岸辺露伴(きしべ ろはん)とは、
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第4部「ダイヤモンドは砕けない」の登場人物である。
愛称は露伴先生、露伴ちゃん。
第4部終了後も、番外編や外伝などで語り部役を務める事が多い。
CV:神谷浩史(ASB版・EoH版) / 櫻井孝宏(テレビアニメ版)
演:高橋一生(実写ドラマ版・実写映画版) / 長尾謙杜(実写映画版・青年時代)
概要
杜王町に住むスタンド使いの漫画家。
1979年生まれ、第4部時点で20歳独身、B型。
人間嫌いでプライドが高い。
16歳の時から『ピンクダークの少年』を連載中。
尊敬していると本音ではないが読者向けに言っている漫画家は「こせきこうじ」。
人付き合いが嫌いであるためアシスタントやスタッフは雇っていないが、その超絶漫画作成能力(コマ線・効果線は一瞬で素早く正確に描く、ペンの一振りで飛ばした墨汁でベタ塗りを完璧に仕上げるなど)により、19ページを4日で仕上げることができる。この自重しない性格のおかげで当初は東方仗助らと交戦したが、漫画への情熱が凄まじいだけであり悪人というわけではなく、事件以降は康一や仗助らと協力する場面も多かった。
漫画は、金や名声のためではなく「読んでもらうため」に書いている。そのためにリアリティのある題材を常に求めており、そのためにはどこへだって行くし、どんな無茶も平然とやる。事実、作中での彼の行動原理の根幹には「漫画を描く」事が前提として存在したため、おそらく世界が滅亡しようとも命ある限り、彼は漫画を描き続けるだろう。
この岸辺露伴が金やちやほやされるためにマンガを描いてると思っていたのかァ―――――ッ!!
略歴
- 1979年、S市生まれ。
- 4歳のころ、隣の杉本家に預けられている際に、杉本一家殺人事件に巻き込まれる。
露伴は杉本鈴美に逃がされ無事だった。 - 東京に引っ越す。
- 16歳で、漫画家デビュー。
- 20歳のころ、杜王町に引っ越す。このとき虹村形兆により「矢」を刺され、スタンド能力が開花。
- 広瀬康一たちと出会う。
- オニグモの味見をする。
- 道に迷う。
- 吉良吉影探しを開始。
- 大柳賢とジャンケン勝負をする。透明な赤ん坊(静・ジョースター)の力を借りて逆転勝ち。
- 仗助とチンチロリンをし、自分で小指に大怪我をしたが治される。
- 家が火事に遭う。
- ハイウェイ・スターの申し出を断る。(→だが断る)
- 家の改修の見積もりを頼むが、むしろ背中が見たくなる。
- 2度死ぬ。しかし川尻早人の活躍で死んだことにならなくなる。
- 事情でイタリアを旅する康一君にイタリア語を習得させる。
- イタリア旅行を兼ねた取材で、懺悔室の入り口を間違う。
- 『岸辺露伴は動かない -六壁坂-』にて、取材中の妖怪の保護のためにリゾート道路計画のあった山を6つ買い占め、計画を潰す。 結果、計画が潰れたことで値崩れした山を抱えて破産、広瀬康一の家に居候することとなる。
- 時が加速した世界であっても、ペン先のインクが乾くより先に原稿を完成させ、締め切りに間に合わせる。
- ~杜王新報 特別版より~ 2012年、もりおうメディアテークにて「ピンクダークの少年 岸辺露伴の追憶展」を開催。会場限定のノートやボールペン、フィギュアなどを販売。入場料3000円。10面から11面で、仙台市出身の漫画家・荒木飛呂彦氏と対談。荒木「露伴先生も早く結婚しましょうよ」露伴「うぐぅ!……」 などのやりとりを見せた。
わたしの能力『ヘブンズ・ドアー(天国の扉)』によって…
心の扉は開かれる!
