引き分けとは、勝敗が付かないことである。
概要
勝負を行った結果、勝者も敗者も決まらなかった場合のこと。ドローと呼ぶこともある。勝負を行うので勝敗を決するべきだが、対象の勝負の性質上決まらないことがある。原理的に引き分けが存在しないものも存在する。
以降、様々な競技の引き分けについて記述する。なお、引き分けの条件を細かく決めている競技もあるが、ここでは簡略化あるいは省略している。
(細かく書くと他のルールを絡める必要が出てくるなど面倒なので...)
引き分けになるほど手に汗握る接戦といった展開も胸熱ものであるが…
非常に長い時間・経費[1]・労力をかけたにも関わらず勝敗が決まらない場合、参加者や関係者・観客・賭けている側の不満に繋がる場合があるため、再試合、延長戦、試合を簡略化したものやサドンデスといった方式、救済措置が取られる場合も多い。
身体能力に重点を置いた競技
野球
日本のプロ野球では延長12回まで行っても同点の場合引き分けとなる。メジャーリーグの場合は必ず勝敗を決める。高校野球では延長15回で打ち切って再試合となる。
サッカー
勝ちあがりトーナメント式の場合に延長戦を行っても同点の場合、PK戦(互いに結果に差異が出るまでPK実施)を行い決着をつける。なお、公式記録では引き分けである。
グループトーナメント式の場合に延長戦を行っても同点の場合、そのまま引き分けとなる。勝ちの場合は勝者に勝ち点が3であるが、引き分けの場合は両者に1である。
バスケットボール
4クォーター終了時に同点の場合、以降5分を1ピリオドとして延長戦を行う。これはピリオド終了時に点差が付くまで続けられる。
テニス・卓球・バレーボール・バドミントン
決着点の1点前で同点になった場合デュースとなる。この場合、どちらかが2点連取するまで続けられる。テニスは再試合にせず翌日まで試合を持ち越した例がある。
ラグビー
勝ちあがりトーナメント式の場合で試合終了時に同点の場合、トライ数が多いほうが勝者となる。
グループトーナメント式の場合で試合終了時に同点の場合、そのまま引き分けとなる。勝ちの場合は勝者に勝ち点が4であるが、引き分けの場合は両者に2である。
K1・ボクシング・キックボクシング
規定ラウンド終了時に決着が付かず判定でも両者ともに2名以上の支持を得られなかった場合引き分けとなる。また、両者同時ダウンで9カウント以内にどちらも立ち上がれない場合引き分けとなる。
総合格闘技
両者同点の場合、そのまま引き分けとなる。
プロレス
両者続行不能(ノックアウトやリングアウトなど)や時間切れの場合、引き分けとなる。
レスリング
試合終了時点で同点の場合、競技内容から勝敗を決する。
テコンドー
フェンシング
試合終了時点で同点の場合、1分間1点先取の延長戦を行い、それでも勝負が付かない場合は抽選する。
相撲
両者同時に倒れた場合や土俵の外に出た場合、再試合となる。再試合しても勝敗が付かない場合は引き分けとなる。
柔道
個人戦では決着が付かず試合時間が終了しポイントに優劣も付かなかった場合は、時間無制限で試合を続行する。どちらかにポイントが入るか、もしくは指導3でどちらかが反則負けになるとその時点で終了。過去には実力が拮抗しあまりに延長戦が長引いたため途中で引き分けで両者優勝となった試合があるという。
団体戦では5人x5人で一人ずつ試合をする。それぞれの試合は延長せず引き分けになることもあるが、ポイントに差がある時に勝ちにする場合としない場合がある(点差がありながら一本以外は引き分けにするルールの大会は稀)。団体の勝敗数が同じ場合は点数の差で僅差勝ちにする場合と、代表者による決定戦が行われる場合があるが、いずれも必ず勝敗を決する。
多くの公式戦がトーナメント方式なので必ず勝敗を決するが、小さい大会ではリーグ戦のこともあり、その場合は延長戦にならず引き分けにすることがある。
少林寺拳法
合気道
本戦5試合の結果が引き分けの場合、延長戦を実施し先に有効をとったほうを勝者とする。
剣道
決着が付かずに試合が終了した場合、引き分けとなる。
弓道
得点性や採点性で同点の場合、的中数で判定する。
なお、弓道の用語「引分け」は打ち起こした弓を左右均等に引いて分ける動作のことを指す。
多数の競技者が同じ試合に参加する競技
モータースポーツや競馬、アイススケートなど複数の参加者が到着順位を争う競技には引き分けと言う概念が無い。同着であればそのまま同着となる。
思考能力に重点を置いた競技
将棋
千日手(同じ盤面が4回出現)となった場合、再試合となる。持将棋の状態となり両者24~30点の場合、再試合となる。
囲碁
囲った地と取った石の合計が同じ場合、引き分けとなる。
チェス
以下の場合、引き分けとなる。
- ステイルメイト(キングにチェックがかかっていない状態で動かせる駒が無い)
- 千日手(同じ盤面が3回出現)
- 戦力不足(両者ともにチェックメイトをかけられるだけの駒を持たなくなった)
- 引き分けを提案し相手が承諾した場合
カーリング
10エンド終了時点で同点の場合、延長戦(エクストラエンド)で得点を先取したほうを勝者とする。
ボーリング
大会ルールによる。
ゴルフ
同点で終わった場合、そのまま引き分けとする。サドンデス(ホールで差がつくまで実施)や再試合などすることもある。
ビリヤード
25イニング行い、両者ともに上がれなければ引き分けとする。サドンデスを実施する形式もある。
e-sports等のコンピュータゲーム
基本的に引き分けは無い。引き分けがあってもサドンデスを実施する形式もある。
TRPG
じゃんけん
同じ手など決着が付かないと引き分けとなる(いわゆるあいこ)。基本的に決着が付くまで勝負を続行する。
その他
- ビデオゲームにおいては互いに死亡・全滅する(事故や相打ちなど)といった極端なケースもある。
- 勝敗以前の諸事情で、試合途中で続行不能になったものは「無効試合」などと呼ばれ区別される場合もある。ただし無効試合となるまでに得たスコアが戦績・記録に反映されるかは競技や状況にもよる。
関連動画
関連静画
関連商品
関連項目
脚注
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