岩松頼宥（？～？）とは、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した武将である。
概要
岩松氏は畠山氏の祖である足利義純の、新田氏出身の最初の妻との子孫である。畠山重忠の乱の後、鎌倉幕府の判断で重忠の妻と婚姻関係を通して彼の権益を継承するために離縁され、以降新田一門として取り扱われるようになった。当初より完全に独立した御家人であった山名氏、里見氏ほどではないが、新田政義の失策後、世良田氏とともに半分の惣領として新田氏を取りまとめる役割を与えられるほど、厚遇されていたようだ。
と、まあこういう経緯から山名氏、里見氏、世良田氏同様、鎌倉攻めで新田義貞の権勢が高まり、新田一門が独立化していく流れの中でもほとんど足利尊氏に付き従っていった。
岩松頼宥は岩松政家の五男であったが、庶長子の岩松義正は唯一新田義貞に従い金ヶ崎城で戦死、嫡子だった岩松経家は討幕の功績などで飛騨守護や関東廂番を務めたが、中先代の乱の際渋川義季らとともに戦死、といった具合で南北朝時代には彼の活躍が極めて目立つのである。
彼の初見は、足利尊氏の建武政権離反後、新田義貞軍との戦いで尊氏軍の武将として登場するものである。その後九州落ちには従わず、近江に退き再上洛に備えていた。そしてその時が来た際には岩松経家の子息・岩松直国とともに坂本の戦いなどで活躍していった。1338年には伊予の南朝方討伐に向かい、伊予の守護に一時的に在任した。
やがて伊予守護を細川頼有と変わると、観応の擾乱で足利尊氏派についたため、尊氏派の武将として備後守護についた。備後は山内首藤氏の分裂が激しく混乱していたため、彼がその対策を依頼されたようだ。やがて任務を完了するとこちらでも細川頼有と役職を変わり、以後新田荘内に岩松氏嫡流とは別に所領を与えられ、晩年を過ごしたようである。
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