- ヘブンズ・ドアー(天国への扉)
【破壊力:D / スピード:B / 射程距離:B(絵が見える範囲?) / 持続力:B / 精密動作性:C / 成長性:A】 - 露伴のスタンド。人を書籍化し、その記憶を読むことができる。本になった対象は、その生まれてから現在までの人生にまつわる全ての記憶が嘘偽り無く正確に書かれており、他人に知られたくない恥ずかしい記憶までも網羅されている(ただし露伴は専ら「漫画の題材を研究するために記憶を読む」だけで、読んだ記憶の内容を他言したりはしていないが)。例外として、本人が誤認していたり自覚が無いものに関しては、書かれた情報が正確ではない場合もある。
本にされた相手は行動を制限され、また本のページを破り取られると破られた部分の記憶を失い、さらに体重も激減してしまう。ただし書籍化自体は肉体や生命への危険は無く、露伴の意思で任意の解除が可能で、ページを破った場合も任意で元に戻せる。
また書籍化した人に条件や命令を書き込めば、書いた通りにその相手を支配することができる。スタンドによる支配力は凄まじく、頭でどれほど命令を拒否しようとも逆らえない。例えば『岸辺露伴を攻撃できない。』と書き込めば、書かれた相手はいかなる手段をもっても露伴に対して(肉体的にも精神的にも)危害を加える事は絶対にできなくなる。また『時速70km/hで背後へ吹っ飛ぶ』と命令を書けばその通りの速度で身体が吹き飛んでいくなど、肉体的に実行不可能な命令もある程度は可能のようだ。また「焼身自殺します」「スタンドがボロボロになる」という命令を書き込んだ(書き込もうとした)描写からすると、露伴がその気になればスタンドをデスノートやギアスのように運用することも可能になるらしい。
発動条件は露伴の成長とともに変わっており、最初はスタンドのビジョンが存在せず生原稿を相手に見せる事で発動していたが、ストーリーの進行と共に空中に描いた絵から発動できるようになったり、最終的にはスタンドのビジョンが発現したことで、スタンドによる攻撃で発動するようになった。スタンドの外見はピンクダークの少年の主人公らしき少年に似ている。
基本的には人間に対して行使する能力だが、人間並みにある程度知能を持った対象であれば人間以外の動物や幽霊、スタンドに対して能力を発動する事も可能。
主人公やボスのようなキャラでもないのにスタンドが大きく成長した珍しいケースでもある(他に第4部でスタンドの成長が描かれた登場人物は広瀬康一と吉良吉影のみ)。第5部に登場するチョコラータのように、好奇心が並外れて強い人物である故だろうか。
絵柄の変化もあると思われるが、後年の作品ではまたスタンドのビジョンが変化している。もしかしたら連載中の『ピンクダークの少年』にあわせて変化しているのかもしれない。
ちなみに書籍化した相手が死ぬ寸前の場合は、本に書かれている当人の記憶がどんどん消えていき、全ての文字が消滅すると、その人物は死亡する。また死人を本にしても『死』の文字がビッシリと書かれているのみで、その人物の生前の記憶を読むことはできない。
名前の元ネタははアメリカのフォークシンガー『ボブ・ディラン』の楽曲「Knockin' On Heaven's Door」。
時折『ヘヴンズ・ドアー』と表記されたり、『ヘブンズドアー』と『・』が抜けている場合もあるが、いずれも誤り。
スタンド能力に関するいくつかの考察
戦闘のみならず実生活でもあらゆる用法を見出せる万能スタンド能力だけに、ファンの間でも他のキャラクターやスタンド以上に様々な使い方やスタンドバトルに関する議論がなされる事が多い。
以下に、いくつかを記述。
- 外国人を本にしたら、本の中は海外の言葉(当人の出身国の言語)で書かれているのか?
→例えばジョセフを本にしたら記憶は英語で、トニオさんを本にしたら記憶はイタリア語で書かれているのか?
- 肉体を操ることはできても、精神を操る事までも可能なのか?
→山岸由花子に「康一くんを一生嫌いになる」と書いたらそれは効くか?多分そのページを自力で破り捨てられる。 - ヘブンズ・ドアーの命令は、具体的にどこまで従わせることが可能か?
→「時速70km/hで吹っ飛ぶ」と書き込んだらその通りの速度で吹っ飛んでいったが、では「マッハ2で吹き飛ぶ」と書いても同じように吹き飛んでいくのだろうか?同様に、「スタンドがボロボロになる」と書いたように「肉体がボロボロに朽ちる」と書いたらその通りになるのか? - トーキング・ヘッド(が取り付いた人物)に『嘘をつけない(本当の事しか喋れない)』と命令を書いたらどちらが勝つ?
→ヘブンズドアーの能力によって本当の事を喋ろうとするが、言葉を発する際にトーキング・ヘッドが言葉を嘘の内容へ変換してしまう。ただし「嘘をつけない」という命令には絶対に逆らえないのでジレンマに陥った結果、恐らくは『一言も喋れなくなる』可能性が大きい。 - 露伴の書いた絵が見れないであろう、盲目の相手にもスタンドは有効?
