寅丸星(とらまる しょう)とは、「上海アリス幻楽団」制作の弾幕STG「東方Project」内に登場するキャラクターである。
概要
東方Project第12弾
『東方星蓮船 ~ Undefined Fantastic Object.』
で初登場した。
同作Stage5のボスである。
縁起が良い妖怪。
「財宝が集まる程度の能力」を持っている上に、
毘沙門天は七福神の一員である。
毘沙門天の代理
ダブルスポイラーにおける二つ名のとおり、そもそもは「虎の姿をした妖怪」(妖獣)。昔は人間を喰らっていた(※東方求聞口授)という。
聖白蓮が外の世界で寺に居たころ、「信仰している毘沙門天が多忙で寺になかなか来られない」こと、および「妖怪たちが毘沙門天を恐れて寺に近づかない」ことが白蓮の悩みの種だった。
これを同時に解決する妙案として白蓮が思いついたのが、「寺の立っている山で最も人格のあるまともな妖怪を毘沙門天の代理とする」ことであり、そこで選ばれたのが彼女である。
そして彼女は白蓮により毘沙門天に紹介され弟子入りした上で、寺におけるその代理となった。
「神も仏も妖怪の一種、神として崇めるか妖怪として排除するか人間が決めているだけに過ぎない」という白蓮の思想を端的に反映した存在と言える。
毘沙門天の弟子であり代理となって以後は、人間からの信仰を(妖怪であることを隠して)一身に受けてきた。
多忙で寺にほとんど来られない毘沙門天の化身として、「毘沙門天」としての業務をこなしている。
しかし毘沙門天は信用したわけではなく、こっそり自身の直属の部下であり本来の弟子であるナズーリンに動向を監視させている。
だがそんな毘沙門天の心配と裏腹に、彼女はなんの問題も起こすことがなかった。とても優秀だったのだ。
それ故、白蓮が封印された時も特に取り乱すこともなく、業務をこなしていた。
後悔はしたが、人間達に自分が妖怪であることを明かすわけにはいかなかった。
白蓮が封印されて数百年が経ち、お寺は荒れに荒れた。
そこへ地底に封印されたかつての仲間達がやってきたのである。
後悔したくないという思いから、ムラサ達に封印の解き方を教えた。
白蓮の復活のために力を尽くそうと。
性格
上記のとおり人格者であり、普段は非常に真面目で優秀かつ温厚で冷静である。しかし地の性格は感情的で、仲間内にはそれを見せ、時には激昂することもあると言う。
しかし「東方星蓮船」本編ではあまり優秀な面は見えず、大事な宝塔を「うっかりなくしてしまった」上に、恥ずかしくてナズーリン以外には内緒にしたまま、ナズーリンにこっそり探してもらっていた。このことから、うっかりさん・ドジっ子属性も垣間見える。ちなみに宝塔は幻想郷の古道具屋に売られていたようである(ナズーリン曰く、随分ふっかけられたとのこと)。
これを受けて、二次創作では何かにつけて物をなくしてはナズーリンに泣きつく頼りない上司としていじられキャラになっている事もある。
命蓮寺内での立場
命蓮寺のご本尊である毘沙門天の化身として、聖白蓮ほかの命蓮寺の面々から拝まれる立ち位置にある。「聖の信仰を一身に受けていた者」と自ら名乗っている。名目上、命蓮寺の中で一番偉いのは星という見方も可能である。実際、人間の里で命蓮寺が一定の信仰を集めるのも彼女の御利益目当て。(能力の項を参照)
しかし、実際には聖白蓮の弟子であり、元は名もない妖怪にすぎなかった彼女を代理として信仰の対象にすえたのも他ならぬ聖白蓮である。
なお、求聞口授で人間代表の稗田阿求が「命蓮寺で聖白蓮の次に偉い僧侶」と書き、同じく求聞口授の宗教家鼎談コーナーで他勢力トップの神奈子と神子が聖を命蓮寺トップとして認識していていた。対外的に住職の聖白蓮がトップ、本尊代理の寅丸星がNo.2と認識されていると考えられる。
さらに、寅丸星の部下であるナズーリンは毘沙門天直属の部下でもあり、寅丸星のお目付け役も担っている。さらに、ナズーリン自身は聖白蓮の弟子ではない。
このように、聖白蓮、寅丸星、ナズーリンは他勢力と比べるとかなり複雑な主従関係となっていることに留意されたい。
能力
「財宝が集まる程度の能力」を持つ、財宝の妖怪である。七福神の一角である毘沙門天の代理にふさわしい能力と言えるだろう。妖怪の集まる寺にもかかわらず人間からも一定の信仰を得られているのは、人間たちが毘沙門天の、つまり彼女の御利益に与ろうとしているからである。欲に流されて訪れるそんな人間たちを、聖白蓮が説法でなだめるのが命蓮寺の日常となっている。
