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山本由伸（やまもと　よしのぶ、1998年 8月17日-）とは、岡山県出身のメジャーリーガー（投手）である。現在はロサンゼルス・ドジャースに所属。

概要

ロサンゼルス・ドジャース #18
山本由伸
基本情報
国籍	日本
出身地	岡山県備前市
生年月日	1998年 8月17日
身長体重	177cm 80kg
選手情報
投球･打撃	右投右打
守備位置	投手
プロ入り	2016年ドラフト4位
経歴
都城高等学校オリックス・バファローズ(2017年-2023年) ロサンゼルス・ドジャース(2024年-)
国際大会
代表チーム	日本
ﾌﾟﾚﾐｱ12	2019年
五輪	2021年
WBC	2023年
メジャーリーガーテンプレート

小学校から野球を始め、中学生3年では全国大会に出場した。

都城高等学校では1年夏から三塁手としてベンチ入りしたが、この頃から投手の練習に取り組み、秋に投手に転向しエースとなった。2年春に県大会準優勝に貢献した。沖縄遠征で147km/h、新人戦地区予選で151km/hと直球の最速が伸びていった。3年春は脇腹痛で登板なし、夏は3回戦で敗退したため、甲子園出場はなかった。

2016年ドラフト4位でオリックス・バファローズに入団。背番号は43。

オリックス時代

2017年は高卒ルーキーにして二軍で8試合33回2/3を投げて自責点1、防御率0.27という異次元の成績を叩き出し、8月20日の千葉ロッテマリーンズ戦で一軍デビュー。5回1失点6奪三振と好投したが、勝敗はつかなかった。8月31日のロッテ戦で5回2失点2奪三振でプロ初勝利を挙げた。

2018年はキャンプは一軍に帯同したが、開幕は二軍で迎える。二軍では先発を務め6試合で防御率0.37とまた異次元の成績を残し、4月下旬に一軍に昇格すると中継ぎとして起用され、セットアッパーを務める。オールスターにも初出場し、最終的に54試合に登板。4勝2敗1セーブ32ホールド（リーグ 2位）を挙げ、防御率も2.89という好成績を挙げた。10代で30ホールドを記録したのは史上初。

2019年は西勇輝・金子千尋の移籍もあり本格的に先発に転向。初戦の福岡ソフトバンクホークス戦での9回1安打無失点投球（なお試合は0-0で引き分け）に始まり、6月半ばまでに11試合77回2/3を投げて援護点が合計12点しかないという惨憺たるムエンゴの中で防御率1点台をキープする快投を続ける。6月28日の埼玉西武ライオンズ戦でプロ初完封勝利。8月に左脇腹痛で戦線離脱したためタイトル獲得が危ぶまれたが、9月に復帰して無事143回を投げ、防御率1.95で最優秀防御率のタイトルを獲得した。高卒3年目での防御率1点台＆最優秀防御率は1968年の江夏豊以来の快挙。なお勝敗はムエンゴのため8勝6敗、援護率は規定投球回数到達者でぶっちぎり最下位の2.36であった。
シーズン閉幕後、第2回WBSCプレミア12の侍ジャパンに招集。8回担当のセットアッパーを務めて5試合に登板、優勝に貢献した。オフには背番号が18に変更となった。

2020年も開幕から先発ローテーションを守り、一時は炎上が続いて防御率が4点台近くまで上がったが、8月半ばからは調子を取り戻し、順調に防御率を下げていった。9月は4勝1敗、防御率0.73という成績で初の月間MVPを受賞。最終的に防御率を2.20まで下げ、疲労と上半身のコンディション不良で10月21日で登録抹消されてシーズンを終えた。千賀滉大に抜かれて2年連続の最優秀防御率は逃したものの、149奪三振で初の最多奪三振のタイトルを獲得した（千賀と同率）。なお、この年も援護率は規定投球回数到達者でリーグ最下位の3.09で、8勝に終わる。

