巡音ルカとは、クリプトン・フューチャー・メディアのバーチャルシンガー、音声合成ソフトである。
概要
ピアプロキャラクターズの女性バーチャルシンガー。英語と日本語のバイリンガル。
初音ミク、鏡音リン・レンに続くキャラクター・ボーカル・シリーズの第3弾として発売。設定年齢はCVシリーズの中で最年長の20歳で、大人びた雰囲気・佇まいを思わせるキャラとなっている。
CGM発の主なイメージアイテムは「マグロ」「たこ」「たこルカ」など魚介類で固められている(たこルカは彼女の派生キャラクターでもある)。
クリプトン社の公式企画ではミク、またはMEIKO、KAITOとセットで扱われる事が多く、前者は「ネギトロ」、後者は「年長組」「大人組」とファンから呼ばれる(※MEIKOとKAITOは年齢未設定)。
バーチャルシンガーソフトウェア
- 巡音ルカ(V2)
- 2009年1月30日に発売。2009年1月6日13時ごろから各所で予約が開始された。元々は2008年中の発売が予定されていたが、2008年12月5日にクリプトン公式ブログで2009年1月以降への延期が発表される。年明けの2009年1月5日に「巡」というキーワードと声優・浅川悠の起用が発表され、翌1月6日、名称・デザイン・発売日などが正式に公開になった。
浅川を起用した日英バイリンガルのソフトはミクよりも前から企画が検討されていたが、当時は浅川が国外にいたこともあってスケジュールが折り合わず、発売はミクとリン・レンよりも後になった。 - 巡音ルカV4X
- VOCALOID4エンジン対応ソフト。2014年11年20日に公開され、2015年3月19日にリリース。
クリプトン社の独自技術である「E.V.E.C.」を初搭載したソフトで、ライブラリ側での微細な調整も効くようになっている。 - ピアプロキャラクターズ・スーパーパック
- 初音ミク、鏡音リン・レン、巡音ルカ、MEIKO、KAITOの6名合同ソフト。V3・V4のOriginal相当の音源をチューンナップしたもの。「SP」とも略される。
2024年8月1日に「初音ミク NT Ver.2」「初音ミク V6 AI」と同時発表され、同年8月30日に発売。佐々木渉(wat)いわく、某ゲーム(プロセカと思われる)などで6名で歌う機会が増えていることもあって思い至ったという。過去作とのクロスシンセシスも想定されている。
クリプトン社の今後の展開として、初音ミクで先に行ったことを“横”に広げていくという。NT Ver.2とV6でAIを採用しており、「AIによる自然な調声の利便性」「音質の向上」「キャラクターの“らしさ”は守りたい」といった課題を挙げている。
デザイン
物理モデリング・シンセサイザーにインスパイアされたコスチュームに加え、前述のテーマに基づいて、人間の歌声と同じく喉を通る息を使う楽器である楽器「笛」「木管楽器/金管楽器」の要素も採り入れられたキャラクターデザイン。公式で巨乳。
その他パーツごとの詳しいデザインコンセプトなどは、公式発表を参照。髪の色からアクセサリまで、ひとつひとつ意味が込められている。
イラストは「初音ミク」「鏡音リン・レン」のデザインを手がけたKEIによる立ち絵が公開されている。
公式設定・性能
声質のコンセプトは「ムーディーかつハスキーな女声」。日本語と英語の2つの音声データベースを搭載し、日本語に英語が交じる現代的なポップスを流暢にこなすのは勿論、ワールドワイドな音楽にも対応、とのこと。
音域や調声次第で声の雰囲気を大きく変えることができ、それによって様々な曲風に対応。Pごと、曲ごとでその違いが顕著に見て取れる。
名前の由来は、
「(より広い世界で)音が巡り、歌が流れる、伝達する」といった意味性の連結で、ルカの「ル」は"流れ"を意味します。「カ」は"歌"、"香り"など空気中を流れ伝わる現象を指し示します。
とのことで、デザインとともに『広い世界(異文化間)を巡る音、空気感』、『空気の通り道(管)』、『空間を移動/反射する音や、香りの印象』がテーマになっている。
