概要
1992年(平成4年)の新千歳空港駅の開業に合わせ運行が開始された。新千歳空港駅~札幌駅間を千歳線経由で結び、一部列車は小樽駅まで乗り入れる。所要時間は最短33分であり、日中の時間帯は新千歳空港駅発に関しては、概ね10分間隔で運行されている。
運行開始以前からも小樽駅や札幌駅から千歳空港駅(現:南千歳駅)までの間には「空港ライナー」や「マリンライナー」という形で快速列車が運行されていたが、それらを一本化し、発展させたものである。
余談だが、JR北海道の空港連絡列車の運行の歴史は前身の国鉄時代から始まっており、1980年10月の国鉄ダイヤ改正(L特急ライラックの新設)からその歴史は始まっている。これは、日本の空港アクセス鉄道の歴史としては2番目に古いものである。
また、千歳空港駅は当初の予定では駅ではなく、千歳線から分岐する石勝線の信号所として設置が予定されていた。(石勝線自体は千歳空港駅開業の翌年、1981年に全通している。)
これを変更し、旅客駅として設置を決定した国鉄の判断は英断と言ってもいいだろう。
2020年3月のダイヤ改正からは特別快速エアポートの運行が開始された。所要時間は最短33分であり、快速より4分早い。
2024年3月のダイヤ改正では新たに区間快速エアポートの運行が開始された。日中帯のみの設定で、北広島駅~新千歳空港駅の各駅に停車する。
全ての列車に指定席「uシート」車を連結している。uシート指定券は2024年時点では840円。
運行概況
- 会社:JR北海道
- 列車種別:区間快速・快速・特別快速
- 運用線区:千歳線・函館本線・札沼線(学園都市線)
- 運行本数:
- 運行区間:新千歳空港駅~札幌駅・手稲駅・ほしみ駅・小樽駅・当別駅
- 使用車両:
- 過去の使用車両:
- 編成図:
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 自由席 自由席 自由席 指定席 自由席 自由席
停車駅
●は全列車停車、▲は朝晩のみ停車、△は日中のみ停車、-は通過。
路線名 | 千歳線 | 函館本線 | ||||||||||||||||||||||
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駅名 | 新千歳空港駅 | 南千歳駅 | 千歳駅 | 長都駅 | サッポロビ|ル庭園駅 | 恵庭駅 | 恵み野駅 | 島松駅 | 北広島駅 | 新札幌駅 | 白石駅 | 札幌駅 | 桑園駅 | 琴似駅 | 手稲駅 | 稲穂駅 | 星置駅 | ほしみ駅 | 銭函駅 | 朝里駅 | 小樽築港駅 | 南小樽駅 | 小樽駅 | |
■特別快速 (新千歳空港~札幌・小樽) |
● | ● | - | - | - | - | - | - | - | ● | - | ● | ● | ● | ● | - | - | - | - | - | ● | ● | ● | |
■快速 (新千歳空港~札幌・小樽) |
● | ● | ● | - | - | ● | - | - | ● | ● | ▲ | ● | ● | ● | ● | △ | △ | △ | △ | △ | ● | ● | ● | |
■区間快速 (新千歳空港~札幌) |
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | ● |
- 白石駅には朝ラッシュ時および夜間のみ停車。
- 稲穂駅~朝里駅は日中帯の快速のみ停車。
- 「エスコンフィールドHOKKAIDO」での試合開催日は、試合終了時間帯のみ最寄り駅の北広島駅に特別快速が臨時停車する。
ダイヤ
種別 | 小樽駅 | - | 札幌駅 | - | 新千歳空港駅 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
■特別快速 | 1本/h | 全区間快速運転 | |||||
■快速 (小樽駅発着) |
1本/h | 小樽駅~手稲駅は各停 | |||||
■快速 (札幌駅発着) |
2本/h | 全区間快速運転 | |||||
■区間快速 | 2本/h | 北広島駅~新千歳空港駅は各停 |
例:12時台 | 赤:特別快速 橙:快速 緑:区間快速 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
上り(札幌駅) | 00 | 04 | 19 | 30 | 34 | 49 |
