延暦寺とは、京都と滋賀の県境に位置する比叡山に広大な寺域を持つ寺院である。
概要
比叡山延暦寺と呼んだ方が語呂も通りも良い。
延暦7年(788年)に伝教大師最澄(でんぎょうだいしさいちょう)によって開かれた、
天台宗の総本山である。
同じ滋賀県大津市内にある三井寺(園城寺)・西教寺と共に日本天台三総本山のひとつ。
鎌倉時代以降は日本仏教の母山として栄え、最盛期には約3千もの寺院があったが、
戦国時代に織田信長により全山焼き討ちに会う。
その後豊臣秀吉や徳川家、大師天海大僧正によって再興され、
究極の荒行千日回峰行も復興して現在に至る。
千日回峰行とは7年をかけて比叡山の山中を夜中に駆け巡り、
堂入りと呼ばれる不眠不休の断食まで行なう荒行で、
ここまでやり遂げると生ける不動明王”阿闍梨(あじゃり)”と呼ばれる。
過去の歴史や僧侶が行なう修行からなんだか怖いイメージもあるが、
延暦寺は1994年にユネスコ世界文化遺産にも指定されていて、観光地としての一面もある。
比叡山のふもとから車だけではなく日本最長のケーブルカー、
坂本ケーブルで琵琶湖を眺めながら登って、
国宝根本中堂や延暦寺宝物館などの落ち着いた荘厳な雰囲気を味わうことができる。
外国人の観光客も多く、信仰心のあるなしに関わらず訪れる人を癒し、
厳粛な気持ちにもさせる場所である。
鎌倉仏教の開祖たちのすべては延暦寺で修行を受けている。
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