工業高校とは、工業や産業に関する学科が置かれている高校(高等学校)の総称である。
工業高等学校ともいう。
概要
普通科に比べて英語や数学などの一般教科の授業が少ない代わりに、専門教科の授業や実習が多いのが特徴である。
学校にもよるが入学試験は普通科に比べて簡単である(合格しやすい)ことが多く、偏差値40〜50くらいの学校が多い。ただし稀に偏差値55程度のそこそこ難しい工業高校もある。逆に偏差値40未満の底辺校も少ない(底辺校は普通科が多い)。
ちなみに名門校と言われる工業高校は偏差値50前後〜50台前半くらいであるところが多い。
近年は学校数が減少傾向にあり、他の実業高校(農業高校、商業高校など)と統合するところや、普通科や総合学科に転換するところもある。
工業高校のメリットとデメリット
工業高校(工業高等学校)には普通科の高校や他の実業高校(商業高校、農業高校、水産高校など)に無いようなメリットがある反面、普通科に無いようなデメリットもある。
ここでは工業高校の主なメリットとデメリットについて解説する。
メリット
工業高校のメリットとしては、以下のようなことがあげられる。
- 危険物取扱者や電気工事士などの国家資格を含めた各種資格の取得に力を入れている。業務独占資格や必置資格であれば特に強い。
- どんなふうに力を入れてるの?
- 資格取得講習をやってくれるよ。(ケース1、第二種電気工事士など)
自分で出すのは赤本や教本を買うお金と材料費くらいで講習費はタダ、なのがいいところだね。
特に実技を求められる第二種電気工事士なんかは、自宅やネットでやるより指導者が付いた方が圧倒的に上達できるんだ。でも、他で講習を受けると万単位でお金が飛んでいっちゃう、対して工業高校の講習はタダ!(※材料費は数千円ほど取られます。あともちろん受験すると決めたら受験料も掛かります) - 資格取得講習をやってくれるよ。(ケース2、玉掛クレーンなど)
学校で受講できるのがいいところだね。
他のところで取ろうとすると、辺鄙なところにある講習会場に行かなきゃダメだったりするけど、いつも通っている学校で受けられるのは大きな利点。
また学校の友達と一緒に受けられるので結構楽しい(※個人の感想です)
- 資格取得講習をやってくれるよ。(ケース1、第二種電気工事士など)
- どんなふうに力を入れてるの?
- 普通科に比べて就職に強く、成績優秀者は大企業や公務員も狙える。
- どんなところに就職できるの?
- 大体どの科でも求人があるのは、鉄道会社だね。(JR各社や、大手私鉄とかがたくさん求人出してるよ)
電気科なら架線や電車の維持。土木科なら線路回りの維持。建築科なら駅の維持。機械科ならディーゼルカーとかの維持。
そんな感じで鉄道会社は結構募集してるよ!(ただ電気系卒業したけど土木系やりたい、とかは厳しいので要注意。) - 電気科は、主に工場系と建設系とメンテナンス系で分かれるよ。
工場系は、エレベーター作ったり、エアコン作ったり、って感じ。求人がくる中でいいところだと日立、東芝の子会社とかが多いかな。
建設系だと、戸建て一軒家の電気系リフォーム工事したり、高層ビルの電気関連を作ったりって感じだよ(夏は暑くて、冬は寒いお仕事だよ)。求人は関電工やきんでんとかからくるよ。
メンテナンス系は、変圧器やエレベーターの点検(都市部だと注射器とか粉をエレベータの隙間から落としたやつを見つけて、警察沙汰になったりするらしく結構楽しそう(((。)電線の架け替え、基地局や発電所の維持って感じ。求人は工場系の会社のメンテナンス系兄弟会社?+建設系の会社+NTTなどの通信会社の子会社や、電源開発や東京電力なんかの電力会社、関西電気保安協会とか、保安協会からもくるよ! - 自動車科は、多くの人がトヨタや日産なんかの自動車専門学校に進むよ。そして、そのままその会社に入るか、自動車修理工場に入る人が多いね。
- 土木科は、水道や都市ガス、道路関連なんかのインフラのメンテナンスが多いよ。よく人がいない時間帯の道路で車列作って工事してるアレだね。求人は地元の土木企業が多いよ。(なんか工業高校の進路先見たりしたけど大きい企業あんま見つかんなかった(((。)メンテナンス以外だとトンネル掘ったりとかが多いかな。こっちも地元の会社が求人出してるよ。
- 機械科は、主に工場系とメンテナンス系に分かれるよ。
工場系は、溶接して鉄製品作ったり、工作機械作ったりって感じ。就職先は豊和工業や渡辺鉄工(趣味が出てるよって?ヨクワカンナイナー)あとは日立とかの子会社とかになるよ。
メンテナンス系は工場で機械の維持とかが主な仕事になるよ。就職先は凸版印刷、新聞社の子会社とかの印刷会社や、日進の食品工場とかもあるよ。個々の求人数は少ないけれど、いろんな会社が出してるよ - 建築科は、基本何かを作るお仕事と壊すお仕事に分かれるけど、大体の会社は一緒にやってるからまとめちゃうね。
