山本弘とは、日本のライトノベル・SF・ファンタジー小説を手掛ける作家である。
概要
オタクで、元と学会会長で、ロリコンであり、女ターザンが大好きな、MADを深く愛し、ニコニコ動画中毒でもある小説家である。早い話が、リアルそうじろう。しかも娘をリアルこなたにしようとしているから困る。
最近ではニコニコ動画に投稿される初音ミクやMMD動画に関心があるようで、中でも造詣が深い特撮関係を題材にしたMMD作品やMMD杯についてblogで熱く語っている[1]。
また、東京都による青少年健全育成条例改正案に対しては反対のスタンスを取っている。
略歴
- 1956年[1]生まれ。京都の洛陽工業高校電子科卒。
- 1978年 第1回奇想天外SF新人賞佳作受賞の「スタンピード!」でデビュー。
- 1987年 ゲーム創作集団「グループSNE」に所属し、作家、ゲームデザイナーとして活動。
以降、「ソード・ワールド」シリーズ、「妖魔夜行」・「百鬼夜翔」シリーズのTRPG、小説で設定、執筆に携わる。
複数の作家が同じ世界観の作品を執筆した短・中篇をひとつの小説にまとめる方式では一定の成功を収めている。
「妖魔夜行」シリーズ最終巻では2巻に渡る長編をひとりで執筆し広げた風呂敷を見事に畳んでみせている。 - 1988年 最初の長編小説となる「ラプラスの魔」を発表。
2003年に刊行し日本SF大賞候補となった「神は沈黙せず」以降は本格的にSF作家として活動、「アイの物語」「MM9」「詩羽のいる街」「地球移動作戦」「去年はいい年になるだろう」などなど質の高いSF小説を多く発表している。 - 1992年 日本SF大会の企画の一つであった日本トンデモ本大賞を引き継ぐ形で「と学会」を発足。以来会長を務めている。
他の会員との共著、または単独で「と学会」関連のノンフィクション作品を複数発表。 - 1998年 「グループSNE」から独立。ただし、現在も社友という立場にあり完全に縁が切れた訳ではない。
- そしてニコニコ中毒へ…
- 2011年 「去年はいい年になるだろう」で第42回星雲賞日本長編部門(小説)を受賞。
- 2014年 と学会会長を引退、同時に脱退したとしている。→【お知らせ】と学会、引退しました
- 2018年 脳梗塞で倒れ入院。そのときの闘病記録をカクヨムに連載→山本弘の闘病日記
- 2024年 誤嚥性肺炎により死去。[2]
作品リスト(小説・オリジナル)
※ニコニコ大百科に記事がある作品は太字。
- 時の果てのフェブラリー ─赤方偏移世界─ (1989年、角川スニーカー文庫→2001年、徳間デュアル文庫)
- ギャラクシー・トリッパー美葉
- 神は沈黙せず (2003年、角川書店→2006年、角川文庫[上下巻])
- 審判の日 (2004年、角川書店)
→ 闇が落ちる前に、もう一度 (2007年、角川文庫[改題]) - まだ見ぬ冬の悲しみも (2006年、早川書房)
→ シュレディンガーのチョコパフェ (2008年、ハヤカワ文庫JA[改題]) - アイの物語 (2006年、角川書店→2009年、角川文庫)
- MM9シリーズ
- 詩羽のいる街 (2008年、角川書店→2011年、角川文庫)
- C&Y 地球最強姉妹キャンディ
- 地球移動作戦 (2009年、早川書房→2011年、ハヤカワ文庫JA[上下巻])
- 去年はいい年になるだろう (2010年、PHP研究所→2012年、PHP文芸文庫[上下巻])
- アリスへの決別 (2010年、ハヤカワ文庫JA)
- 名被害者・一条(仮名)の事件簿 (2012年、講談社ノベルス)
- UFOはもう来ない (2012年、PHP研究所→2016年、PHP文芸文庫)
- 夏葉と宇宙へ三週間 (2013年、岩崎書店)
- 僕の光輝く世界 (2014年、講談社→2017年、講談社文庫)
- プロジェクトぴあの (2014年、PHP研究所→2020年、ハヤカワ文庫[上下巻])
- BISビブリオバトル部
- 怪奇探偵リジー&クリスタル (2015年、KADOKAWA→2018年、角川文庫)
- プラスチックの恋人 (2017年、早川書房)
ほか、グループSNEとしての『ソード・ワールド』『妖魔夜行』『ゴーストハンター』ノベライズ、描写が過激で18禁の同人誌『チャリス・イン・ハザード』など多数。
