巡音ルカ(めぐりね るか)とは、2009年1月30日にクリプトン・フューチャー・メディアから発売された、音声合成・デスクトップミュージック(DTM)ソフトウェアの製品名、およびキャラクターとしての名称。
「初音ミク」「鏡音リン・レン」に続くVOCALOID2キャラクター・ボーカル・シリーズ第3弾である。
概要
英語と日本語の2つのライブラリを持つ初のバイリンガルVOCALOID。サンプリングボイスの担当は、声優の浅川悠(アーツビジョン所属)。なお、浅川悠を起用した日英バイリンガルVOCALOIDの制作は初音ミクの考案前から検討されていたという。
価格は「初音ミク」「鏡音リン・レン」と同様にオープンプライス(税込市場予想価格¥15,750前後)。2009年1月6日13時ごろから各所で予約が開始された。
名前の由来は、
「(より広い世界で)音が巡り、歌が流れる、伝達する」といった意味性の連結で、ルカの「ル」は"流れ"を意味します。「カ」は"歌"、"香り"など空気中を流れ伝わる現象を指し示します。
とのことで、デザインとともに『広い世界(異文化間)を巡る音、空気感』、『空気の通り道(管)』、『空間を移動/反射する音や、香りの印象』がテーマになっている。
元々は2008年中の発売が予定されていたが、2008年12月5日にクリプトン公式ブログで2009年1月以降への延期が発表される。年明けの2009年1月5日に「巡」というキーワードと声優・浅川悠の起用が発表され、翌1月6日、名称・デザイン・発売日などが正式に公開になった。
そして2014年11年20日、ついに待望の新バージョン「巡音ルカV4X」の大々的な情報公開があり、6年越しのバージョンアップを迎えることとなる。なおリリースは2015年2月下旬になる。
デザイン
物理モデリング・シンセサイザーにインスパイアされたコスチュームに加え、前述のテーマに基づいて、人間の歌声と同じく喉を通る息を使う楽器である楽器「笛」「木管楽器/金管楽器」の要素も採り入れられたキャラクターデザイン。公式で巨乳。
その他パーツごとの詳しいデザインコンセプトなどは、公式発表を参照。髪の色からアクセサリまで、ひとつひとつ意味が込められている。
イラストは「初音ミク」「鏡音リン・レン」のデザインを手がけたKEIによる立ち絵が公開されている。
公式設定・性能
※得意なテンポ/音域は目安であり、実際は非常に広い範囲で歌える
声質のコンセプトは「ムーディーかつハスキーな女声」。日本語と英語の2つの音声データベースを搭載し、日本語に英語が交じる現代的なポップスを流暢にこなすのは勿論、ワールドワイドな音楽にも対応、とのこと。
音域や調声次第で声の雰囲気を大きく変えることができ、それによって様々な曲風に対応。Pごと、曲ごとでその違いが顕著に見て取れる。
特性
- 英語版ライブラリは、極めて速いパッセージでも発音が破綻せず、綺麗に歌い上げる。VOCALOID2系では最も完成度が高い。
- 日本語の滑舌も良好。その一方で、一部の音節の繋がりが悪いなど、微妙に鏡音リンACT.1に似た癖も見られるようだ。
- がくっぽいどと同様、無調声でも下手な人が歌ってるように聞こえる。音量やピッチのばらつきは、初音ミクと違い、自然に聞こえるよう、多少の味付けがされている。
- 「七色の声」と言われるように、GENパラメータで大きく声の質が変わる。また使えるGENの範囲が広い。8~16ではたこルカや幼女声、16~64では少女声だが、パラメータによる質の変化が非常に激しい。64~80では大人の女性。96付近では少年声。100以上では、新宿2丁目方面に近づきつつ高音から緩やかに破綻してゆく。
- 得意でない音域ではやや音量の低下などが見られるものの、声の質に崩れは見られない。超高音に振ると、悲鳴とも口笛とも聞こえる音を出す。
発売開始当時は、クリプトン社製VOCALOID2の中で最も調声上のクセが少なく、扱いやすいライブラリだった。
2011年現在はミク・リン・レンのAppendや、猫村いろは、VY1の様に、より使い勝手の良いライブラリが登場しているが、デフォルトの特性のあり方に一石を投じたライブラリと言えるだろう。
(一方で、メグッポイドの様に歌い方のクセを残しつつ使える音域を広げて、結果として使いやすいライブラリになっている例もあり、この辺は色々興味深い。)
持ち物戦争について
デザインとキャラクター名称の正式発表直後から、2ちゃんねるのVOCALOID関連スレ、関連動画のコメント、この記事の掲示板、ピアプロ、pixivなどの各所でルカの「持ち物」に関する論争が本格的に始まった。
発売前からとにかく「踊らにゃソンソン」とばかり祭り状態になり、食べ物・武器・動植物などから実在の人物にいたるまで、数多くの候補が乱立。ヒートアップしすぎて持ち物論争に関心のない人たちを辟易させるほどだった。詳しくは当記事の掲示板などを参照されたい(→持ち物候補まとめ VOCALOID本スレからのコピペ)。「持ち物戦争」の記事も参照。
いくつか有力な候補は出ているが、鏡音リン・レンの前例を鑑みるに、たった1つの動画やイラストなどによって全てがひっくり返る可能性もまた否めない。特定のどれかが定着するのか、意外なダークホースが登場するのか、それともこの論争の存在すら黒歴史化するのか、現時点ではまだ誰にもわからない。
論争に疲れの見えた2009年2月初頭、たこルカさんの衝撃的な登場にほとんど全てを持ってゆかれ、持ち物戦争は急速に収束した。100の支援レスより1本の支援動画、100本の狙った支援動画より1本の天然モノのよくできた動画がニコニコでは強いということであろう。
関連動画
ニコニコにおける「巡音ルカ」の声が用いられた最古の動画。この動画では英語DBのみを用いてるようだ。
正式発売日2日前に子猫Pによって投稿された、初の巡音ルカオリジナル曲。ベタ打ちながらその可能性を感じさせる。右はその調整版。
発売日当日の2009年1月30日には数多くのジェバンニ動画が投稿され、まさしく「ルカ祭り」と化した。左は1月31日23時までを対象とした巡音ルカランキング。週刊VOCALOIDランキングにはなんと30曲中20曲のルカ曲がランクインを果たした。
上は投稿翌日に早くもVOCALOID殿堂入りを果たした2作品。その後週末から週明けにかけてさらに2作品が殿堂入り。
描いてみた
踊ってみた+α
関連静画
関連立体
関連商品
関連コミュニティ
関連タグ
→「巡音ルカ専用タグ一覧」
「VOCALOID関連のタグ一覧」も参照。
関連項目
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関連リンク
脚注
- *音域が似ているためか、「似ている」と言われる
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E5%B7%A1%E9%9F%B3%E3%83%AB%E3%82%AB




読み:メグリネルカ
初版作成日: 09/01/06 12:36 ◆ 最終更新日: 16/01/16 00:19
編集内容についての説明/コメント: 「関連静画」と「関連立体」の節を新設し、静画にim1291593とim754952を、立体にtd21014を掲載しました。
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