Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚(フェイト・コハエース ていとせいはいきたん)とは、昭和20年の帝都・東京を舞台にした聖杯消失を描いた物語である。
概要
Fateシリーズの中でも異色な、第二次世界大戦時の日本を舞台とした聖杯戦争を描いた作品。
本家『Fate/stay night』では第三次聖杯戦争が第二次世界大戦を隠れ蓑にして行われていたため、そこから枝分かれしたパラレルワールド的な派生作品であると思われる。同様に第三次聖杯戦争から別の展開に派生した作品として『Fate/Apocrypha』が存在している。
また、スターシステムを採用しており、主人公の桜セイバーのマスター役として『月姫』の琥珀さんが登場するほか、他の型月作品からも多くのキャラクターがわきを固める役回りとして登場している。
正確には第三次聖杯戦争終結後に、勝者となったサーヴァントが太平洋戦争で敗戦への道をたどっていた日本を救おうと聖杯を改造したために起こったのが今回の聖杯戦争である。そのためか呼び出されたサーヴァントには日本を出自とするものが多く、西洋出身のサーヴァントは一騎しかいないうえに純粋に英霊と呼べる存在ではない。この点も西洋系のサーヴァントが多くなりがちな本来の聖杯戦争からはかけ離れたところである。
で、ほんとのところは?
コハエース内で桜セイバー(と魔人アーチャー)を登場させるに当たり、その出自作品としてでっち上げられた嘘作品。ゆえに登場するキャラクターは型月関連他作品から横滑りで設定や容姿などをそのままパクって流用している。スターシステムと言い張れば大丈夫。
とはいえ、経験値による設定やストーリーはかなり緻密に組み上げられており、『コハエース』単行本では用語解説やサーヴァントのステータス画面が掲載されるなどしていた。また、サーヴァントは経験値によるオリジナル(一騎はFate/EXTRAのサーヴァントがクラス替えしたもの)で、とくに目玉である桜セイバーは型月社長武内崇による書き下ろしイラストも存在している。
『コハエースEX』のころから設定や一部ストーリーが語られており、経験値はアニメ化小説化待ってますとアピールしていた。が、返事がなかったためか、自ら『コハエースGO』にて連載漫画化。きっちり単行本1冊分を書き上げ完結した。
『月姫』作中の事件が1940年代前半に発生・終結(そのため『月姫』キャラはスターシステムによるそっくりさんではなく本人)、かつ第三次聖杯戦争で魔人アーチャーの召喚と聖杯汚染が発生し大聖杯が日本陸軍に持ち去られた世界線…ということになるが、「基本的に本家Fateとは無関係のパラレルなので、プリズマ先輩よろしくツッコミ無用でお願いします」とのこと。
マスター・関係者
- 琥珀
- セイバーのマスター。遠野家お手伝いさん姉妹の姉。
本来なら秋葉がマスターになるはずだったが、敵に襲撃され急遽琥珀が召喚することになった。
しかしその体質はガス欠しやすいセイバーとは相性が良い。 - 遠野秋葉
- 遠野家当主。徴兵され出征した志貴の安全確保と引き換えにシエルからの依頼を受け、琥珀と共に東京へ向かう。
- アルトリア
- アーチャーのマスター。某騎士王とは無関係。優れた剣技と膨大な魔力を持つ。
前回の聖杯戦争でアーチャーの召喚者に魔力タンクにされかけるが、召喚者を斬ったアーチャーに見初められマスターとなった。 - 言峰花蓮
- ランサーのマスター。聖堂教会のシスター。どこぞの麻婆ともその娘とも無関係。
サーヴァントは魔力消費の少なさでチョイスした。聖杯よりも第三帝国が盗んだ聖遺物が目的。 - 総統
- キャスターのマスター。第三帝国のチョビ髭…の、影武者。
「英霊兵(ヘルト・クリーガー)」軍団を使って聖杯戦争を制しようとする。 - レイター少佐
- アサシンのマスター。ちゃりん娘とは無関係。総統の部下のようだが…実は魔術協会のスパイ。
- 間桐少佐
- バーサーカーのマスター。帝国陸軍所属。冬木のワカメとは異なり、魔術がそこそこ使える。
宮本武蔵を召喚しようとするが「ムサシ」違いのサーヴァントを召喚し、拘束具での制御にも失敗してしまう。 - シエル
- パスt…カレー先輩。秋葉に新たに発生した聖杯の調査を依頼する。
サーヴァント
- セイバー
- 「剣士」クラスのサーヴァント。通称・桜セイバー。マスターは琥珀さん。
真名は新撰組一番隊組長の「沖田総司」。日本刀を携えた少女。琥珀はシエルから預かった触媒のうち勧められた聖剣の鞘を使って召喚するつもりだったが、事故でセイバーの刀が触媒になり、召喚された。