2021年は開幕投手を務めたが敗戦投手となる。ここから中5日のローテーションで使われたこともあってか疲労が蓄積し、5月までに5敗を喫するも、5敗目となった5月19日の千葉ロッテマリーンズ戦の試合後に「これからは負けない」と宣言すると、その次戦である5月28日の東京ヤクルトスワローズ戦以降は無敗をキープ。最終的にシーズン15連勝の球団新記録を達成し、6月から4ヶ月連続で月間MVPを獲得する活躍で、オリックスの25年ぶりのリーグ優勝に貢献。18勝5敗、勝率.783、206 奪三振、防御率1.39を記録し、オリックス史上初の投手四冠を獲得した。東京五輪においても2試合の登板で2失点と好投し、金メダル獲得に貢献した。日本シリーズでは第1戦と第6戦で登板し、勝ち負けは付かなかったが、史上22人目の日本シリーズ二桁奪三振を達成。沢村賞、シーズン MVP、日本シリーズ敢闘賞を獲得した。

2022年は2年連続の開幕投手を務め、チーム12年ぶりの開幕戦勝利に導く。その後6月18日の西武戦（ベルーナドーム）にて史上86人目（97度目）のノーヒットノーランを達成した（102球、四球は5回2死から外崎修汰に与えた1個のみで打者28人の準完全試合）。シーズン4人目の達成で同一シーズン4人のノーヒッター達成者が出るのは79年ぶりだった。この年も15勝、勝率.750、205 奪三振、防御率1.68の活躍で史上初の2年連続の投手四冠を達成。オフに2年連続で沢村賞（パシフィック・リーグでの連続受賞は史上初）、2年連続でMVP（連続受賞は球団ではイチロー以来2人目）を受賞した。

2023年 1月6日に第5回WBCの日本代表に選出されたことが発表された。第1ラウンドでは第4戦のオーストラリア戦に登板し、4回無失点8奪三振で勝利投手となった。準決勝のメキシコ戦では5回から登板し、3回2失点4奪三振だった。
シーズンでは9月9日のロッテ戦で2年連続自身2回目のノーヒットノーランを達成した。23試合の登板で16勝6敗、勝率.727、169奪三振、防御率1.21（歴代2位）を記録し、史上初の3年連続投手四冠を達成した。

ドジャース時代

2023年オフにメジャーリーグ移籍を目指してポスティングシステムを申請。12月27日にロサンゼルス・ドジャースと12年契約を結んだ。背番号は18。

2024年 3月21日のサンディエゴ・パドレス戦でデビューしたが、1回5失点を喫し敗戦投手となった。渡米初年度であり、6月に右肩腱板損傷で離脱するも18試合に先発登板し、7勝2敗だった。ポストシーズンでも初戦こそ苦しんだが、同僚キケ・ヘルナンデスに励まされるなどして持ち直し、その後2勝を挙げた。先発投手陣が相次ぎ離脱した年だったが、最終的に見事世界一に貢献した。

2025年は前倒し日程の東京シリーズ3月18日に開幕登板し、勝利投手となる。その後はまたもや他の先発投手の離脱する中、ローテーションを守り抜き規定投球回に到達。30試合に先発登板し、12勝8敗だったそのうち1敗は9月6日のボルチモア・オリオールズ戦、9回2アウトまでノーヒットノーランからの例の回。ピッチャー・オブ・ザ・マンスを2回受賞は日本人投手史上初だった。

ポストシーズン全体では5勝1敗で21年ぶりの2連完投試合を達成。ワールドシリーズでは2,6戦目に先発し、さらに中1日と23時間での4戦目には延長18回で肩を作っての登板未遂、7戦目にはなんとクローザーとして登板しランディ・ジョンソン以来のワールドシリーズ3勝を挙げ、日本人投手初のワールドシリーズ MVPに輝いた。

