年神(歳神)とは、正月のときに家に迎えられる日本の神である。
概要
正月の風習は、本来年神を家に迎えるためのものが多い。門松は年神が家に入るための依り代であり、鏡餅やおせち料理は年神に対するお供え物であるとされる。鏡餅は飾り終わった後食べることになるが、かつては鏡餅が年神から分けてもらった新しい魂である「御年魂(おとしだま)」と呼ばれ、現在のお年玉の由来になったともされる。おせち料理は現在は作ってから(または届いてから)すぐ食べるが、かつては神に供えてしばらく経ってから食べるものであったとされる。
1月15日には地域によっては正月飾りを集めて燃やす左義長(どんど焼き)が行われるが、これは邪気払いであると同時に、年神を煙とともに送り出すための儀式であると言われる。左義長は「歳の神(サイノカミ)」と呼ばれることがあり、境界神である賽の神と同じ表記で書かれることもある(参考)が、一部の地域ではサイノカミが年神を焼く神様だとされる(参考,p.7
)。
日本神話における大年神(大歳神・歳徳神)や、その息子・孫である御年神・若年神、またはその家の祖先の霊と同一視されることがある。農耕神としての性格も持ち、五穀豊穣が年神に祈願されることもある。
かつては1月15日までは年神がいるため家で念仏を唱えず、16日から唱えてもよいとする習慣があった。念仏を唱えない期間を「念仏の口止め」、その終わった後の16日を「念仏の口開け」と呼んでいた。現在は風習としてはほとんど行われていないが、昭和58年ごろには愛媛県大洲市の一部地域で念仏の口止めの習慣があった(参考)。
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