と学会会長としての代表作
と学会会長としていろいろなトンデモを笑うときには、イデオロギー的に批判することは絶対しないのがポリシーらしい。
また、「素人の印象を信じるな。専門家の言うことに耳を傾けろ。」と専門外については専門家の意見を重視している。
他にも、PS2の「デストロイオールヒューマンズ!」(2007年)のローカライズ監修も行っている。
性的虐待について、「チャリス・イン・ハザード」の紹介ページにて、こう語っている。
性的虐待という題材に嫌悪感を抱かれる方も多いと思いますが、僕はそんなものを肯定するつもりは毛頭ありません。むしろ、そうした行為を徹底して「悪」として描いています。どんな絶体絶命の状況に追いこまれても、チャリスは最後には必ず勝利し、悪は倒されます。
毎回、超科学的なアイテムや非現実的な設定を多用しているのも、現実的な話など書きたくないからです。現実世界における性犯罪を、僕は強く嫌悪しています。ありえない話だからこそ、安心して自由奔放に描けるのです。
と学会を引退し、今後「トンデモ」という言葉のついた書籍も出さないとしているが、疑似科学関係の活動は継続する方針を示している。
ハイ・エルフ
氏を語る上で外せないのが、今現在もしまむら界隈で有名な"(ハイ)エルフ"ディードリットの中の人ということだろう。
ディードリットの登場作品「ロードス島戦記」の元ネタは1985年にコンプティーク誌上で連載されていたリプレイ「D&D誌上ライブ」にあり、その際に女エルフ(ディードリット)を担当していたプレイヤーが当時グループSNEに在籍していた山本弘その人。この誌上リプレイを元に、水野良が小説として手直しして発刊したのが「ロードス島戦記」となっている。
以来、日本のエルフ像の原型となったディードリットが山本弘だった、というネタはTRPG界の語り草となっている。
ちなみにこのリプレイ版ディードリットは、氏の嗜好もあって某ドラゴン○ーフの主人公もかくやという肉弾戦中心のキャラであったようだ。
(というか、クラシックD&Dのエルフは成長が遅い代わりに剣も鎧も魔法もバリバリ使える、ファイターやシーフと同格の"クラス"だった。たとえるなら魔法戦士が一番近い。)
さらに、SWリプレイ第3部の便利アイテムグラスランナー・パラサ役ではないか、という噂も不確実ながら存在する。
・・・ということが世間の常識として囁かれている事について山本弘自身は、
うーん、僕がディードリットやってたのはコンプ連載版の最初の数回だけで、途中から女性プレイヤーにバトンタッチしたって、だいぶ前から言ってるのに、まだ知られてないのかな
と、D&Dリプレイ用にディードリットを生み出したが、ディードリットで参加したのは最初だけで、他の回は別の女性プレイヤーがディードリットを担当していた事を2017年頃につぶやいている。
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https://twitter.com/hirorin0015/status/944822959830478849
生みの親ではあるが、キャラクター像を決めるプレイは行っていないといったところだろうか。
関連動画
山本弘氏は、「自分の作品のアニメができたらどんなMADができるか楽しみ」というようなことを発言しているが(『トンデモ音楽の世界』)、すでにこんな作品ができていることはご存知ないようである。
後日追記:氏のブログにてこの動画を知っていたことが判明した。
外部リンク
関連項目
註釈
- ^[1]その縁か、2008年9月の第39回日本SF大会にて小シンポジウム企画「ボーカロイドが世界を侵蝕する」を尻P、松浦晋也氏とともに主催した。(同大会にて初音ミクは星雲賞を受賞することとなった)
また、SFマガジン2011年8月号の初音ミク特集号においては尻Pらとともに短編作品を寄稿している。
脚注
- *https://www.artm.pref.hyogo.jp/bungaku/jousetsu/authors/a124/
- *https://twitter.com/hirorin0015/status/1775723787797008735
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