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工作(ランキング)とは、ニコニコ動画上の特定動画に表示される再生数・コメント数・マイリスト数のいずれかを不正に大量増加させる行為のことである。
元来は「工作」「工作動画」というと純粋な図工を扱った動画(電子工作、ワクワクさん、ニコニコ技術部etc...)に付加されるタグであったが、「工作」がニコニコ動画において「ランキング操作」の意味で使われだすようになってからはマイナスイメージの単語として認識されるようになり、タグとして積極的に利用されることは無くなった。
特に断りがなければ2008年7月31日以前の旧ランキング形式における工作についての記述です。2008年8月1日以降のランキング形式における工作については#ランキング仕様変更に伴う工作の影響#の項目(主に考察)を参照して下さい。
由来
ニコニコ動画のランキング工作疑惑が指摘され始めたのは2007年6月頃からであり、当時は不正操作、八百長、捏造、偽装工作などと呼ばれていた。これらの行為が工作という言葉で定着したのは、2007年7月1日YouTube板にスレッド「ニコニコマイリストのランキング工作動画について」が立ったことがきっかけである。
概要
狭義の「工作」は一人または少人数で実行者の人数分以上、大量に再生数・コメント数・マイリスト登録数を増やす行為のことであり、組織票は含まない。組織票は例えば、多人数が掲示板やSNSなど共通ジャンルのコミュニティ内にて積極的に、または要請を受けて、午前5時を待ち特定の動画に一斉にマイリスト登録した場合などである。しかし、工作と組織票はランキングの見た目からは区別がつかないため、工作に関する議論では組織票もしばしば工作と同様に扱われ「多数派による支援という名の工作」と揶揄される。
工作の歴史は古く、β時代にはすでに存在していたと見られる。βからγ初期においては工作対策が不十分だったが、現在では運営の対策によって単純な方法では工作できないように改善されている。現在、工作員は多数のアカウント(副垢、複垢などと呼ばれる)とIPアドレス変更を駆使して工作を行っている。
工作の問題点
- ごく少数のユーザーの嗜好次第で、大多数の他ユーザーを無視した恣意的な流行造り・印象操作が横行する
- 工作された動画が上位を寡占することで枠が減り、本来ランキング下位に載れたはずの動画が圏外へ消える
- ※「埋もれ良動画発掘」「ランキングの入れ替え」などの甘言を謳いつつも、逆にランキング変動の停滞を招く
- 工作認定を傘に着た愉快犯による、動画荒らしを正当化しようとする口実になる
- 意図的に他者に不快感をもたらすことを目的とした動画およびサムネイルによるランキング荒らしが起こる
といった具合である。一応※の3番目は「工作」行為の唯一の利点ともなりうる側面を持ち、後述する戀塚氏の見解にもあるように、その一定の効果については運営からも黙認されている節がある。しかしこの僅かな利点に対して同時発生する問題点があまりに多すぎ、特に4番目の「工作認定」と、後述の「逆工作」がユーザーにとっても運営にとっても無視できない域に達したため、2008年8月1日のランキング仕様変更へと事態は動いたのであった。
朝のマイリスト工作
マイリストランキング上位に位置する動画は非常に目立ち、動画自体の魅力が十分であれば継続的に工作を行わなくとも人気動画になっていく(地形効果と呼ばれる)。このため午前6時付けの本日マイリストランキングで上位に介入することを目的し朝・午前5時からのマイリスト工作が毎日のように行われていた。既に工作は朝の風物詩として定着した感があるが、工作によるランキング操作が周知された影響で、工作が疑われる動画や人気が高いが気に入らない動画に「工作乙」等とコメントを残して荒らす「工作認定荒らし」も問題視されている。
マイリスト工作の問題については、マイリスト登録数を増やすかどうかの判定を行う際に同一アカウントの他にマイリストを参照していないのが根本的な原因の一つだが、これを改善するとなるとマイリスト登録時にデータベース負荷が大幅に増える問題が生じる[要出典] [1]ため、対策は難しいと考えられている。
2008年8月現在のランキング仕様では、デイリーランキングの更新は1日1回であるため、早朝工作の意味はなくなった。(詳しくは別項で記述)
よく工作された動画
