村は、死によって包囲されている。
屍鬼とは、小野不由美のホラー小説および、それを原作としてコミカライズされた藤崎竜の漫画作品を指す。1998年に単行本、2002年に文庫本が発行。2008年から『ジャンプSQ.』にて漫画連載開始。集英社音声・動画配信ポータルサイト「ヴォイスコミックステーション」にて漫画4話分のVOMICが配信中。2010年7月~12月までフジテレビ「ノイタミナ」枠でテレビアニメが放送された。全22話。
PS2用ソフトのホラーゲーム『SIREN』の世界観、設定などに影響を与えた作品としても有名。
また、本作自身もスティーヴン・キング作、『呪われた町』のオマージュ作品である。
概要
学校があり、役場があり、病院があり、寺がある故に、 生まれ、死に至るまでの全てを村の中だけで完結できる。その為か、周囲の町村と隔絶され、未だに土葬の風習も残る外場村(そとばむら)が本作の舞台である。
卒塔婆を作るために植えられた樅の山に三方を囲まれ、死者はそんな樅の山へと埋葬され、街へ出るための道は一本だけであるこの村は、「死によって包囲されている」と作中内で評されている。
そんな、どこにでもある田舎村に、小さな変化が訪れる。
平凡な村には似つかわしくない、古い洋館の移築が行われたのだ。
季節は夏。
山入という所にある住宅で3人の老人の死体が発見される。
一人は自然死、後の二人は野犬に襲われたと判断された事件から、全ての歯車は動き出す。
死亡事件を皮切りに、外場村は少しずつ変化していく。
壊された地蔵。真夜中に行われた洋館への引越し。夜にしか姿を見せない洋館の主たち。
増え始めた原因不明の死亡者。村全体に流れる不穏な空気。
異様な病人、葬儀の数、死亡診断書の山、友人の死、親類の死、急に引っ越す者。
そして、夜中に現れる、いるはずのない人の影。
起き上がり。
「そうだ。村ではまだ死者を土葬にするのだった。」
人々は、それぞれの視点から、外場村を襲う異変に気づき始める。
村単位で書かれているため登場人物が多く、その総数は名前だけのモブを含め約150人にも及ぶ。それに伴い、一つの出来事が多数の人物からの、多角的な視点で書かれているのが本作の特徴とも言える。
人と、人とどうしようもなく対立せざるを得ない人外という関係性の中で、
人外や人自身に対して理解、逃避、親近感、拒絶などを示す人々が丁寧に描写されている一方、
人や人外自身に対して羨望、罪悪感、嫌悪、軽蔑などを示す人外たちの心情もまた細かく書かれている。
単行本で1000ページを超える作品になったのは当然と言えるだろう。
主要キャラクター
VOMICで声が当てられているキャラを中心に、主要キャラクターを簡略に記す。
声優に関しては(CV:アニメ版/VOMIC版)の並びで紹介する。
- 室井 静信/むろい せいしん (CV:興津和幸/杉山紀彰)
- 村の寺院に生まれ、父の後を継いで住職を勤める。村人からは「若御院」と呼ばれている。
住職兼小説家でもあり、作中で『屍鬼』というタイトルの小説を執筆中。尾崎敏夫とは幼馴染み。 -
- 尾崎 敏夫/おざき としお (CV:大川透/白熊寛嗣)
- 村に唯一ある病院である尾崎医院の院長。村人からは「若先生」と呼ばれている。静信とは幼馴染み。
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- 結城 夏野/ゆうき なつの (CV:内山昂輝/福山潤)
- 両親の仕事から「工房の息子」とも呼ばれている高校生。都会育ちであるため、村の生活を嫌う。清水恵の好意に気付いているが、付きまとってくるため疎ましく思っている。小説と漫画で設定が大きく変化しているキャラ。
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- 清水 恵/しみず めぐみ (CV:戸松遥/飯塚雅弓)
- 夏野に片思いしストーキングを行っている。おしゃれ好きであり、夏野同様、村での生活を嫌っている。
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- 桐敷 正志郎/きりしき せいしろう (CV:GACKT/未登場)
- 洋館に越してきた住人。桐敷家の当主。元は会社社長であった。
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- 桐敷 沙子/きりしき すなこ (CV:悠木碧/未登場)
- 正志郎の娘。紫外線を浴びると炎症を起こすSLEという病を患っている。静信の小説のファン。
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- 辰巳/たつみ (CV:高木歩/疋田高志)
- 桐敷家の使用人の男性。「辰巳」は名字。
関連動画
関連静画
関連コミュニティ
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関連項目
フジテレビ「ノイタミナ」 下段 | ||
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