快特とは、鉄道会社で運転される列車種別のひとつである。ニコニコ動画のタグ検索数の関係から本稿では、京急電鉄の「快特」について解説する。その他の快特と略される種別については快速特急の項目をご覧下さい。
概要
快特は、京急線を運転する列車の中で、優等な種別のひとつである。「快特」が正式名称であり、「快速特急」の略称ではない。
設定当初(1968年6月)は快速特急だったものの、その後略称として「快特」が定着し、1999年7月31日の白紙ダイヤ改正の際に正式に快特という名称となった。
京急本線(泉岳寺~堀ノ内 間)・空港線・京急久里浜線を運転する。本線の堀ノ内~浦賀 間および逗子線では、代わりに特急および急行が運転される(ただし一部時間帯のみ。加えて当該区間は各駅に停車する)。
また大師線については、優等列車の設定自体がない。
日中は10分間隔で運転され、泉岳寺を起点とするA快特と、都営線・京成線に直通するSH快特(他者線内はH快特)として運転される。
快特における、品川~三崎口 間の所要時間は次のとおりである。
特筆すべきは、その運行形態である。
- 朝ラッシュ時
早朝に羽田空港に行くエアポート快特(品川方面のみ)および快特が数本運転されている。
朝ラッシュ時は、上り列車は10分前後の間隔で運転されている。
始発駅(三崎口/京急久里浜/浦賀)からは、特急金沢文庫行(8両)として運行する。
金沢文庫に到着後、後方に列車を4両増結し、快特品川行(12両)として運行する。
列車番号の記号がBであるので、「B快特」と呼ばれる。
運用番号がBとなっているのは、昔の通勤快特(後述)がこの番号を使用しており、かつ運行形態が昔のそれと全く変わっていない事に起因している。
下り列車は一部が上りB快特の折返し運用として運転される。
土休日は主に特急が運転されるため、本格的に快特の運転が始まるのは8時台後半からとなる。 - 日中
日中の快特は、先述の通り泉岳寺を起点とするA快特と、都営線・京成線に直通するSH快特として運行され、それぞれ20分間隔、2系統併せて10分間隔で運転されている。
平日は全区間8両編成で運転される。
土休日はSH(H)快特が品川-金沢文庫間で後ろに4両増結し、12両編成で運転を行っていたが、2012年のダイヤ改正より、平日と同じくすべて8両での運転となった。
A快特は線内運用の為、基本的に2100形で運用されている。
SH快特は都営線方面直通の為、1500形や600形、新1000形など都営線に直通できる形式で運用されている。
品川・都心方面から羽田空港への快特は、10分間隔で運行されており、うち40分に1本は、エアポート快特として、品川-羽田空港第3ターミナル間をノンストップで運転。品川か3Tまで12分、1・2Tまで15分程で結んでいる。
また、休日のA快特は一部の列車でウィングシートが設定される。ウィングシートは2号車を有料座席指定制として運行するもので、下り(三崎口方面)は泉岳寺から上大岡の各快特停車駅から、上り(泉岳寺方面)は三崎口・三浦海岸・京急久里浜・横須賀中央・金沢文庫の各駅から乗車することができる。なお、降車は全ての停車駅で可能。料金はKQuickでの購入は300円、車内での現金購入は500円(駅販売はない)。
- 夕ラッシュ時
下りの16時台後半からは一部列車が品川から折返し、8両編成で運転される。
17時台後半からは前8両+後4両の12両で運行される。
前8両は京急久里浜行もしくは三崎口行、後4両は金沢文庫止まりで運転されている。
ウイングの運用される時間帯となる19時台までは、都営線からの列車は特急として運転されている。
これは神奈川新町駅の下りホームが12両編成に対応していない事や、快特が止まらずに特急が止まる各駅への救済を目的としている為である。
19時台後半以降になると、先ほどの特急も快特になり、また品川(一部京急川崎)-金沢文庫間では12両編成で運転される為、始発快特とほぼ変わらない運行形態となる。
一方の上りであるが、こちらは一部列車が特急になる他は昼間とほぼ変わらずに運転される。
ただし、一部に北総線印旛日本医大駅まで運転される列車が存在している。
下りは品川22時台、上りは京急久里浜21時台まで運転されそれ以降は特急のみが運転される。
土休日はそれらよりも1時間ほど早く運転が終わる。
また、土休日夕方は基本的に昼間のダイヤと殆ど変わらない。
エアポート快特は夕ラッシュに入る前に運用を終え、エアポート急行が代わりに運転されている。
ただし土休日の上りにおいてはエアポート快特が引き続き運用されている。
また各時間帯において、快特は品川~横浜 間を最高速度120km/hで運転する。これは、併走するJR東海道線よりも速い。このため日中では、時々快特の列車が東海道線を追い越す光景を見ることも出来る。
