『幻影ヲ駆ケル太陽』とは、AIC制作のオリジナルテレビアニメである。略称は「ヲケル」「幻かけ(駆け)」「幻影」など。
2013年7月~9月に放送された。全13話。同名のコミカライズもガンガンONLINEにて、アニメ放送前から連載していた。
タロットカードの力を使って戦うバトルアクションアニメ。舞台となる永瀧は長崎県がモデルとなっている。ジャンルとしてはいわゆる魔法少女系、あるいは能力バトル系を思い浮かばせるが、雰囲気は過酷なダークファンタジーの体をとっている。
アニメ自体はこれで完結しているが、幻影プロジェクトの一環として2015年3月からWeb小説である『幻影に舞う白銀』、2018年2月から『幻影のメサイア』が連載されている。『幻影に舞う白銀』は本編開始の3か月前のセフィロ・フィオーレのアメリカ本部を舞台にし、『幻影のメサイア』がアニメ・小説も含めた幻影プロジェクトの最終章となっている。
ストーリー
占い師だった亡き母に憧れ
タロットカードに夢中な日々をおくる太陽あかり、12歳
伯父夫婦と従姉妹の4人で暮らす平穏な日常に、それはゆっくりと忍び寄る
ある夜、就寝中のあかりを魔物が襲う
苦しみもがく中、タロットカードが宙に舞い、あかりは異空間に入り込む
手に握られた剣
煌煌と輝く太陽のタロットカード
その瞬間、世界が真っ白になり……
……覚醒したあかりが連れて来られたのは、
セフィロ・フィオーレという戦士たちの訓練施設だった
隊長のエティアと副長のアリエル率いる部隊で特訓を受けることになったあかりは、
新人部隊の仲間たち、せいら、ぎんか、るなの4人のチームで活動を開始することに
激しい闘いの日々の中で、
少女たちは戸惑いながらも、自分の運命と向き合っていくが……
登場人物
エレメンタルタロットの使い手
- 太陽あかり(たいよう -) CV:門脇舞以
- 物語の主人公。エレメンタルタロットは「太陽」。
太陽のように明るく元気な女の子で、母の形見であるタロットを使った占いが大好き。変身後に一番外見が変化するキャラで、炎を模したようなウェーブ髪が特徴。炎を発する西洋剣で戦う。門脇舞以のガチ叫びが聞ける稀有なキャラ。とある理由でダエモニアの声を聞くという特殊な能力も持っており、他の人もあかりに触れる事で一時的に能力を共有する事もできる。
ダエモニアに取り込まれた従姉妹の冬菜を無意識下で殺してしまった事がトラウマになっていたが、戦いの中でその事実と向き合い自分にできる事を模索するために使い手の道を選ぶ。後にエティアから、自分は人間とダエモニアとのハーフであるという衝撃の事実が明かされる。(ネタバレ反転) - 星河せいら(ほしかわ -) CV:喜多村英梨
- エレメンタルタロットの使い手のひとり。エレメンタルタロットは「星」。
冷静沈着で、自分にも他人にも厳しい。「強くなりたい」と常に思っている。氷の弓矢を使う遠距離タイプの使い手で、牽制射撃・一点砲撃・集中乱射など状況に応じて様々な射撃手段を選択する事ができる強力な射手。日夜欠かさず行っている筋トレと好物のささみサラダのおかげで、肉体的にも戦闘向けに鍛えられている。
姉妹同然に育った従姉妹を目の前でダエモニアに殺された過去を持っている事からダエモニアを憎み、殲滅する事を目標としている。そのため「ダエモニアの声を聞く」あかりとは対立していたが、後に打ち解けた。(ネタバレ反転) - 月詠るな(つくよみ -) CV:徳井青空
- エレメンタルタロットの使い手のひとり。エレメンタルタロットは「月」。
名家のお嬢様だが、幼い頃から跡継ぎを目論む分家の者達の悪辣に晒されていたせいで引っ込み思案な性格になっている。行方不明になっている姉によく似た雰囲気を持つあかりに執着しており、劇中でも常々彼女を気にかけている場面が非常によく見られる。戦闘では、茨の蔦を使った拘束プレイや治癒など補助的な役割を担っている。
4人の中では一番つけ入る隙があった事もあって、ぎんかが消滅したショックを受けている所をケルブレムに標的にされてしまい、偽あかりとキャッキャウフフからの振られ→闇堕ちというとんでもないコンボを叩きつけられる。後に元に戻り、自らの弱さを自覚し、戦闘方法もかぎ爪による接近戦へと変化する。(ネタバレ反転) - 白金ぎんか(しろかね -) CV:巽悠衣子
- エレメンタルタロットの使い手のひとり。エレメンタルタロットは「節制」。
お金にうるさい関西人。自分の運命に強い思い入れを持つ他の3人とは異なり、ダエモニア殲滅を「仕事」と割り切っている面を持つ。戦闘では、遠距離で羽のついた金貨を使う事で盾を作ったり爆発攻撃をしかけたりと攻守両用の戦い方ができる他、近距離では槍やハルバードなども使いこなせる結構すごい子。ひどいレベルでバランスが取れている。チーム内のムードメーカー的役割も担っている。
「節制」の対カードと対峙したことで自分の役割に思い悩むが、父親との会話で「何も持たない」自分にこそ出来る事を決意、対カードと刺し違える形で対消滅した。(ネタバレ反転) - プリシラ・トワイライト CV:青木瑠璃子
- メルヴィナとコンビを組む使い手。エレメンタルタロットは「愚者」。
ピエロを彷彿とさせる外見に似合う、投げナイフを使った戦い方をする。 - メルティナ・メルヴィス CV:東山奈央
- プリシラとコンビを組む使い手。エレメンタルタロットは「魔術師」。
様々な形を模した爆弾を召喚して戦う。
セフィロ・フィオーレ
- エティア・ヴィスコンティ CV:遠藤綾