旧ランキング形式における統計(工作認定参照)を見ると、一日のマイリスト率[2]が20%程度の動画でさえ極めて稀にしか現れない。マイリスト率50%を超えるような動画は統計学的に見ても不自然であり、工作動画(組織票含む)であるとほぼ確実に判断できた。しかしこの意見に対し、絶対的アウト基準とされるマイリスト率100%[3]を超えなければ完全なクロの工作とは断言できないという主張も存在する。
また、いくら工作の疑惑があろうと、実際の動画名を出すことは動画に対する無用な工作認定と荒らしを増長する、実際は無実潔白の動画であっても、気に入らない・荒らしたり削除させたい等の理由から自分で工作して自分で工作認定をした、自作自演の工作である可能性が常に付きまとう、等の危険性が幾度と無く指摘されており、実際の動画一覧を貼っては撤去しての編集合戦が続いていた。
そういった事情からここでは動画投稿者本人が明らさまに自身での工作を自認した動画のみ一部掲載しておく。
逆工作
5時までに予め大量にマイリストを登録しておき、5時から6時までの間に大量解除することで6時付け本日マイリストランキングから当該動画を追い出す「逆工作」(または「マイナス工作」)と呼ばれる手法も存在した。
2008年8月1日のランキング仕様変更により逆工作は事実上不可能となった。
Youtube板における工作の扱いの変遷
工作には、いわゆる「信者」「アンチ」「ただの愉快犯」いずれもが関わっていると考えるのが妥当である。
ランキング工作が疑われだした当初は、「信者」と呼ばれる者がその動画をランキング上位に押し上げ、更なる人気を集めようとする為に行っていた場合が大半と思われる。
これに対しアンチによる工作は経緯が少々複雑である。なんと、アンチでありながらその動画をランキング入りさせようとするのである。
2007年の夏、工作問題に対しニコニコ動画の掲示板、並びに2chのyoutube板に工作問題について議論するスレが立てられた。ところがスレ内で「80垢」についての議論が盛り上がると、「工作問題について広く知ってもらうために、自分たちもあえて工作することで広く問題提起しよう」という考えを持つ者が現れるようになった。
いつしかスレには問題提起の為ではなく愉快犯としての工作員まで集まるようになり、新たに「ニコニコ動画工作支持スレ」が誕生。この頃には「ランキングは工作可能である」ということはユーザーの間では周知の事となっており、ランキングトップが「工作認定荒らし」により連日異様なまでに荒らされる問題が発生。「今日はこの動画を晒し上げて荒らさせようぜ」と申し合わせをする、アンチによる荒らし誘発行動が行われるようになった。
「ニコニコマイリストランキング予想スレ」では、純粋に動画の順位や伸びそうな候補動画を予想したいだけなのに、 スレにURLどころか動画名を出しただけで順工作や逆工作を仕込まれて予想にならないといった事態も発生。ランキングトップになることで工作認定コメントで荒らされ、嫌気が差して荒らされた動画を削除してしまう投稿者まで現れ、複数のアカウントを取得した工作員による活動がさらに加速する事となった。
現在でも「この動画の伸びは異常だ。信者の工作だ」「いや、アンチの仕業だ」という水掛け論は続いている。
ランキング仕様変更に伴う工作の影響
2008年8月1日、毎時更新のデイリーランキングが1日1回の更新へと仕様変更された。運営は工作対策の面については言及していないものの、結果としてランキングにおける工作の影響は軽減されると考えられる。
従来は早朝1時間の工作で一時的なランキング上位や、そのまま地形効果を得る形での再生、マイリストの伸びが期待できたが、今回の仕様変更で同程度の再生を見込むなら1日分の工作量が必要となる。工作員のモチベーションの低下も考えられ、工作でランクインする動画の数そのものがかなり減ると予想される。
一方でランキング全体のマイリスト登録数も低調になると見られている(適切な記事を参照)。そうなると長時間の工作や一定人数による工作ならばランキング上位も可能であり、多人数が結託した大規模工作によるランキング占拠などは従来より容易になる。
運営の見解と対策
運営は、荒らし対策ほどには工作対策に力を入れる姿勢を見せていない。かつてゴースト法、リセット回避法などと呼ばれる一人で大量工作可能なランキングの穴が発覚した際も、運営側が真っ先に気づいて穴埋めに取り組むような事は無かった。そこでyoutube板工作対策スレ住人が実力行使で野菜動画や工作方法を記述した動画をランキングに押し上げ続けたところ、ようやく重い腰を上げ対策に乗り出したという過去がある。
