「山の神」という語が持つ意味は複数あるので、以下それぞれについて詳述する。
概要
- 読んで字のごとく、山の神様という意味。山に住む神だったり、山そのものが神であったりなど、土地によって解釈は異なる。日本ではほとんどの場合において女神であるとされ、ことに若い女性が山に入ると、山の神が嫉妬して事故が起こったり天気が荒れたりするといった言い伝えは全国的に見られる。現在でも、信心深い猟師やトンネル作業員などには、女性が山に入るのを快く思わない人々がいるとされる。
- 山の神が女神であるとされることから転じて、恐妻家の男性が自分の妻を指して用いる三人称代名詞。「山の神がお怒りなんで、このへんで失礼します」といったように用いる。この用法そのものはほとんど廃れているが、この言葉の省略形である「かみさん」は現在もよく使われている(「かみさん」が「山の神」の省略形であることについては異論もある)。
- 山の神様であるような属性を持つキャラクターに対する呼称。例としてはやまのかみ(Sa・Ga2 秘宝伝説)、八坂神奈子(東方project)など。
- 箱根駅伝の5区(山登り区間)において、圧倒的な快走を見せる選手にメディアがつける称号。北村聡(日体大)が今井正人(順天堂大)を「5区に神がいる」と形容したのがきっかけ。2017年現在、山の神とされたのは今井と日本一足の速い花澤病患者柏原竜二(東洋大)、神野大地(青山学院大学)の3人である。区別のために柏原を「新・山の神」や「二代目」(当初は「山の神童」と呼ばれていた)、神野を「三代目」などとする向きもある。なお、前者2人は福島県の浜通り地方の出身である。
詳しくは「山の○○(箱根駅伝)」の記事を参照。 - カサゴ目カジカ科ヤマノカミ属の魚。降河回遊(稚魚は海で生まれて川を遡上し、産卵の時だけ海に下る)という珍しい性質をもつ。名前の由来は不明だが、カワノカミなどと称する地方もあり、なんらかの信仰と結びついていることは間違いないと思われる。干潟の開発や河川改修で生息地が減っており、絶滅危惧種に指定されている。同じカサゴ目のフサカサゴ科にはヒメヤマノカミという魚もいる。こちらは海水魚である。
- 地名の一つ。例としては岩手県花巻市山の神、熊本県熊本市山ノ神、山梨県中央市山之神などがある。他にも心霊スポットとされる山の神トンネル(神奈川県厚木市)、富山県にある山の神林道など「山の神」を冠したランドマークは全国にある。
- プロサッカー選手であるゴールキーパー(GK)の山岸範宏の事。2014年のJ1昇格プレーオフでのモンテディオ山形の選手として1回戦をジュビロ磐田と対決し、1-1のまま迎えた後半アディショナルタイムでGKながら決勝点を挙げたことから。コーナーキックで浮いて来たパスをヘディングシュートしたゴールだった。その後、モンテディオ山形はプレーオフ決勝でジェフユナイテッド市原・千葉を破り、2015年のJ1参入を決めている。この際に実況アナウンサーから突如「山の神」と連呼された。由来は彼の苗字(山岸)とチーム愛称の「モンテディオ」の意味(イタリア語を組み合わせた造語で「山(monte)の神(dio)」を意味する)からと思われる。余談だが、この件について、スポーツ界にもパイプを持とうとしているフィギュア製造販売で有名なコトブキヤが、Twitter上にて前述の4で挙げた柏原竜二に対しネタとして振っていた
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