広宣流布とは、仏教において法華経の教えを広く世の中伝えていくことである。
概要
法華経で出てくる単語であり、妙法蓮華経 薬王菩薩本事品第二十三には
とあり、これを訳すと「私が入滅した後の500年間にこの章(法華経)が広く流布し消えることがないように、また悪魔・魔民・諸天・龍・夜叉・鳩槃荼どもがその便りを得ることがないように…」といった内容になる。
以上のとおり元は「法華経が消えることなく広まる」といった意味の単語であるが、日本に於いては日蓮系仏教団体が日蓮の教えもひっくるめ「日蓮の仏法を弘めること」を意味する単語としてこの言葉を用いるようになった。考え方も宗派で異なる。
- 日蓮宗の場合
「後五百歳中」を「末法(釈迦入滅後1500年以降)の最初の500年間(つまり入滅後1500~2000年)」として解釈し、この間に法華経が広く流布されることを説いたものとしている。また日蓮が広宣流布完成のために「いかに強敵重なるとも、ゆめゆめ退する心なかれ、恐るゝ心なかれ」と戒めており、法華経を基に「この時代の日本に起こる様々な天災地変は広宣流布完成の前触れ」と考えていたのではとされている。 - 日蓮正宗の場合
末法の時代に入り、釈迦に代わる救いの仏となった日蓮の教えそのものを僧俗ともに力を合わせ全世界へ広めていくことを指す。広宣流布の暁には日蓮の二代目・日興の指南から総本山大石寺の寺号を『本門寺』にあらため『本門戒壇之大御本尊』という本尊を安置する予定。ちなみに日蓮正宗は海外にも寺院・布教所を置いており、世界広宣流布のひとつの拠点ともなっている。 - 創価学会の場合
日蓮が御書に著した精神と学会の思想(主に平和、人権などといったヒューマニズム)を合わせて広く世界に流布することを指す。世界192か国に海外組織であるSGI(創価学会インタナショナル)支部の設置を行い、宗教規制などで設置できない国のうちイスラム圏や中国については第3代会長・池田大作が現地へ赴いて前述の学会思想の対話を行うことで補ったため、事実上広宣流布は完成したという見方がされている。 - 顕正会の場合
天皇・皇族含め全ての日本人が顕正会に入会して信心することを指すが、全日本人が入る以前でも天皇(国家権力の頂点)が入会した時点で会長・淺井昭衞により広宣流布完成を宣言できる。その後は天皇が勅命を出すか国会で決議し憲法20条を改正または廃止したうえで顕正会を日本唯一の国教と定め、日蓮の遺命たる「国立戒壇之大御本尊」を建立する、とガチで言っているようだ。
関連動画
顕正会ドラえもんショーに関しては後半から広宣流布絡みのシナリオとなっている。
関連リンク
関連項目
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