また同時にMLB2025は「日本で山本由伸から始まりカナダで山本由伸が終わらせる」という珍記録も達成した。

サイ・ヤング賞ではファイナリストに選ばれていたが、受賞はならなかった。

プレースタイル・人物

直球の最速は159km/h。変化球はツーシーム、スライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップ、シンカーと多彩に投げる。特にカーブはメジャー関係者からも高く評価されている。
ドジャースのサイ・ヤング賞3回レジェンド投手こと、クレイトン・カーショウは息子に「彼のピッチングを見なさい」とインタビューで語っている
フィールディングの良さに定評があり、日本在籍時代は2021年から3年連続でゴールデングラブ賞を受賞している。
元巨人の高橋由伸と名前は全く一緒だが、これについては関係はなく、両親の名前から一文字ずつ取って名付けられた。
チームメイトの頓宮裕真とは実家が隣近所で、年齢差はあるが少年野球時代からの仲良しでもある。備前焼の街の生まれということで大谷翔平に自作の備前焼を送ったことがある。
MLB移籍後の愛称は「yama」「yoshi」。後者については某でっていうの印象が現地でも強いためか、しばしばヨッシーの画像がSNS等で用いられる。また、英語圏でトが発音しづらいせいか「ヤマモロ」と発音されることも。
身長は178 ㎝と日本人としては高めなのだが、MLBでは当然小柄な部類。日本人トリオの大谷・佐々木も身長190代のため、集合写真では背伸びをしたり持ち上げられたりが後述の子ライオン感を彷彿させる。
渾身の一投の後に咆哮することがあるが、2024年のワールドシリーズ中に大谷翔平がインスタグラムで子ライオンの画像と山本の画像を並べて投稿。その後Ｔシャツが発売されたり、同僚のグラスナウもアフリカ旅行で欠伸するライオンにyoshi nobu_yama motoと添えるなど山本由伸＝子ライオンのイメージが定着。なお、当の大谷は山本が2025年のワールドシリーズ MVPに輝くと大人ライオンの画像を投稿した。
気心の知れた同僚相手には時折畜生発言が飛び出ることもあるが、基本的には温厚で謙虚な人物であり、オリックス時代に鍛えられたせいか野手のエラーや中継ぎの炎上に対して負の感情を露わにすることはほぼない。ましてや大口を叩くこともないタイプなのだが……（後述）

yoshiは言った『負けるという選択肢はない』（そんなこと言ったっけ…？）

ポストを読み込み中です
 https://twitter.com/Dodgers/status/1978209882491822170

その投手力のためか、負ければ敗退の背水の陣に立たされることが日本時代からよくあり、「負けるわけにはいかないので」という発言は度々していた。しかし、2025年のワールドシリーズ2戦目前日の会見でのその発言が「Losi ng isn't an option（負けるという選択肢はない）」とストロング翻訳された。

日本人の感覚からすると、かなり自信に満ち溢れた言い回しだが、子獅子奮迅の活躍で有言実行ならぬ無言実行で完投勝利。さらにはやたら手の早い公式が即座にTシャツ化、同僚のキケ・ヘルナンデスも早速それを着て会見に出るなど一気にミーム化。

その後、監督や解説者等の発言を一部引用したり海外ファンの発言を拾ったりで「ブルペンのドアを施錠しておけ」など本人が言っていない台詞を並べる、あるいは本人の発言をドラマっぽい言い回しに再翻訳するといった遊びがSNSに広まった。実際捏造された発言に釣り合うだけの活躍はしたが。

ちなみにこのその年のドジャースWS連覇記念イベントにて、本人が「You know what？　Losi ng isn’t an option」と引用したことで、目出度く"言ったセリフ"へとシフトした。

なお、その前年にも監督が負ければ敗退の試合(※勝利投手：山本)で「我々は彼が人生をかけて投げる今日の試合に賭ける」と発言したのを受けて、重要な試合では花京院ばりに勝手に山本由伸の人生をかけようとするファンが絶えず、今後もネタに事欠かなそうな男である。どうしてこうなった。