以下に、運営の見解と見られるものを示す。
運営長・中野真氏の見解(2008年6月18日)
- 時報とかランキングについて考える(1)より
再生数やコメント数はひとつの指標にはなるんですがひとりでいっぱいカウントを増やしたりすることもできてしまい、さらにはそういった行為はシステム負荷を増やすことにも繋がるという悪循環があったりするので標準的なランキングとして使うにはリスクが大きいなと思っています(マイリストランキングができたのもそういう経緯・・だったと思います)。
運営開発総指揮・戀塚昭彦氏の見解 (2008年6月14日)
- 早朝は、どのような方向付けができるか、という提示がさまざまにされた状態(可能性の雲?)で、その後どちらに収束するかは場の気まぐれだよなあ
- 場全体の機運が傾けば、工作のつもりだったガチムチが普通の人気ネタのひとつになってしまうってことだし、可能性を排除するのは面白くないなー
- 結果としての収束状態のランキングを見たい、という需要では収束前のデータは見る必要ないけどね。ランキングのありかたとしては朝は傾向がよりバラバラなのは正しいと思ってる
主な対応
つまり野暮なことは言うな・・・と思いきや、遂に2010年7月15日にランキング工作を行ったユーザーに対して
アカウント停止処分とプロバイダー通報処分が行った事をニコニコインフォにて発表した。
その他
本来の意味とニコニコ動画上での独自用法が混在していることを逆手に取って、サムネイルやタイトルをパッと見ただけではどちらの意味か分からない、もしくは一方の意味だと確信させておいて実は違いました、という釣り動画的な用法をした応用動画も存在する。
現在の工作事情
YouTube@2ch掲示板のニコニコ動画工作対策スレ及びそこから派生したニコニコ動画工作支持スレ、ニコニコ動画工作認定スレ、ニコニコマイリストランキング予想スレを参照。なければ過去ログを。
当然ながら直接工作動画の話題や工作手法等について書き込むことはスレ違いであり、まず歓迎されない。スレ冒頭に貼り付けられているリンク集やテンプレが大抵の要望を解決できるようになっているので、まずは書き込まず読むことから始めよう。
関連コミュニティ
関連項目 |
工作手法に関する記事 |
脚注
- *これは一部ユーザの間で囁かれている憶測であり、運営がそう解答しているわけではない。この問題以前に運営はこれ以上の対策をするつもりはないとも言われている。
- *マイリスト数/再生数*100 の値。動画視聴者総数に対するマイリスト登録された数の比率。マイリスト登録率。
(例)再生数1000の動画に対しマイリスト数500超、再生数20000の動画に対しマイリスト数10000超はどう見ても怪しい
実際そこまで極端なマイリスト率(50%超、100%超)が観測されることはあまりないが、いわゆる「御三家」ジャンル(アイドルマスター、東方、VOCALOID)は動画投稿直後のマイリスト率が比較的高いことがよく言われていた。単に固定信者層の組織票が多いせいだという説もあるが、マイリスト工作方法の知れ渡った現状においては、御三家だけが特別なわけではなく、全てのジャンル・全ての動画において平等に被工作の可能性があると認識する必要がある。 - *マイリスト数>再生数(間違えられがちだがマイリスト数>コメント数は自然に起こりうる。特に短い動画はコメント数が伸びにくいのは自然である)。ただしこの基準は広く支持されているわけではなく(工作対策/認定スレ内でのみ通用)、現在のところ他に明確な工作判断を下す指標がないため採用しているに過ぎない。この基準の問題点は、
①”誰が工作したのか”(投稿者・信者・アンチ・愉快犯:誰が何の意図を以って行ったのか?)が結局分からない
②ランキングに露出していない状態でも一定の再生数がある動画(有名作者に多い)、③再生数も同時に工作された動画、④工作を隠そうとマイリスト登録を目立たない程度に緩やかに行う動画―――が工作と判定されない可能性が残る所にある。
しかしながら、一時間毎の再生数、マイリスト登録数の推移は誰もが閲覧可能なデータとして残り、その不自然な伸びは隠せるものではない。
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