まずは足場を組む仕事。あれ実は建設会社が組んでるんじゃなくて、足場を組む専門の会社があってそこが組んでるんだ。足場を崩すのは足場会社の仕事だったかは忘れた。足場を組む会社は、地元の足場会社って感じで小さいのがわらわらある感じだよ。
何かを作る仕事だと、一軒家作ったり、リフォームしたり、高層ビル建てたり、とかだね。地元の工務店とか、向井建設とかが求人出してるよ。 - 情報科は、コンピューターとかに強いから、システムメンテナンスや構築のお仕事になるよ。就職先は富士通とかの子会社か、地元のシステムメンテナンス会社が多いよ。
- デザイン科は、基本は専門学校や大学に進学するよ。若しくはアニメーターとかになる人もいたりするけど、会社入ってから専門学校行かされたりであんまり変わらないかも。就職先は不明。デザイン科情報少なすぎ。
- 大体どの科でも求人があるのは、鉄道会社だね。(JR各社や、大手私鉄とかがたくさん求人出してるよ)
- 日本は欧米先進国に比べて奨学金制度が貧弱なので「家が貧しいので大学や専門学校に行けない」という人も多く、「高卒でもそこそこ良いところに就職できる」というのは工業高校の大きな強みである。
- どんなところに就職できるの?
- 工業高校などの実業高校があることによって日本人のブルーカラー(肉体労働者)を確保することができ、安易に外国人労働者(移民)に頼る必要が無くなり治安維持にもつながる。
デメリット
一方で、工業高校には以下のようなデメリットも存在する。
- 専門教科や実習に興味が無いと地獄。最悪の場合、単位を落とす(留年する)危険性も…。
- 取れたら新聞に名前が載るレベルの難関資格(電験三種、基本情報技術者など)を取れる生徒はごく一部である。
- 一般教科の授業は卒業に必要な最低限の単位しかやらない場合が多いので、(推薦入試はともかく)一般入試だと大学受験はほぼ絶望的。
- 大企業や公務員といった待遇の良い就職先が見つかるのは成績上位者くらいで、多くの卒業生はそれほど待遇が良くない中小企業や零細企業などに就職している。離職率も決して低くはない。
- 就職しやすさはその地域の経済状況によっても大きく左右される。
- 校則が厳しい
- 普通科に比べて向き不向きが大きく分かれやすく、卒業できない人(中退者)がやや多い。
- そもそも工業高校で取れる資格の多くは制度上は普通科や工業系以外の学科(商業科など)、下手すりゃ中学生でもちゃんと勉強すれば取れる。普通科の高校から大学や専門学校に行ってから取るとか、社会人になってから取ることも可能である。
主な学科
機械科
主に機械の設計や施工などについて学ぶ。金属加工や組み立て、溶接の他、製図やCADについても学ぶ。
ほとんどの工業高校に設置されており、工業高校で最もメジャーな学科の一つである。
実習では危険な作業が多いため、少しでもふざけていると冗談抜きで先生に怒られる。今でも鉄拳制裁が普通にあるという噂も…。
電気科
主に第二種電気工事士の資格取得を目指す。優秀な生徒は第一種電気工事士や第三種電気主任技術者(電験三種)といった難関国家資格も目指す。
成績優秀者であれば大手電力会社への就職も狙える。
電子科
主に電子機器の製作や情報技術について学ぶ。はんだ付けとプログラミングができないとキツいかも…。
取得を目指す主な資格としては無線従事者や工事担任者、ITパスポートなどがあげられる。優秀な生徒は基本情報技術者などの難関国家資格も目指す。
学校によっては基本情報技術者試験の科目免除制度が使えるところもある。
土木科
主に土木の設計や施工などについて学ぶ。学校によっては建築科と統合されていることも。
取得を目指す資格としては測量士補などがあげられる。また、卒業後に実務経験を積むことで土木施工管理技士の資格も目指せる。令和2年度からは特定の科目を履修して卒業することで二級建築士試験の受験資格を得ることもできるようになった。
工業化学科
物理学重視の工業高校の中では珍しく、化学をメインに勉強する学科。他の学科はほぼ男子ばかりだが、ここは女子生徒もそこそこ多い。
自動車科
卒業すると三級自動車整備士国家試験の受験資格が得られる。ただし、設置されている高校は非常に少ない。
鉄道科
鉄道について学べる学科。日本全国にわずか2校しか存在しない。
ニコニコ大百科に個別記事がある工業高校
その他
週刊少年ジャンプの漫画『スラムダンク』のラスボス的存在である山王工業高校のモデルは、秋田県立能代工業高等学校(現・秋田県立能代科学技術高等学校)であるとされる。能代工業高校はバスケットボールの強豪校として全国的に有名である。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 5
- 0pt

