志摩スペイン村とは、三重県志摩市にある複合リゾート施設である。
Hola!な概要
テーマパーク「パルケエスパーニャ」を中心に、ホテル志摩スペイン村と天然温泉ひまわりの湯を併設したリゾート施設。ナガシマスパーランドと並んで、三重県内最大規模のテーマパークの一つである。
スペイン村と言う名前の通り、アトラクションやイベント、土産物はスペインにちなんだ物が多い。
PARQUE ESPAÑA
スペイン村のメインとなるテーマパーク。名前を直訳すると「スペイン公園」である。
シウダード(都市)、ティエラ(大地)、マール(海)、フィエスタ(祭り)の4つのエリアに分かれており、そのエリア毎に雰囲気ががらりと変わるのが特徴。
シウダード
エスパーニャ通り、シベレス広場、マヨール広場で構成されるエリア。モデルとなった地はマドリードやバルセロナの繁華街に実在する。
エスパーニャ通りはエントランスを超えてすぐのアーケード街。土産物屋やレストラン等が並んでおり、特にエントランス間近にある土産物屋、「チャチャラ」と「アスタ・ラ・ビスタ」は閉演時間1時間前程度から大混雑する。
シベレス広場はパレードの出発地点にもなっている大広場。屋内コースター「マタドール」が目玉。殆どのゲストはこの広場を左方向に進んでフィエスタ広場方面に向かう。(主観)
シベレス広場をそのまま直進した所にあるマヨール広場は小ぢんまりとした広場だが、本格的スペイン料理が味わえるレストランがここの広場に集中しており、食を楽しむならここを外す手は無いだろう。レストラン「アルハンブラ」のパエリャはちょっと高いがマジで感動する美味しさである。
ティエラ
カルメン通り、サンタクルス通り、ハビエル城周辺で構成されるエリア。
結構まったりとした空気が流れているのが特徴。ハビエル城周辺にはキャラクターショー等を上演するコロシアムがあり、上演時間は混雑するが、それ以外は閑散としている。
このエリアのメインである「ハビエル城博物館」は、かの有名なフランシスコ・ザビエルの生誕の地をモデルにした博物館であり、スペイン史やフランシスコ・ザビエルの事を知りたいならここを外さない手は無い。旧石器時代の洞窟「アルタミラ洞窟」の壁画の実物大レプリカ(世界に3つしかない)が所蔵されている。
カルメン通りは本格的フラメンコショーが観られる「カルメンホール」や、キャラクターのアニメやスペインを紹介する映画を上映している「カンブロン劇場」が目玉。
サンタクルス通りはスペインの日用雑貨を販売している店等があり、ここで日用雑貨を買い揃えるディープなスペイン村ファンもいるとかいないとか。いかにもスペインな街並みなため、メディア等の露出も多い。
ここから脇道に入ると「クエントスの森」というスペイン童話が聴ける散歩道がある。本気でまったりと癒されたいならこの一帯エリアがオススメ。
マール
コロンブス広場のみで構成されるエリア。パルケエスパーニャの最も奥に位置するので、比較的空いているエリアである。スペインの観光地区コスタ・デル・ソルをイメージしている。
目玉のアトラクションであった「アドベンチャーラグーン」が営業終了し、現在は水と遊べるフリースペース「チャプチャプラグーン」や、「フェリスクルーズ」「ドンキホーテ冒険の旅」などゆったり目のアトラクションを中心に設置されている。
サンタクルス通り、ハビエル城周辺の二ヶ所からここに来る事ができるが、ハビエル城博物館付近からはイルミネーションで彩られた「太陽の洞窟」というエスカレーターが敷設されているため、行きは前者、帰りは後者を経由すると楽である。
フィエスタ
フィエスタ広場のみで構成されるエリア。バルセロナのグエル公園をイメージした、ガウディ建築風のタイルの装飾が各所に施されている。いわゆる遊園地的なアトラクションはこのエリアに大半が集中しているため、パスポートの元を取る気で遊ぶならここ。吊り下げ式ジェットコースター「ピレネー」は愛好家の間でも評価が高い。
アトラクションが満載で、いつまで居ても飽きないエリアである。
主なアトラクション
グランモンセラー
バルセロナ近郊の岩山「モンセラー山」をイメージしたジェットコースター。
スプラッシュモンセラー
モンセラー山をイメージした急流すべり。グランモンセラーに隣接しておりコースが交差する場面も。以前はライドフォトの販売が行われていた。
キディモンセラー
バルセロナのアートをモチーフにした、身長制限90cm以上の子供向けジェットコースター。精霊サラマンダーを象ったカラフルな車体が特徴。2016年2月登場。
ピレネー
