徐倫、GUCCIで飛ぶ(Jolyne, Fly High with GUCCI)とは、荒木飛呂彦の短編漫画である。
概要
ファッション雑誌『SPUR』×ファッションブランド『GUCCI』×漫画家『荒木飛呂彦』のコラボレーション企画として、「岸辺露伴 グッチへ行く」に続く第2弾の短編作品。2013年2月号の別冊付録に掲載された24ページのフルカラー漫画である。
表題の通り、本作は荒木飛呂彦の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』の第6部「ストーンオーシャン」の主人公、空条徐倫を主役にしたスピンオフ作品であり、他に第5部の登場人物、ブローノ・ブチャラティやレオーネ・アバッキオなどが登場する。同作品のスピンオフ作品では「岸辺露伴は動かない」や「デッドマンズQ」など、第4部の登場人物のみが登場していたが、第4部以外のキャラクターが登場するスピンオフは初めてとなる。なお、本作では徐倫以外の第6部の登場人物は出ていない。憶測だが、第6部の登場人物名はファッションブランドを捩っている為(例:グッチ→グッチョ)、グッチとのコラボ作品である以上自粛したのかもしれない。
本作のタイトル「~で飛ぶ」は、原作で空条徐倫が最初期にのみ見られた口癖「飛びてェーッ」が由来であると思われる。
また、本作品が収録されたSPUR2月号は、徐倫のヘアスタイルを模したモデルが表紙を飾り、さらに表紙には、ブチャラティのスタンド能力『スティッキィ・フィンガーズ』のジッパーのデザインをしたシールで留められており、それを開くと中から荒木飛呂彦による空条徐倫の大判イラスト表紙が出てくるという仕掛けになっている。
発表後の翌2013年、本作で描き下ろされたイラストが世界各都市のグッチ直営店でコラボレーションウインドウとして展開した。
2021年9月現在、本作は単行本未収録作品となっており、今から読むにはハードルが高いものとなっている。当時の雑誌を所有する人は前述の仕掛け表紙も含め大切に保管しよう。
ストーリー
10日前に母親を病気で亡くした空条徐倫。ひとりぼっちだが、母親は気に入っていたグッチの洋服を密かに徐倫のサイズに仕立て直しており、これを着ていると母親が守ってくれていると不安な気持ちは吹き飛んでいた。親戚のいる東京に向かうため空港に到着すると、仔馬のような不思議な生物「ユニコーン」と出会うが、負傷していたため徐倫は匿おうとする。その後、政府の者であるブチャラティとアバッキオらに問い詰められるが、檻に閉じ込められて知らない土地でひとりぼっちにさせることを自分の心境と重ね合わせて、徐倫は涙ながらに拒否。やむを得ず逮捕に踏み切ろうとするが、その瞬間、徐倫が身につけていた母のスカーフの模様に隠れていたユニコーンが動き出し、成体となって飛び出した。
そう…これは『夢』……
でもきっとママのお洋服が伝えてくれている…大切な『夢』…そして私の心の中に伝わる
…新しい希望…
登場人物
本作の登場人物は、原作の設定とは大きく異なってる描写が多いため、基本的にパラレルワールドの存在と言っていい。また、前作「岸辺露伴 グッチへ行く」同様、登場人物は皆グッチのファッションを身につけている。
- 空条徐倫
- 原作では第6部主人公で、本作では17歳の女子高生。母の形見であるグッチのファッションを身につける。
- ブローノ・ブチャラティ
レオーネ・アバッキオ - 原作では第5部に登場するギャング構成員だが、本作では政府関係者。民間人の所有する貴重なユニコーンの運搬に協力している。
- 団長
- ユニコーンを発見し所有している民間人。負傷させるような杜撰な飼育をブチャラティに咎められる。名前は出ていないが、第5部の登場人物ポルポがモデル。原作では人間離れした巨躯だったが本作では常識的な体躯である。
- ユニコーン
- 団長が発見し飼育されている、管理に政府も関わるほどの貴重な生物。税関を通る際に脱走し、徐倫に匿われる。
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関連項目
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