- 永瀧支部の隊長を務める。エレメンタルタロットは「世界」。
- アリエル・ヴァルティエル・ウェスコット CV:井上喜久子
- 永瀧支部の副長を務める。エレメンタルタロットは「十七歳」「審判」。
- 天道三姉妹(てんどうさんしまい) CV:種崎敦美
- 人造人間(ホムンクルス)。エレメンタルタロットは「運命の輪」。
機械を操作してアストラルクスに使い手を送ったり、ダエモニアに関する調査・研究を行ったりする。 - ラプラス/シュレディンガー CV:堀井茶渡/井澤詩織
- らぷしゅれ☆セフィロフィオーレを監視する、謎のカラスと猫。
名前の通り、ラプラスは絶対運命論、シュレディンガーは不定論の思考で動く。
ダエモニア
スタッフ
- 原作 : sole;viola
- 原案 : 赤城晴康、田中秀典
- 監督 : 草川啓造
- 助監督 : 小坂春女
- 構成・脚本 : 伊藤美智子
- キャラクター原案 : あかつきごもく
- キャラクターデザイン・総作画監督 : 友岡新平
- クリーチャーデザイン : 小田裕康
- タロットカードデザイン : 午前4時、細井綾
- 音響監督 : 岩浪美和
- 音楽 : 加藤達也
- アニメーション制作 : AIC
主題歌
- オープニングテーマ「träumerei」
- 作詞・作曲:HIDEO NEKOTA / 編曲:akkin / 歌:LiSA
- エンディングテーマ「-Mirage-」
- 作詞:hotaru / 作曲・編曲:小森茂生 / 歌:岡本菜摘
各話リスト
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 動画 |
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episodio I | 太陽の黒点 | 草川啓造 | 小平麻紀 | 玉木信吾/山本周平 森前和也 |
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episodio II | 血塗られた未来 | 林宏樹 | 仁昌寺義人 | 牧野竜一 | |
episodio III | とむらいの声 | 吉田泰三 | 駒屋健一郎 | 三輪幸彦/横田拓己 森前和也/高橋英宣 斉藤真由/深川香純 |
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episodio IV | これは絵なのだろうか? | 小坂春女 | 安藤貴史 | 梶浩之/太田都 山本周平/玉木慎吾 |
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episodio V | ああ、金、金!この金のために どれほど多くの悲しいことが この世に起こることであろうか! |
池端隆史 | 森前和也/山内則康 太田郁/深川可純 三輪幸彦/小林真平 谷拓也 |
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episodio VI | 星とともの果てに | 林宏樹 | 鈴木薫 | 牧野竜一 | |
episodio VII | 華麗なる休暇 | 田所修 | 小平麻紀 | 斉藤真由/深川可純 | |
episodio VIII | こぼれおちる水 | 小坂春女 | 安藤貴史 | 三輪幸彦/太田都 森前和也/梶浩之 鈴木勇/小林真平 |
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episodio IX | 月の光、太陽の陰 | 林宏樹 | 小林孝志 | 猪股雅美/志賀道憲 永野孝明/諸石美雪 山田裕子 |
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episodio X | 燃え尽きるような | 田所修 | 岩田義彦 | 糟谷健一郎/鈴木勇 森前和也 |
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episodio XI | 君のみち | 大畑晃一 | 玉田博 | 三輪幸彦/太田都 梶浩之/永野孝明 志賀道憲 |
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episodio XII | 運命の選択 | 遠藤広隆 | 小平麻紀 | 猪股雅美/小林真平 森前和也/諸石美雪 鈴木勇 |
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episodio XIII | 太陽の微笑み | 林宏樹 | 牧野竜一/太田都 三輪幸彦 |
漫画・小説
- 漫画『幻影ヲ駆ケル太陽』
- 『ガンガンONLINE』(スクウェア・エニックス)にて2013年6月から連載していた。作画:加藤コウキ。全4巻。
- 小説『幻影ヲ駆ケル太陽〜こぼれ落ちるは運命の砂〜』
- 『月刊ニュータイプ』(角川書店)にて2013年7月号より連載中。あかりの母親、ひなたを中心に書かれたストーリー。小説:伊藤美智子、挿絵:あかつきごもく。
関連動画
関連静画
関連生放送
関連チャンネル
関連項目
外部リンク
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