広瀬章人(ひろせ あきひと)とは、将棋棋士である。1987年1月18日生まれ。北海道札幌市出身。勝浦修九段門下。棋士番号255。
棋歴
小学6年生のときに奨励会に入会し、2005年4月に早稲田大学入学と同時に四段昇段(プロデビュー)した。
2009年度の新人王戦で優勝。2010年度の王位戦で深浦康市王位を4勝2敗で破り、23歳の若さで初タイトルを獲得した。現役大学生がタイトルを獲得するのは史上初の快挙だった。翌年に王位を羽生善治に奪われ失冠。2014年にはA級順位戦に昇級し、八段に昇段した。
他棋戦と比して竜王戦を苦手としていたが、2017年に1組に昇級すると2018年は1組を優勝し初の決勝トーナメント進出。決勝トーナメントでも勝ち上がり、挑戦者決定戦では深浦康市を破って竜王戦の挑戦者となった。番勝負では羽生善治竜王をフルセットの末に破り、久しぶりのタイトル獲得を果たした。羽生にとっては勝てばタイトル通算100期、負ければ27年ぶりの無冠というビッグマッチだったが、それを制した形となった。
2019年度、今度は防衛する側となった竜王戦は、当時名人の豊島将之に対して1勝4敗で失冠。内容は接戦ながらも、逆転負けの多いシリーズとなった[1]。しかし、王将リーグでは最終戦で、史上最年少タイトル挑戦のかかった藤井聡太を逆転勝利で破り、自身初の王将タイトル挑戦を決める。王将戦は渡辺明王将にフルセットまで持ち込むも敗退。2022年度、再び竜王戦に挑戦者として番勝負に登場したが藤井聡太竜王に対し2勝4敗で敗退した。
棋風・人物
デビュー当時は四間飛車穴熊を得意としており、四間飛車党の第一人者である藤井猛や、四間飛車穴熊のスペシャリストとして知られた福崎文吾からも高い評価を受けている。当時少数派であった振り飛車を指しこなしそのルックスの良さから「振り穴王子」の異名もとった。2012年にB級1組に昇級した頃からは居飛車も指すようになった。
竜王含むタイトル2期、2014年A級昇級の実績と実力から、2020年頃から「広瀬九段」のイメージが広まっているが、2022年12月現在「広瀬八段」である。ちなみに、「八段の間に、八段昇段条件をすべて満たす」という珍しい記録をもっている。
ネット上では「羽生善治に闇のゲームで魂を抜かれた将棋棋士」の写真が有名。実際は、対局中の難しい局面で少し上を向いて考えていたら、毎分撮られる中継用の写真にたまたまそういう風に写ってしまっただけである[2]。
成績
昇段履歴
- 6級(1998年)・・・奨励会入会
- 初段(2000年)
- 四段(2005年4月1日)・・・三段リーグ1位による昇段
- 五段(2007年4月1日)・・・順位戦C級1組昇級
- 六段(2010年6月11日)・・・タイトル挑戦(第51期王位戦)
- 七段(2010年9月2日)・・・タイトル1期獲得(王位)
- 八段(2014年2月13日)・・・順位戦A級昇級
- 九段(2023年11月16日)・・・八段昇段後公式戦250勝
タイトル戦履歴
- 竜王:登場3回(第31期-2018年度~第32期、第35期)、獲得1期(第31期)
- 王位:登場3回(第51期-2010年度~第52期・第56期)、獲得1期(第51期)
- 王将:登場1回(第69期-2019年度)
一般棋戦優勝履歴
- 新人王戦:1回(第40期-2009年)
優勝回数:1回
将棋大賞受賞履歴
叡王戦戦績
関連動画
関連生放送
関連商品
関連項目
外部リンク
- プロフィール(日本将棋連盟)
- 広瀬章人の一喜一憂ブログ- 本人によるブログ
脚注
- *2020年2月の日本将棋連盟理事会で「前竜王」の称号が廃止されたため、「前竜王」を名乗る資格があった最後の棋士である。(掲示板投稿も参照。)なお、広瀬八段も「前竜王」の称号は辞退している。
- *プロ棋士もハマった恋愛番組「バチェラー・ジャパン」とはなんだったのか 広瀬八段×久保裕丈、異色の特別対談 (1/2)
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