所持している「毘沙門天の宝塔」(別名:レーザー宝塔)は「法の光」を放つとされ、宝石の光を集めてレーザー光線を放つ力がある。このレーザーが地面に当たると、当たった場所が宝石と化す。財宝の力を持って財宝を生み出すわけである。彼女単独でも財宝が集まる能力があるのか、それともこの宝塔の力のみをもってして上記の能力を名乗っているのかは定かでない。
戦闘の際にはこの宝塔はあらゆる物を焼き尽くす強力な光線兵器となる。実は彼女自身はさほど体術は得意でないこともあり、彼女の強さの8割はこの宝塔に依っている。
ゲーム的には、くねくね曲がるため軌道が読みにくい独特のレーザー(へにょりレーザー)を連発する。苦手な人にとっては、貯めておいた残機が一気に削られかねない強敵である。
スペルカード
東方星蓮船 Stage5
- 宝塔「レイディアントトレジャー」(E/N)
- 宝塔「レイディアントトレジャーガン」(H/L)
- 光符「アブソリュートジャスティス」(E/N)
- 光符「正義の威光」(H/L)
- 法力「至宝の独鈷杵」(E/N)
- 法灯「隙間無い法の独鈷杵」(H/L)
- 光符「浄化の魔」(E/N/H)
- 「コンプリートクラリフィケイション」(L)
ダブルスポイラー ~ 東方文花帖 LEVEL7
その他の設定
- 容姿
稗田阿求によれば、寅丸星の姿は毘沙門天の偶像を真似たもので、それと大変よく似ているが、本物の毘沙門天の姿とはかけ離れているらしい、とのこと。なお、日本では毘沙門天の使いが虎であるといわれることが多い。
なお、中国では鼠が毘沙門天の使いとされている。 → ナズーリン - 聖白蓮との関係
白蓮の元ネタとなる人物が描かれている国宝の絵巻物「信貴山縁起」が伝わる朝護孫子寺の本尊は毘沙門天である。
この寺はそこかしこに虎の張り子があり、世界一福寅と呼ばれる巨大な張り子もある。 - 守矢神社との関係その1
東方星蓮船自機の一人である東風谷早苗とは仏教VS神道という関係(霊夢もそうなるが)であるが
それと同時に自身を毘沙門天の生まれ変わりと信じていた上杉謙信と
諏訪大明神(建御名方神=守矢神社の表向きの祭神、洩矢諏訪子と融合し、建前上大和の神が支配していると見せかけていた)を信仰していた武田信玄の対決(=川中島の戦い)という風に捉えることも出来る。 - 守矢神社との関係その2
視点を変えてみると前述の武田信玄は諏訪地方に侵攻した際、その土地を治めていた戦国大名諏訪氏を攻め滅ぼしている。(断絶はしておらず、のちに再興)諏訪氏は建御名方神の子孫ともされ、代々諏訪大社の大祝も務めている一族である。一方、武田信玄は諏訪に侵攻する際、朝護孫子寺に寄進をし毘沙門天に戦勝祈願をし、勝利後には追加の寄進まで行なっている。両方の元ネタである寺院及び神社への信仰が直接ぶつかりあっている(朝護孫子寺VS諏訪大社)。またこちらのケースでは、その1とは異なり武田信玄(毘沙門天)VS諏訪氏(建御名方神)という構図となる。両方の元ネタ同士が信仰において直接ぶつかりあっている。口授において神奈子が当初は星を警戒していたのには、このあたりの因縁も関係しているのかもしれない。 - 神霊廟との関係
飛鳥時代に排仏派の物部守屋と崇仏派の蘇我馬子が争った際、聖徳太子は蘇我氏側に立ち、四天王に戦勝を祈願して物部氏に勝利した。四天王の一尊である多聞天は毘沙門天のことである。また、朝護孫子寺の伝承では、「聖徳太子が信貴山において毘沙門天に物部守屋討伐の戦勝祈願をしたところ、毘沙門天自らが現れ必勝の秘法を授けた」とする。求聞口授において、豊聡耳神子は寅丸星について「(毘沙門天も)随分変化した」と語っており、過去に毘沙門天を信仰していたことを仄めかしている。以上のように、豊聡耳神子、物部布都、蘇我屠自古とは毘沙門天経由ではあるが因縁があることになる。 - 宝塔について
京都の教王護国寺にある国宝・兜跋毘沙門天立像の左手にはかつて宝塔が掲げられていたが、1968年9月に何者かに持ち去られており、宝塔を失くしたという設定と共通点がある。ちなみに、不幸中の幸いか宝塔は江戸時代の作とされておりこの部分は国宝指定ではなかった。
お絵カキコ
枚数が増えたので、寅丸星のお絵カキコに分離しました。
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関連項目
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