快特の派生種別には、次の3種別がある。
- エアポート快特
羽田空港へのわかりやすいアクセスを目的として用意された種別。羽田空港第1・第2ターミナルを発着し、京急線から都営線・京成線方面を結ぶ。
日中は40分間隔で、すべてが成田スカイアクセス線経由成田空港行で運転され、京成線・スカイアクセス線内はアクセス特急となる。
土休日夕方には、一部列車に印西牧の原や印旛日本医大まで向かうエアポート快特の設定もある。(品川以遠は各駅に停車)
また品川以南をエアポート急行や快特で運転された後、種別変更し都営線内をエアポート快特で運転される運用も存在する。
これらには青砥駅・京成高砂駅・京成成田駅止まりとなるものや、芝山鉄道線芝山千代田駅、京成本線経由で成田空港駅まで運転される運用なども存在している。 - イブニング・ウィング号(Wing号)
平日の夕ラッシュ時の下りのみ運行。品川を始発とし、品川~上大岡間をノンストップで運行する。上大岡から先は快特の停車駅に停車する。
品川駅から乗車の際は、300円の座席指定券を購入する必要がある。これを購入することで、利用者は着席を保障される。上大岡から先の停車駅は快特と同一の為、座席指定券なしで乗ることができる。ちなみに補助席は整理券の数には含まれていない。
運行に充てられる車両は、2100形(2ドア車)である。ダイヤの乱れが発生した場合は、通称「逝っとけダイヤ」の一環として有料定員乗車を取りやめ、臨時快特として運行することがある。 - モーニング・ウィング号(Wing号)
2015年12月7日より、平日の朝ラッシュ時の上りのみ運行。三浦海岸を始発とし、横須賀中央、金沢文庫、上大岡に停車後、上大岡~品川間をノンストップで運行する(1本は泉岳寺まで運行)。イブニング・ウィング号と異なり、三浦海岸~上大岡間の停車駅は数駅に限られている。
乗車の際は、300円の座席指定券を購入する必要がある(1ヶ月券5,500円も販売)。これを購入することで、利用者は着席を保障される。
また、過去には通勤快特という種別が存在していた。
これは現在のB快特(先述)と同じ運行形態で運転された他、一部は折り返し通勤快特となる下り列車としても運行されていた。
1999年7月31日の白紙ダイヤ改正の際に種別整理が実施され、B快特に置き換わる形となり消滅した。
廃止当時の停車駅
品川 - 京急蒲田 - 京急川崎 - 横浜 - 上大岡 - 金沢文庫 - 金沢八景 - 追浜 - 汐入 - 横須賀中央 - 堀ノ内以南各駅停車
停車駅
※モーニング・ウィング号の追記をお願いします。
凡例
濃緑:快特 青緑:イブニング・ウィング号(上大岡以南は快特に準ずる) 橙:快特
赤:特急金沢文庫行(以北は快特へ種別変更) ※快特への種別変更を行わない特急は省略
淡赤色文字:快特通過・特急停車駅
泉岳寺 | |||
品川 | |||
京急蒲田 | |||
京急川崎 | 第3ターミナル | ||
横浜 | 第1・第2ターミナル | ||
上大岡 | |||
金沢文庫 | |||
金沢八景 | |||
追浜 | |||
汐入 | |||
横須賀中央 | |||
堀ノ内 | |||
新大津 | 京急大津 | ||
北久里浜 | 馬堀海岸 | ||
京急久里浜 | 浦賀 | ||
YRP野比 | |||
京急長沢 | |||
津久井浜 | |||
三浦海岸 | |||
三崎口 |
停車駅の変遷
快速特急として設定された当初(1968年6月)の停車駅は以下のとおりである。
当時は日中のみの運転で、観光特急としての意味合いが強かった。
品川 - 京浜川崎(現京急川崎) - 横浜 - 上大岡 - 金沢文庫 - 横須賀中央 - 京浜久里浜(現京急久里浜) - 津久井浜 - 三浦海岸 ※当時三崎口は未開業。
- 1968年6月に運行開始。
- 1975年4月の三崎口駅開業と同時に三崎口にも乗り入れる。
- 1978年頃からは運転時間帯も拡大、次第に通勤列車としても機能を始める。
- 1996年7月に京急久里浜-三崎口間が各駅停車となり、同時に平日夕方下り列車の京急蒲田駅臨時停車を開始する。
- 1998年11月に羽田空港駅(現羽田空港第1・第2ターミナル駅)が開業し、京急蒲田が上下列車ともに終日停車駅となる。
- 1999年7月には日中の特急が快特に格上げされ、同時に久里浜線内(堀ノ内駅以南)が全線停車駅となる(※同時に略称である快特が正式名称となる)。
- 2010年5月のダイヤ改正で金沢八景駅が停車駅に加わる。
関連動画
関連項目
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E5%BF%AB%E7%89%B9