成績

（2025年終了時点）
※青はリーグ最高、赤はリーグワースト。

年度別投手成績

年度 Yr	球団 Tm	登板 G	先発 GS	完投 CG	完封 SHO	勝利 W	敗戦 L	セ \| ブ SV	ホ \| ルド HLD	勝率 WP	投球回 IP	被安打 H	被本塁打 HR	与四球 BB	与死球 HBP	奪三振 SO	暴投 WP	失点 R	自責点 ER	防御率 ERA
2017年	ｵﾘｯｸｽ	5	5	0	0	1	1	0	0	.500	23.2	32	3	7	1	20	0	14	14	5.32
2018年		54	0	0	0	4	2	1	32	.667	53.0	40	4	16	2	46	2	19	17	2.89
2019年		20	20	1	1	8	6	0	0	.571	143.0	101	8	36	3	127	3	37	31	1.95
2020年		18	18	1	0	8	4	0	0	.667	126.2	82	6	37	6	149	1	34	31	2.20
2021年		26	26	6	4	18	5	0	0	.783	193.2	124	7	40	2	206	3	37	30	1.39
2022年		26	26	4	2	15	5	0	0	.750	193.0	137	6	42	5	205	0	42	36	1.68
2023年		23	23	2	1	16	6	0	0	.727	164.0	117	2	28	6	169	0	27	22	1.21
2024年	LAD	18	18	0	0	7	2	0	0	.778	90.0	78	7	22	1	105	2	32	30	3.00
2025年	LAD	30	30	0	0	12	8	0	0	.600	173.2	113	14	59	3	201	5	53	48	2.49
NPB：7年		172	118	14	8	70	29	1	32	.707	897.0	633	36	206	25	922	10	210	181	1.82
MLB：2年		48	48	0	0	19	10	0	0	.655	263.2	191	21	81	4	306	7	85	78	2.66

国際大会での投手成績

年度	代表	大会	登板	先発	勝利	投球回	被安打	与四球	与死球	奪三振	暴投	失点	自責点	防御率
2019年	日本	ﾌﾟﾚﾐｱ12	5	0	0	5.0	5	0	0	6	0	1	1	1.80
2021年		五輪	2	2	0	11.0	7	2	2	18	1	2	2	1.59
2023年		WBC	2	1	1	7.1	4	2	0	12	0	2	2	2.45

タイトル・表彰・その他

タイトル
NPB	最優秀防御率	4回	2019年、2021年-2023年
	最多奪三振	4回	2020年-2023年
	最多勝利	3回	2021年-2023年
	最高勝率	3回	2021年-2023年
表彰
NPB	パシフィック・リーグ MVP	2回	2021年、2022年
	沢村賞	2回	2021年、2022年
	ベストナイン	2回	2021年、2022年
	ゴールデングラブ賞	2回	2021年、2022年
	最優秀バッテリー賞	2回	2021年（若月健矢）、2022年（若月健矢）
	日本シリーズ敢闘選手賞	1回	2021年
	オールスターゲーム敢闘選手賞	2回	2019年第1戦、2021年第1戦
	月間MVP	7回	2020年 9月 2021年 6月、2021年7・8月、2021年 9月、2021年10・11月 2022年 6月、9・10月 2023年9・10月
	セ・パ交流戦 MVP	1回	2021年
	月間最優秀バッテリー賞	6回	2021年 6月（伏見寅威）、8月、9月、10月（若月健矢） 2022年 6月、7月、9月（若月健矢）
五輪	ベストナイン	1回	東京2020（右投手）
その他
NPB	オールスターゲーム出場	5回	2018年、2019年、2021年-2023年
NPB	ノーヒットノーラン	2回	2022年 6月18日、2023年 9月9日
MLB	ピッチャー・オブ・ザ・マンス	2回	2025年 4月、9月
	ワールドシリーズ MVP	1回	2025年
	オールMLBチーム	1回	2025年（ファースト）
	MLBオールスターゲーム選出	1回	2025年