山陽新幹線とは、新大阪駅~博多駅間を結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線である。
概要
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東海道新幹線を延長する形で1972年から1975年にかけて開業した、日本で2番目となる新幹線路線である。経済成長に伴い輸送量が逼迫した東海道本線・山陽本線・鹿児島本線(大阪~博多間)の輸送力増強を目的としている。
2015年3月10日に、博多(本路線全線)開業40周年を迎えた。
また、2015年2月から山陽新幹線(新神戸駅~博多駅)のホーム接近メロディが「ひかりチャイム」の始発・終着駅用に変更されている。
開業時より東海道新幹線と直通運転を行い、また2011年3月からは九州新幹線とも直通運転を実施している。
ただし、東海道新幹線から九州新幹線にまで跨る3線直通列車は営業列車としては存在しない(JR東海の車両は博多総合車両所、JR九州の車両は鳥飼車両基地まで回送で乗り入れる)。
東京から博多までの走行距離は約1,070km(実キロ)、新大阪から鹿児島中央までのそれは約810km(同上)である。
東海道新幹線との境界駅である新大阪駅はJR東海の管轄駅となっており、同駅の配線の構造から山陽新幹線の列車本数には制約が生じている。
東海道新幹線が不通となった時などはサブターミナルさながら、姫路駅がフル活用される。 相互直通運転している東海道新幹線や九州新幹線で大幅な遅れが出た際には利用者救済とダイヤ回復のため、特発が出されることもある。
線形を良くするため、トンネル区間が多い(明かり区間のみの西明石~姫路間を除く)。
そのため、N700系・N700Sで運転される列車は姫路以西にて最高300km/h、700系・500系が同285km/hで運行しているが、姫路以東の新神戸・西明石及び姫路以西の徳山付近では勾配や曲線半径などで速度制限が掛かっている(新大阪~姫路駅東側の市川橋梁付近まで275km/h制限がかかる他、新神戸:220km/h、西明石:270km/h、徳山:170km/h)他、新下関~小倉間(下り)も駅間距離の関係で新下関通過列車でも速度を落としている。なお、東海道新幹線の営業最高速度は2015年3月時点で285km/h。
現在の新大阪駅~博多駅間の最短所要時間は、N700系「のぞみ」の2時間22分(同区間の最短記録は、500系が記録した2時間17分。ただし新神戸駅通過時代のものである)。2017年2月15日にJR西日本が新ATCであるATC-NSの設備更新工事(JR西日本では2010年度に着手)が完了したことから、2017年2月19日の始発列車より使用を開始することとなった。のぞみでは最大6分、こだま(747号岡山発博多行き)に至っては38分の時間短縮が可能となった。なお、山陽新幹線の新ATC更新により、東海道・山陽・九州新幹線で同一制御方式の運転方式となった。
国鉄時代は東海道新幹線と一体的に東京主体のダイヤが組まれるなど、その需要を反映した運行体制が取られたとは言い難い側面があった。
しかしながらその末期に6両編成での「こだま」が運行開始されたのを端緒とし、JR西日本発足後は「ウエストひかり」や「ひかりレールスター」のように独自のサービス・ダイヤを用いた線内完結列車が設定されるようになり、潜在需要を開拓し続けている。
とは言え、今日でも東海道新幹線、更には2011年に開業した九州新幹線との直通列車が主体であり、JR東海やJR九州の影響を大きく受ける路線であることには変わりない。「東海道・山陽新幹線」や「山陽・九州新幹線」と運行系統ごとにセットで呼ばれることもしばしばある。
2017年夏には専用サイトで交通系ICカード(ICOCA・Suicaなど)とクレジットカードを登録することでチケットレスで「山陽新幹線」「東海道新幹線」(博多駅~東京駅間)を利用できるようになる。
山陽新幹線の列車種別
山陽新幹線内で設定されている種別は「のぞみ」・「ひかり」・「こだま」・「みずほ」・「さくら」の5種類である。
このうち「みずほ」と「さくら」はもっぱら九州新幹線への直通列車に用いられ、東海道新幹線直通列車や線内完結の速達列車には「のぞみ」・「ひかり」が用いられている。
「こだま」は東海道新幹線へ直通を行わないが、東海道新幹線同様に線内完結の各駅停車列車の種別となっている。一時は九州新幹線の「つばめ」が新下関駅まで乗り入れていたことがあったが、2013年3月改正で消滅した。
新大阪駅~博多駅間運転の「のぞみ」は一部を除いて「基本停車駅(新神戸・岡山・広島・小倉)+列車によって異なる追加停車駅1駅(姫路・福山・徳山・新山口のうちいずれか1駅)」の停車パターンが基本となっており、どの列車に乗っても新大阪~博多間を約2時間30分で移動できるように設定されている。
九州新幹線開業後、「ひかり」(ウエストひかり→ひかりレールスターを含む)は岡山以西への直通列車の多くが「さくら」に置き換えられた。また「みずほ」は「のぞみ」と同様の料金が適用される速達型列車であり、山陽新幹線内で完結していた「のぞみ」の流れも一部受け継いでいる(600番台の列車号数など)。
2013年3月改正現在、山陽新幹線内で完結する「ひかり」は2.5往復(下り2本、上り3本)のみとなっており、そのうち「ひかりレールスター」は1.5往復(下り1本、上り2本)、残り1往復は700系16両編成による運転となっている。700系16両編成で運転される夜上り1本の「ひかり」以外は通勤列車としての性格が強く停車駅が多めであり、新大阪~博多間に3時間半から4時間を要する「こだま」の補完的存在である。
九州新幹線直通列車では、「さくら」は上述の通り「ひかりレールスター」の流れを組む列車で、「のぞみ」「みずほ」の基本停車駅に加えて福山(上り1本を除く)、更に姫路・徳山・新山口・新下関のいずれか1・2駅に選択停車する。「みずほ」は一部が姫路に停車する他は、停車駅を新神戸・岡山・広島・小倉の4駅と最小限に絞っている。このため山陽新幹線内では「のぞみ」よりも全般的に停車駅が少ない。
「こだま」は日中において岡山~博多間での運行となり、新大阪駅に乗り入れない時間帯が存在する。東海道新幹線から直通する岡山発着の「ひかり」(新大阪~岡山間各駅停車)が当該時間帯の代替列車となる。
路線図
※「ひかり」には「ひかりレールスター」を含む。乗車前には停車駅の確認を勧める。
※▲の駅には、原則的にのぞみは1駅停車(上り1本を除く)、さくら・ひかりは2駅もしくはそれ以上停車する。ただし朝・夜運転の一部「のぞみ」は2駅停車する場合がある。
動画
- 迷列車で行こうシリーズ(迷派生で行こうシリーズも含む)から
関連コミュニティ
関連項目
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線の使用車両 |
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東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線の列車名 |
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