→原稿が必要だった時点では、髪型を貶され激昂していた仗助の瞳に映したが効かなかった。億泰曰く「怒りで見えてない」状態だった為のようで、「単純に目に入っただけ」だと無効になる場合があるので、そもそも絵を見せることができない盲目の相手には効かないと思われる。
余談
地方出身の漫画家、連載している『ピンクダークの少年』の内容等、作者の荒木飛呂彦をモデルとした部分が多いキャラクターである(4部の杜王町自体も、作者の出身地近辺をモデルとしている)。
実際のジャンプ新人賞などで「岸辺露伴(もちろん中の人は荒木先生)」が審査員を務めたり、番外編などに「原作:岸辺露伴、作画:荒木飛呂彦」とクレジットされる作品が少なからず出版されたりしている。
このため、中の人である荒木先生は、初見の人から「岸辺露伴のようなエキセントリックな人物なのだろう」というあらぬ誤解を受けてしまい、初対面でも身構えられてしまう事が多くなってしまったそうである。もちろんそんなことはないので安心してほしい。
また、エキセントリックな漫画家のキャラクターという事もあり読者からは「岸部露伴とは、作者・荒木飛呂彦の移し身たるキャラクターなのか?」と言われる事もあるが、これに対して荒木は「自分の中の漫画家の理想像を投影しているキャラクターであって、自分を投影したわけではない」とも断っている。
もっともヘブンズ・ドアーの能力によって対面者がこのような認識に書き換えられている可能性は否定できないが。
NHKドラマ「岸辺露伴は動かない」
「一応『マナー』として教えてやろう。これは、僕に備わった『能力』だ。
人の心や記憶を『本』にして読むことができる。
天からのギフトというしかないが、僕はこう呼んでる。『ヘブンズ・ドアー』」
NHKドラマ「岸辺露伴は動かない」では「集明社のジャンボ」にマンガを投稿している漫画家として描かれており、第1話「富豪村」冒頭では「ピンクダークの少年」の第8部が連載開始されたばかりであることが本人の口より明かされている。
そして彼の編集担当となった泉京香と凸凹なバディ(?)を組み、様々な怪異と遭遇することとなる。
本作において「ヘブンズ・ドアー」は「スタンド」と呼ばれず、代わりに「天からのギフト」という言い回しで表現されている。また、「スタンド使い以外はスタンドが見えない」というものを反映しているのか、ドラマ作中ではヘブンズ・ドアーの像(ヴィジョン)は表現されていない。
そのため露伴が「ヘブンズ・ドアー!」と名前を呼ぶだけで相手を本に変えている(ように見えている)。
一方で「富豪村」冒頭では、押し入ってきた泥棒たちに「ピンクダークの少年」の原稿を見せているという、能力の初期を彷彿とさせる演出も…。
ヘブンズ・ドアーで本にされた際、本の表現は人によって異なるようにされている他、
(泉京華は「ファッション雑誌」、一究は「古文形式」、志士十五は「書きなぐり式の大学ノート」等)
第3話「D・N・A」では能力で対象の人物を本そのものに変化させてしまった。
これにはエニグマの少年もビックリ。
流石は原作で成長性:Aとされていた能力…といったところか。
また、心肺停止に陥った状態や死に瀕している人物を読もうとした場合、黒く塗りつぶされたページが「死」として表現されるようになっており…。
ドラマ第二弾に当たる「第4話 ザ・ラン」「第5話 背中の正面」「第6話 六壁坂」では、
ある目的のために山を買い占めて破産し、家を売ってしまったことを京香に話すところから始まる。
家は一ヶ月後に引き取られる予定だが、その際に京香を通じて原稿料を前借りしようとするが…。
関連動画
関連イラスト
関連コミュニティ
関連項目
- ジョジョの奇妙な冒険
- ダイヤモンドは砕けない
- 漫画家
- 杉本鈴美
- 味もみておこう
- この岸辺露伴が金やちやほやされるためにマンガを描いてると思っていたのかァーッ!!
- いいかい!もっとも『むずかしい事』は!『自分を乗り越える事』さ!
- だが断る!だが断る
- トニオ・トラサルディー / だから気に入った
- 広瀬康一
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- あほの億泰虹村億泰
- プッツン由花子山岸由花子
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- 間田敏和
- 死刑執行中脱獄進行中
- 岸辺露伴は動かない
- 岸辺露伴 ルーヴルへ行く
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