スペインとフランス国境にそびえるピレネー山脈をイメージした吊り下げ式ジェットコースター。開業当時は吊り下げ式コースターとしては世界最長、最速、最高なのが売りだった(コース全長1234mは現在でも日本一)。こちらも以前はライドフォトが販売されていた。1997年登場。
アルカサルの戦い
レーザー銃「光の矢」を操作してシューティングゲームが楽しめるライド型アトラクション。廃墟と化したアルカサル城内にうごめくモンスターを撃破していくというストーリー。スコアランキングが発表され、大いに盛り上がる。得点が稼ぎやすいため、ガチ勢は一人で乗る。
何度かステージのマイナーチェンジが行われており、2014年3月にはプロジェクションマッピングを導入した『アルカサルの戦い”アデランテ”』に全面リニューアル。
スウィングサンタマリア
大航海時代にコロンブスを載せて航海した帆船サンタ・マリア号をモチーフにした、バイキング型アトラクション。
フィエスタトレイン
フィエスタ広場を一周する機関車。グランモンセラーやスプラッシュモンセラーと交差しながら進む。
ガウディカルーセル
建築家ガウディの作品をイメージした回転木馬。その豪華な造形にも注目したい。
アミーゴバルーン
気球型のライドが風をきってぐるぐる回るアトラクション。年齢制限がなく幅広い層が楽しめる。
トマティーナ
バレンシア州のトマト祭りをイメージしたティーカップ型アトラクション。2014年3月登場。トマトの形のライドが8の字に動くのが特徴。ちなみにアトラクションのスポンサーはカゴメ。
ドンキホーテ冒険の旅
スペイン村のキャラクターたちの冒険が描かれるライド型アトラクション。1997年登場。かけると光源の周りに「パルケ」などの文字や記号が映し出される「チョッキーの不思議なメガネ」が同時期にパークを楽しむグッズとして登場。花火などの演出がより鮮やかに楽しめた。
ピエロ・ザ・サーカス
移動遊園地をモチーフにした全天候型屋内アトラクション。子供でも楽しみやすい「空中サーカス・アドベンチャー」「ファイヤー・シュート」「アニマル・ジャンピング」などの小規模アトラクションを備えている。2008年3月登場。
かつて存在したアトラクション
幻のイベリア超特急
屋内型ローラーコースター。暗いためコースが読めないことが売りなのだが、ただただ暗くてよくわからない、乗ってると痛いと評判であった。2004年3月に「闘牛コースター マタドール」、2017年2月に「スチームコースター アイアンブル」としてリニューアルされた。
ドンキーズシェリー
シェリー酒の樽型ライドに乗ってロバたちに占拠されたシェリー酒工場を覗き見するアトラクション。お化け屋敷的な性質が強く、入り口にはゲストを睨みつけるロバが設置され、後ろには「人間立入禁止」と大書されていた。
酒宴に興じるロバ、フラメンコを踊るロバ、怪しい魔術師のロバなどを目撃したゲストは酒樽を投げつけられ、工場の支配者である大魔王「ロバッカス」の怒りを買って普通のロバが暮らす現世に帰ってくる...という白昼夢のような展開に多くのちびっこがトラウマを植え付けられた。
ちなみにアトラクションの出口にはシェリー酒やロバのグッズのショップが設置されていた。
2004年に「光の宮殿」という、電飾で彩られたフラメンコ人形などのイルミネーションの中を進む当たり障りのないアトラクションにリニューアル。手をたたくと電飾が反応して光るという仕組みがあった。
2010年に「イルミネーションライド くるみわり人形」に再びリニューアル。バレエ音楽「くるみ割り人形」とその原作童話「くるみ割り人形とねずみの王様」の世界を体験するアトラクションなのだが、原作はドイツの作品、バレエ音楽の作曲者チャイコフスキーはロシアの音楽家である。スペインとの関わりは...? 一応「スペインの踊り」という題名の楽曲が流れたりはする。
フライングドンキホーテ
円盤型の展望アトラクション。持ち上げアームで45mまで上昇し、座席が360度回転して景色を楽しめる。2008年1月をもって終了。跡地にトマティーナやキディモンセラーが造られた。また、パーク外のピクニック広場では一時期「ドンキホーテバルーン」という遊覧気球が運行されていた。
同じ三重県内にある「なばなの里」にアイランド富士というほぼ同型のアトラクションが残っている。
ミュージカルサーカス
アニマトロニクスをふんだんに使った、ミュージカル仕立てのライド型アトラクション。ゲストは移動式客席に座ったまま、4つの円盤型舞台で展開するストーリーを鑑賞する。3Dメガネをかけて3D映像を楽しむ場面も存在した。アトラクション出口はグッズショップに直結している。
2009年に「ダルのファンタジーワールド360」という3D映像を楽しむアトラクションに改修された。
