廃墟からの復活(独:Auferstanden aus Ruinen)は、ドイツ民主共和国(東ドイツ)の国歌である。
概要
ワイマール共和制時代からナチ党時代を通じ、ドイツでは「ドイツの歌」が長らく国歌として歌われていた。
そして第二次世界大戦後、ドイツは分割占領を経て東西分裂状態になるが、このとき西ドイツ(ドイツ連邦共和国)では「ドイツの歌」が国歌として引き続き採用されることとなったのに対し(但し公式には3番のみを国歌とした)、東ドイツでは新規に国歌を制定することになった。それがこの曲である。
当時、東ドイツの文科大臣を務めていたヨハネス・R・ベッヒャーにより作詞が、赤狩りでナチ党時代に亡命していたアメリカを追われたユダヤ人作曲家のハンス・ハイヒラーにより作曲がなされた。
戦争による被害に加え、ソ連による物資賠償として国内の資源を多く持ち去られた東ドイツは苦難の船出を強いられた。そのことと、東西分断の悲劇を乗り越え再統一を果たす願いが歌詞には込められている。
しかしそのような願いから1番に込められた「統一された祖国」という歌詞は、東西分断が恒久状態になると時勢にふさわしくないとソ連から圧力を受けることとなり、1970年代には公の場で歌われず、曲だけが流されるようになった。
1990年、ドイツ再統一が西ドイツによる東ドイツ吸収という形で果たされると、新しい国歌は西ドイツが受け継いでいた「ドイツの歌」となり、国歌としての地位を失うこととなる。なお同年より、東洋のドイツと同じ1945年に敗戦で廃墟となった国ではなぜか18禁ゲームの18禁シーンのBGMにこの曲が採用されている。
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