天才的な剣術の使い手だが、スキル「病弱:A」を持つため不意に戦闘不能になる事もある。 - アーチャー
- 「弓兵」クラスのサーヴァント。通称・魔人アーチャー。マスターはアルトリア。
真名は第六天魔王こと「織田信長」。長い黒髪にドイツ風の軍服を着た少女。主に火縄銃で攻撃するが、刀も使用する。
今回の聖杯戦争が発生した元凶。前回の聖杯戦争を正規ではない方法で勝ち残り聖杯を手にしたうえで、陸軍を掌握し、聖杯を使った決戦兵器を作ろうと今回の聖杯戦争を引き起こした。 - ランサー
- 「槍兵」クラスのサーヴァント。『Fate/EXTRA』ではアサシンで登場したあの人。マスターは言峰花蓮。
真名は「李書文」。今回はランサーとして召喚されたため老境に差し掛かった姿で登場。本来最も得意とする槍が使える。でもやっぱり素手でも強い。 - ライダー
- 「騎兵」クラスのサーヴァント。お竜という美女を連れた青年。アサシンとは生前からの知り合い。
真名は幕末の英雄である「坂本竜馬」。実は今回の聖杯戦争を止めるために抑止力によって送り込まれたサーヴァントでありマスターはいない。お竜はマスターではなく彼の宝具である。 - キャスター
- 「魔術師」クラスのサーヴァント。マスターは総統(影武者)。
真名は「マックスウェル」。サングラスをかけた怪しげな男。様子見の初撃で倒されるほどに弱いが、実は倒しきることはほぼ不可能な不滅の存在。 - アサシン
- 「暗殺者」クラスのサーヴァント。マスターはレイター少佐。
真名は人斬り以蔵こと「岡田以蔵」。当初は坂本竜馬を名乗っていた。アサシンでありながらセイバー並みの能力を持ち、一度見た剣術を即座に使いこなすというとんでもない才能の持ち主。 - バーサーカー
- 「狂戦士」クラスのサーヴァント。マスターは間桐少佐。
真名は鬼武蔵こと「森長可」。「狂化」と「精神汚染」を併せ持ち、マスターの命令も聞かずひたすらに殺戮を楽しむ狂人。
陸軍が造った「甲型英霊拘束具」に身を包み、大火力で丸ごと吹き飛ばすか炉心を壊されない限り土地の魔力を吸い上げ、ほぼ無限の再生が可能という厄介な性質を持つ。 - 【魔神セイバー("神"は正確には"神"の下に"人"が付いた文字)】
- [聖杯に6騎の魂(内2騎分はアーチャー)がくべられ、それをセイバーが得たことにより、キャスターが造り出した「人造の神(ネオ・フューラー)」へのカウンターとしてセイバーが霊基再臨を果たした「抑止の守護者」。]
[理論を否定されない限り消えないキャスターと、無限の魔力で回復し続ける人造の神を、概念ごと消し飛ばすほどの凄まじい力を持つ。]
アニメ化?
2016年12月31日放送の『Fate Project 大晦日TVスペシャル~First & Next Order~』にて嘘予告が流れ、視聴者にとってはサプライズとなった。
スライドインで現れるどでかい「特報」の文字など、90年代の特撮映画……というか『帝都物語』の予告を彷彿させる、心憎い演出がなされていた。
ぐだぐだ帝都聖杯奇譚-極東魔人戦線1945-
スマホアプリ『Fate/Grand Order』で2018年6月に開催された帝都聖杯奇譚とのコラボイベント。異世界の帝都での本来の帝都聖杯奇譚とは違う戦いが繰り広げられた。
新規サーヴァントとして帝都聖杯奇譚出身のライダー(帝都聖杯奇譚)とアサシン(帝都聖杯奇譚)と魔神セイバーが実装された。
帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline
2019年12月20日に発刊される「TYPE-MOONコミックエース」に連載が決まった『帝都聖杯奇譚』のリメイク作。作画担当は平野稜二。
公開前のイラストを見た限りでは、サーヴァントは全員続投している。が、マスター役は新キャラクターが当てられることが発表された。
マスター交代に関しては、そもそも琥珀さん他がスターシステムでマスターを担当したのはコハエースGO以前に公開された設定と矛盾していたため、当初の設定に回帰したともいえる。
詳細は『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』の記事参照。
関連動画
関連静画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
子記事
兄弟記事
- なし
- 2
- 0pt