備考 | 小樽発 (手稲まで各停) |
札幌発 (北広島から各停) |
札幌発 | 小樽発 | 札幌発 (北広島から各停) |
札幌発 |
下り(新千歳空港駅) | 09 | 20 | 29 | 39 | 50 | 59 |
備考 | 札幌行 (北広島まで各停) |
小樽行 (手稲から各停) |
札幌行 | 札幌行 (北広島まで各停) |
小樽行 | 札幌行 |
- 日中帯(9~16時台)は新千歳空港駅発は約10分間隔、札幌駅発は不均等な間隔に発車する。
- 全列車が札幌駅・新千歳空港駅まで逃げ切り、快速列車が快速列車を追い抜く事はない。
- 日中帯の小樽駅を発着する「快速エアポート」は、小樽駅~手稲駅間は各駅に停車し、減便となった普通列車の補完を行っている。なお、各停区間でもあくまで快速列車のため、uシートに座る場合は指定席券が必要となる。
- 朝晩の一部快速・特別快速は札幌駅~手稲駅・ほしみ駅・小樽駅・当別駅間を普通列車として運行する(幕も普通に変える)。その場合、普通列車区間では指定席の設定は行われないため自由に座る事ができる。
- 朝晩は日中帯と異なり、概ね快速が3~5本/h、特別快速が1本/hほど、不均等に運行される。
- また、新千歳空港駅の最終列車は手稲行き特別快速となっている。これは、2024年3月改正以前は航空機遅延の場合のみ設定されていた臨時の救済列車を定期化したものである。
雑多なこと
列車の名前は「快速エアポート」なのだが、沿線住民の通勤・通学利用がかなりの割合を占め、空港連絡快速と同時に沿線住民の足という側面もこの列車は有しており、いつも混雑している。
このため、ラッシュ時間帯では上記の理由でおおよそ5分程度の遅れが常態化している。
冬季間に於いてはこの遅れが終日に亘り発生する。
2014年7月19日以降、概要に書かれたとおり、733系3000番台が快速エアポート用に投入されている。733系を使用した編成の普通車自由席がロングシートとなるため、ラッシュ時の混雑感が緩和された…かもしれない。
また、札幌駅からエル特急「スーパーカムイ」となる快速エアポートは、乗車券だけで特急車両に乗れるメリットはあったが、夕ラッシュ時にも運用に入るため沿線住民から不評であったことや(あまり乗客を乗せることができないため)、積雪量の多い深川駅を通ることによる大雪での遅延が千歳線に影響する問題があったこと、そもそも通しの乗客が旭川空港への航空便増加によって減少していたこともあって、2016年3月のダイヤ改正で直通運転は廃止されることになった。
このような利用の多さであっても、JR北海道の財政状況や車両・路線の待避設備の状況からして増発は困難と見込まれていた。しかし流石に利用が増えすぎたこともあってか、2020年3月14日ダイヤ改正から、日中1時間に4本から5本へ増発され、日中は12分間隔で運行されるようになった。また朝の新千歳空港行きと夜の札幌行きの2本ずつに限り、特急とほぼ同じ停車駅(札幌駅~新千歳空港駅間では新札幌駅・南千歳駅のみ停車)の特別快速エアポートも新設された。
さらには2024年3月16日ダイヤ改正にて、インバウンドや「エスコンフィールドHOKKAIDO」利用客などの増加に伴い日中時間帯は6本に増発され、新たに区間快速エアポートが設定された。これは線路容量の問題で増発が困難である事を踏まえ、日中の千歳・苫小牧行き普通列車を北広島駅で折り返しにしたために、北広島駅~千歳駅の普通列車の補完として設定されたものである。
また、日中時間帯にも小樽行きの特別快速が毎時1本設定されたため、同時間帯は3種類の快速が運行される事となった。列車速度が異なるため、前述の通り札幌駅発は等間隔のパターンが崩れる事となった。
当列車には指定席の関係で号数が設定されており、当初は「始発駅の発車時刻」+「奇数(下り、1・3・5・7・9)・偶数(上り、0・2・4・6・8)の数字」(例:新千歳空港駅12時台発車の1本目ならば「快速エアポート121号」)であったが、この法則では各5本までしか表現できないため、毎時6本に増発となる2024年3月からは「10号を頭にした通し番号」(正確には列車番号の下2桁)に変更された。
種別は区別されずに附番されているが、普通列車(新千歳空港駅発着)の列車番号下2桁に使用している番号は欠番となっている。
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