。このデッキに有利が付くデッキを他のプレイヤーは模索、研究する。そしてその結果そのデッキAに対抗しうるデッキB、デッキCが誕生した。
普通はAを中心にそれに対抗しうるB、Cという群雄割拠の構図になるはずなのだが、ここで昔から一定数存在するデッキでAには不利だがBとCに大幅に有利で圧勝できる極端なデッキDがあるとどうなるか。BとCはこのDに駆逐されてしまい数が増えない。すると最強デッキAは誰も寄せ付けず、メタが回らない。
この場合、おそらく害悪と呼ばれるのは最強デッキのAではなくDである。Dがいなければメタが回るのにそれが起こらないためだ。こういった他の選択肢を著しく制限する極端な相性のキャラやデッキ、技は嫌われる傾向がある。
ソシャゲでは
現在ではこういった「害悪」と呼ばれる存在が長期間居座ることは本来少ない。多くのゲームが強すぎればオンラインアップデートで下方されたりカードゲームなら使用に制限がかかるのである。しかしソーシャルゲームの場合は話が変わってくる。
ソーシャルゲームの場合、有料ガチャで引いたキャラは安易なナーフができない。(本来の性能を目当てで課金して引いたのに、後から開発の都合で一方的に下方するというのは景品表示法違反に抵触する危険がある)
よってバランスを取るためにインフレしていく他なくなることがある。もともとソシャゲ自体徐々にインフレすることは宿命であるが、極端なインフレを招いてゲームバランスを崩壊させた場合は害悪扱いされるのもやむを得ないだろう。実例としてはパズドラの曲芸士が特に有名。
関連項目
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E5%AE%B3%E6%82%AA