アドベンチャーラグーン
日本初の屋内と屋外が連なるタイプのウォーターライド型アトラクション。ゲストは海賊たちの砦から呪われた海域に入り、ポセイドンなどと遭遇する。座礁したガリオン船「アルナ号」を通る整理歩道も凝っている。人気は高かったが2012年1月に終了。
屋外部分は改修され、2013年3月にスペインの街並みのミニチュアを眺めながらボートで周遊する「フェリスクルーズ」というアトラクションに再利用された。
ロストレジェンド
炎や水を使った大規模なステージショー。1999年登場。500トンの水が大洪水となって舞台になだれ込むシーンが見どころだったのだが、2011年の東日本大震災をきっかけに休演。その後何度かリニューアルされ公演が行われたが、2018年を最後に終了している。音楽担当は平沢進が務めていた。
クエントスの森
1996年登場。森の語り部クエントスじいさんが一場面を再現した模型の前で童話を語ってくれるウォークスルー型屋外アトラクション。「クエントス」は童話を意味するスペイン語である。スペイン童話「月がチーズだと思った狼」「働き者のガチョウと怠け者のキツネ」「キツネが作った王様のおふれ」「オオカミと3匹の子ヤギ」の4篇が楽しめた。2021年7月ごろから閉鎖されている。
キャラクター
スペインを代表する文学作品「ドン・キホーテ」を元にした動物のキャラクターがマスコットになっている。パレードやキャラクターグリーティングで触れ合うことができる。デザイン原案を担当したトビー・シェルトン氏はディズニー作品でアニメーターや監督を努めたアーティスト。
ドン・キホーテの舞台となった世界からタイムトンネルを抜けてやってきたという設定。元の世界ではドンキホーテ村、ガート村、ローボ村というそれぞれの村で暮らしていた。園内で上映されるアニメやキャラクターショーでその一端を観ることができる。
ドンキホーテ(CV:山崎たくみ)
みんなのリーダー的存在。ドンキホーテ村の領主。真っ直ぐな性格で思い込みが強く、ダルシネアのこととなると周りが見えなくなってしまう。公式の愛称はドンキーだが、あまり愛称で呼ばれることはない。初代CVは富山敬。
サンチョパンサ(CV:桜井敏治)
ドンキホーテの従者。いつも笑顔な食いしん坊。主人の無鉄砲な行動にハラハラさせられている。愛称はサンチョ。
チョッキービビート(CV:冬馬由美)
いたずら好きの元気な男の子。トロヴァールと知り合って大工見習いとしてドンキホーテ村にやってきた。ドンキホーテが親代わりを努めている。愛称はチョッキー。
トロヴァール(CV:銀河万丈)
物静かで力持ち。ドンキホーテ村で大工をしており、チョッキーの親方にあたる。かつては船乗りとして世界の海を制していた。愛称はトロ。
ダルシネア(CV:冬馬由美)
紅一点。由緒あるガート村領主の一人娘。ドンキホーテを筆頭に皆が憧れる姫君で、天真爛漫、好奇心旺盛な性格。愛称はダル。
フリオラニャーナ(CV:三ツ矢雄二)
ダルシネアの友人で、リュートを携えた吟遊詩人。美しい歌声で場を盛り上げる。ダルシネアといっしょにガート村で暮らしていた。愛称はフリオ。
アレハンドロ(CV:置鮎龍太郎)
ローボ村の領主。恋するダルシネアを巡ってドンキホーテといつも争うトラブルメーカーだが、実は照れ屋で寂しがり屋なだけらしい。偉大な魔法使いを先祖に持ち、自身も偉大な魔法使いと思っている。
交通アクセス
近鉄志摩線鵜方駅から専用直通バスで13分程度。
トライパルツアー(三重交通グループ)みえ美し国エクスプレスで名古屋駅から4時間程度。
伊勢自動車道伊勢西ICから車で40分程度。
京都、大阪、名古屋方面からパスポートと往復乗車券がセットになったお得な切符(「まわりゃんせ」など)を利用するのが定番。東京方面からは鳥羽駅や磯部バスセンター(志摩磯部駅までは徒歩5分程度)にアクセスする深夜バスも一応通っている。
ちなみに2007年2月までは志摩磯部駅からバスが出ており、同駅はそれに合わせてスペイン・アンダルシア地方の建物をモチーフとした駅舎となった。これは磯部町(当時)に志摩スペイン村を作ったことによる見返りだったが、2004年の合併で志摩市となったことで、市街中心部に近くバス会社側に都合がいい鵜方駅に変更された経緯がある。
現在の志摩磯部駅は乗降客が大きく減り、売店スペースはシャッターが降ろされ、エスカレーターも使えなくなっている。周辺の環境も相まって「生きる廃墟」と化している。
関連動画
関連項目
外部リンク
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