尾田くん...見損なったぞとは、「漫画の神様」と称される故・手塚治虫先生が、漫画『ONE PIECE』の作者として知られる尾田栄一郎先生に言っていない台詞である。
概要
フェイクニュースとしての誕生
もともとは、「タモリがMステでCHAIに暴言を放った」などという事実無根のゴシップ動画のうちの一つであった。こちらの記事も参照。→ガキが...舐めてると潰すぞ(一同驚愕シリーズ)
「北島三郎が米津玄師に対して『レモンだ?貴様この野郎』と発言」「美智子さまが小室圭に対して『消えなさい』と発言」などをサムネイルとした、お話にならないスパム動画が雨後の筍のようにアップロードされていた。視聴者の耳目を集め、再生数稼ぎによって広告収入を得ることが狙いであり、情報の信ぴょう性などは完全に無視されていた(フェイクニュース)。その中でもひときわひどいサムネイルが、右に手塚治虫先生、左に尾田栄一郎先生、中央にルフィが写っている画像に「尾田くん…見損なったぞ」と書かれたサムネイルである。
当然ながら、1989年に死去した手塚先生が、初連載を1997年に開始した(漫画家歴を見ても1991年以前にさかのぼることはできない)尾田先生のことを知っているはずがない。
発言を捏造するだけでなく故人をも利用し、迷惑行為で再生数を稼ぐ業者の害悪さ(俗に言う「アフィカス」)、およびそれが許されてしまうYouTubeの広告収入システムの脆弱性を象徴したものであると言えよう。
スラング化
一方で、「時空を超えて批判する手塚先生」という構図が妙にユーモラスであるとしてなんJ民をはじめとする一部のネットユーザーに(フェイクニュースと理解されている上で)受けてしまい、一同驚愕シリーズが注目されなくなったあとも、このフレーズのみがひっそりと一部の人の脳裏に残ってしまった。
2020年以降の広まり
GoogleTrendsによると、2018年末に誕生したこの用語は2019年にいったん下火を迎えた後、2020年中旬から徐々に数を伸ばし始め、2020年10月から利用が増加していることが見て取れる。原因としては、他の漫画作品の台頭により、ONE PIECEがランキング1位から転落したこと、また鬼滅の刃最終巻の発行部数が395万部でONE PIECEの最高発行部数405万部に届いておらず、(発行部数以外の明確な根拠は特に無いまま)「忖度である」と批判されたことなどが挙げられる。
実際に使用されている文脈を見てみると、単なるアンチによる批判もありつつ、現読者や「昔は読んでいたけど今は読んでいない」ONE PIECEファン、さほど興味はないがこの言葉のフレーズ自体を面白がっている層による使用も多い。
一方で、このフレーズとともに一理ある批判がされることもある。だが、ジョークや単なる煽りに走っていたり、ONE PIECEのネガティブな話題に対してスラングとして条件反射的に返したりしているものも多い(参考)。対義語として「尾田くん、見直したぞ」という投稿がされることもある。
当然嫌がる人もいるので、むやみに拡散することは控えるようにしよう。
関連項目
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