序審法廷制度とは、逆転裁判シリーズにおける架空の裁判制度である。
概要
逆転裁判シリーズの刑事裁判は、現実の日本の刑事裁判とは大きく異なるものである。
増加し続けていた凶悪事件に迅速に対応するために序審法廷制度は生み出された。序審法廷は地方裁判所で開かれ、大抵は1日、最長で3日の審理を経て有罪か無罪かだけを判断する。(逆転裁判第2話『逆転姉妹』)
序審法廷においては日本には存在しない「法廷侮辱罪」や日本における一事不再理にあたる「一事不再審」が存在する。偽証罪は存在するが、シリーズ中で適用された事例はほとんどないものと思われる。そして、死刑制度も存在し、執行例もある。これに関して、殺人事件で有罪判決となると犯人は必ず死刑となるという説があるが、シリーズ中にそのような描写は一切なく、スピンオフである逆転検事シリーズにおいて否定されたようである。
挙証責任(立証責任もしくは説明責任とも)は本編から推測すると、弁護人側にあると思われる。被告人に対して有罪の推定(警察に逮捕されたのだから犯人だろう)が法廷内に対しても働いており、弁護人が立証に失敗した時点で(たとえ検事の立証が正しくなくとも)、その責任は「被告人の有罪」という形で弁護人側が責任を負うこととなる。基本的に検事の立証が優位で、弁護人は必死で反証をしなければ無罪を勝ち得ないこととなる。事あるごとに弁護側が「待った」をかけて審理に持ち込もうとするのはこのため。
また、裁判長が木槌を使う、傍聴席が両側面にある、被告人席が画面内に存在しない(弁護人席にいる場合も)、弁護士の身分確認が徹底されていない(例としては弁護士バッジをつけた御剣検事が弁護を行ったり、成歩堂の偽物が偽の弁護士バッジで弁護を行った事がある)、など日本の裁判所とは異なる部分が多い。
なお、弁護するのが依頼と手続きを受けた弁護士であれば、アシスタントとして他の弁護士、または弁護士ではない関係者が弁護人席に着くことを許可されている様子。作中では綾里千尋や希月心音、成歩堂龍一の他、弁護士バッジを持っていない成歩堂や綾里真宵、夕神検事などが弁護人席に着くこともあった。
序審法廷は事件の翌日に開かれることが多く、事件の捜査に関しての不備が多々ある。そのため、捜査を警察だけが担当するのではなく、検察官が直接行ったり、弁護士が行ったりすることもよくある。そのため審理を進める中で弁護側、検察側から新たに証拠品を提出されることも多い。一方、本編では登場しない通常裁判は、高等裁判所で開かれ、有罪確定後の被告人の量刑などを審理しているようである。
現実にこのような制度が存在すれば冤罪事件の温床となることは想像するに難くない。
成歩堂龍一は『逆転裁判4』でこの制度に疑問を投げかけており、第1話の最後で「今、法曹界には暗黒の時代が訪れている。序審法廷…現在の制度が生み出したゆがみのような物。ぼく達はそれを正していかなければならない」と発言している。
その言葉通り、第3話『逆転のセレナード』では状況証拠が揃っているにもかかわらず、「直接的な証拠品による立証が必要」という原則を持つこの制度が真犯人を守る役目を果たしたため問題視され、裁判長や検事の牙琉響也からも疑問を抱く声が上がった。
第4話『逆転を継ぐ者』ではこの制度に対する対処として、裁判員制度が試験的に導入され、成歩堂が責任者を務めた。
証拠法入門
逆転裁判 蘇る逆転で追加された第5話『蘇る逆転』では、証拠法が登場する。もちろん現実の日本の刑事訴訟法上の証拠法とは異なる。証拠法の条文は不明だが、2大原則として以下のようなものが存在する。
この証拠法の2大原則により、基本的には証拠品を提示するためには警察局の認可が必要であることになる。例外的に(とはいっても逆転裁判ではこのパターンが多いが)未登録の証拠を提示する際には、その証拠と審議中の事件との関連性が必要となる。
尚、この証拠法は追加要素である蘇る逆転に登場したため、後付けの感が否めない。そのため蘇る逆転以前の逆転裁判第1話~第4話に証拠法があったかどうかは定かではなく、蘇る逆転以後の逆転裁判2以降に証拠法が存在するかどうかもわからない。したがって、他の話では証拠法によって説明できる場合もあれば、逆に整合が取れなくなる場合もあるようである。
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