「このカブとなら…どこまでもいける!」
小熊(こぐま)は、ライトノベルおよび漫画・アニメ作品「スーパーカブ」の登場人物である。作中は名前のみで、苗字は不明。
概要
埼玉県生まれで小中学校時代は東京に住んでいた(小説7巻より)。家族は父親が他界。高校入学を前に母親と一緒に山梨県北杜市の日野春駅近くにある団地に引っ越したが、母親が高校2年に進級した直後に失踪。頼れる親戚もなく、学校の支援で奨学金を受けてどうにか通学しているが、母親が失踪した悪評が広まり、友達もいない日々を送っている。このように家族や周辺に恵まれなかった経緯から、基本ぶっきらぼうで、ネガティブかつ人を見下す部分がある。
名前について
小熊の名前の由来であるが、これは作品名(ならびに基となったバイク)に関係している。
カブ(Cub)はライオンや熊など獣の子供を意味しており、熊の子供=小熊ということでこの名前が設定されている。本来であれば女性に付ける名前ではないが、原作者のトネ・コーケンのこだわりからこの名前がつけられたと推測される(母親が娘を1人置いて失踪するぐらいなので、適当な名前を付けたと考えられる。)
また、アニメでは2004年6月6日生まれという設定がされており、元号表記だと平成16年であるため、元号表記の年数字下一桁+月+日で「666」と6が3つ並ぶことになる。この数字はキリスト教の新約聖書によると獣の数字であり、小熊ならびにスーパーカブに関係している。
経過
高校2年生
小説1~2巻、漫画1~5巻までがこの範囲である。また2021年春アニメで放送している部分は2年次の出来事である。
日野春駅近くの集合住宅から武川地区の高校まで自転車で通う日々を送っていたが、初夏に学校への坂道がきついことからその帰り道にバイク屋へ立ち寄る。そこで店主のシノさんにバイクが欲しいけどお金がないことを告げると、中古のスーパーカブF50を1万円(ヘルメットのサービス付き)で売ってもらう。原付免許を取得し、通学を開始したもののクラスメイトの反応はさっぱりだった。しかし礼子が興味を示し小熊に接近。小熊は当初自分と境遇が違う礼子を避けていたが、礼子の純粋なカブ好きに心を開き始め、 以降行動を共にするようになる。
スーパーカブを手に入れてから少なからず性格に変化が生じており、最初は人見知りが激しく控えめな性格であったが、人との交流が増えたことで物怖じしなくなっていく。また行動力が飛躍的に伸び、夏休みはアルバイトのため武川から甲府まで(片道25km)を1~2往復し、休み明けの修学旅行ではカブで旅行先の湘南(しかも途中須走口の富士山五合目へ寄り道をしている)へ向かい合流。思いついたらすぐ行動をするようになり、礼子と一緒にパーツを買いに行ったり、文化祭のトラブルで困っていた恵庭椎のために礼子と一緒に道具を借りに甲府の学校まで往復している。この文化祭の件で椎とも仲良くなり、 以降3人で行動を共にするようになる。
一人で暮らしていることから料理をはじめとした生活に必要なことは一通りできるが、面倒くさがり屋なので昼食はレトルトで済ませている。またカブについてもシノさんや礼子のアドバイスでパンク修理やパーツ取付など、簡単な作業は自分でできるようになる。
高校3年生
新学年早々、椎の妹である慧海が高校進学を機に山梨の家族と一緒に暮らすことになり、歓迎会へ招待される。慧海の普通とは外れた言動に最初は戸惑うも、それがスーパーカブを手に入れる前の自分に似ていると感じ、理解を示す。
高校卒業が間近となり進路を決めなければいけない中、担任の先生の勧めで東京の公立大学の推薦を受ける。学費や生活費の心配はいらなくなるが、唯一大学の女子寮がバイクの使用が禁止されているということで、カブを手放すかの選択を迫られることになる。しかし夏、そして秋となり、やはり自分にはスーパーカブがなくてはならないものと感じ、公立大学への進学を決めるも女子寮へは入らずに生活費がかかるアパート暮らしを決断する。担任の先生は思いとどまるよう諭すも、小熊の腹は決まっていた。
礼子と共に挑んだ夏のカブに乗って富士登山、バイク便で県内外あちこちを回る日々を送りつつも交流の幅や体験を重ねていったが、高校卒業を間近に控えたある日、バイク便のバイト中にUターンをしたタクシーと接触し、大腿骨骨折の重傷を負う。病院で同部屋となった3人の女性患者と入院生活を送ったのち卒業式までには回復。高校3年最後の春休みに礼子、椎と共に3人でカブに乗りこれから暮らす東京へ旅に出ることになる。
大学編
小説7巻と8巻がこの範囲となる。
大学入学前にこれまで乗っていたF50が全損し、代わりにHA02に乗ることになった。入学間もなく、春目という少女に出会い、そこから節約研究会(セッケン)の部長である竹千代、その部員である頁とも絡むようになる。
バイク便のバイトも見つけ、東京での生活にも慣れ、6月6日に19歳の誕生日を迎える。椎をはじめ山梨時代の知り合いも駆けつけて誕生日を祝い、、またこれまでの少女としての小熊は終わり、新たな小熊の人生が始まる瞬間でもあった。
所有バイク
スーパーカブF50(キャプレター式最終型)
小熊が最初に保有したカブ。先述の通り高校2年生の初夏にシノさんの店を訪れ、1万円で購入した。この値段で売ってもらった理由は「人を死なせてる、3人」とのことであるが、普通なら事故車でもそんな値段で売らないし、サービスで付けたヘルメットはアライ製のクラシックメット(市場価格2万円以上)で、これだけでも破格である。
購入時の走行距離は500km程度とほぼ新古品である。オプションはほとんどなかったが、礼子の伝手やバイト代で得た金でラゲージボックスなどを取り付けている。排気量は当初50ccで30km/h制限や2段階右折が必要であったが、夏休みの終わりにポアアップ(排気量増加)で52ccまで向上したことで60km/hまで出せるようになり、2段階右折も不要になっている(同時に原付免許しか持っていなかった小熊はそのままでは51cc以上のバイクを運転できないため、夏休みで得たバイト代をはたいて普通二輪免許(400ccまで運転可)を取得している)。
HA02スーパーカブ90
2代目として保有しているカブ。大学進学のため東京へ移住してまもなく運転中に後ろから追突され、これまで乗っていたF50が全損となってしまったため、加害者側の保険で新たに購入した。こちらも新古品で前のオーナーは90型製造中止直前(2008年頃)に購入したがほとんど乗らないまま急逝したためほぼ新品同様である。ちなみに全損したはずのF50は小熊が自分で修復したため、2台体制となっている。
エンジンはSOHCの85cc。スピードメーターが80km/hまであるのが特徴。
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関連項目
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