特性
- 英語版ライブラリは、極めて速いパッセージでも発音が破綻せず、綺麗に歌い上げる。V2系では最も完成度が高い。
- 日本語の滑舌も良好。その一方で、一部の音節の繋がりが悪いなど、微妙に鏡音リンACT.1に似た癖も見られるようだ。
- 無調声でも下手な人が歌ってるように聞こえる。音量やピッチのばらつきは、初音ミクと違い、自然に聞こえるよう、多少の味付けがされている。
- 「七色の声」と言われるように、GENパラメータで大きく声の質が変わる。また使えるGENの範囲が広い。8~16ではたこルカや幼女声、16~64では少女声だが、パラメータによる質の変化が非常に激しい。64~80では大人の女性。96付近では少年声。100以上では、新宿2丁目方面に近づきつつ高音から緩やかに破綻してゆく。
- 得意でない音域ではやや音量の低下などが見られるものの、声の質に崩れは見られない。超高音に振ると、悲鳴とも口笛とも聞こえる音を出す。
持ち物について
2023年現在、ルカ本人は「マグロ」「タコ(もしくはたこルカ)」をイメージアイテムつまり持ち物とすることが多い。
その一方で初音ミクの「ネギ」のような確たる物は存在しない。
ルカの持ち物論争は、他のキャラと比較しても混沌とした様相を極めた。
デザインとキャラ名の発表直後、2ちゃんねる(当時)のVOCALOID関連スレやニコニコ動画、この記事の掲示板、ピアプロ、pixivなどの各所でルカの持ち物に関する論争が本格的に始まった。
発売前からとにかく「踊らにゃソンソン」とばかりの祭り状態になり、食べ物・武器・動植物などから実在の人物にいたるまで、数多くの候補が乱立。ヒートアップしすぎて持ち物論争に関心のない人たちを辟易させるほどだった。詳しくは当記事の掲示板などを参照されたい(→持ち物候補まとめ VOCALOID本スレからのコピペ)。「持ち物戦争」の記事も参照。
論争に疲れの見えた2009年2月初頭、たこルカさんの衝撃的な登場にほとんど全てを持ってゆかれ、持ち物戦争は急速に収束した。100の支援レスより1本の支援動画、100本の狙った支援動画より1本の天然モノのよくできた動画がニコニコでは強いということであろう。
既に述べた通り、2022年現時点では「マグロ」「たこルカ」が根強く生き残っており、商品化されるまでに至っている。この2つはゲーム「初音ミク -Project DIVA-」シリーズでもモジュールとして参戦しているため、結局はイメージが収束したといったところだろうか。
しかし、鏡音リン・レンの前例を鑑みるにたった1つの動画やイラスト、商業企画などによって全てがひっくり返る可能性もまた否めない。特定のどれかが定着するのか、意外なダークホースが登場するのか、それともこの論争の存在すら黒歴史化するのか、まだ誰にもわからない。
関連動画
ニコニコにおける「巡音ルカ」の声が用いられた最古の動画。この動画では英語DBのみを用いてるようだ。
正式発売日2日前に子猫Pによって投稿された、初の巡音ルカオリジナル曲。ベタ打ちながらその可能性を感じさせる。右はその調整版。
発売日当日の2009年1月30日には数多くのジェバンニ動画が投稿され、まさしく「ルカ祭り」と化した。左は1月31日23時までを対象とした巡音ルカランキング。週刊VOCALOIDランキングにはなんと30曲中20曲のルカ曲がランクインを果たした。
上は投稿翌日に早くもVOCALOID殿堂入りを果たした2作品。その後週末から週明けにかけてさらに2作品が殿堂入り。
描いてみた
踊ってみた+α
関連静画
関連立体
関連タグ
→「巡音ルカ専用タグ一覧」
「VOCALOID関連のタグ一覧」も参照。
関連リンク
関連項目
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脚注
- *音域が似ているためか、「似ている」と言われる
親記事
子記事
兄弟記事
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