怪しい伝説とは、スカパー!やケーブルテレビで配信されているドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」で放送されている人気テレビ番組である。
概要
英語原題は『MythBusters』。日本語意訳すれば「都市伝説ぶっ壊し隊」あたりか。アメリカとイギリスを中心に、世界各国で放映されている。日本では字幕付きの原語(英語)版で放送されており、メンバーの軽快なトークを(英語が分からなくても雰囲気で)楽しめるようになっている。以前は番組ホームページに吹き替え版のサンプル動画があったが、ディスカバリーチャンネル日本語版サイトがリニューアルされた際に全削除された模様。
特殊撮影技術の世界で30年以上の実績を持つアダム・サヴェッジとジェイミー・ハイネマンの二人、通称「伝説バスターズ」が、「ペットボトルロケットで人は飛べる」「アルキメデスはソーラ・システムで敵軍を破った」等々、巷にあふれる都市伝説や歴史上の出来事、奇妙なニュースや噂、ことわざ、ネット上の動画、映画でありがちなシーン、視聴者から寄せられた情報・疑問等を特殊撮影技術と銃火器・空気砲・爆薬を駆使して実際に検証していくというもの。
初期シーズンでは、実験の手法や成功・再現度を巡って二人が対決することもあった(「掃除機でホバークラフト」「藁の中から針を探す」といったエピソードが代表例)。
またサブメンバーとして、グラント・イマハラ、キャリー・バイロン、トリー・ベレッチの3人組がおり(初期シーズンではアシスタントチーム・ビルドチームと呼ばれた)、別伝説の検証実験を行う。
番組は、このふたつの「伝説バスターズ」がそれぞれの伝説検証に挑み、必要機材を準備・製作する段階、実際に検証を行う段階、最終的にウソ(BUSTED)か本当(CONFIRMED)か結果を出すまでの段階を平行して流す構成となっている。
爆破実験や衝突実験、銃を用いた検証実験が多く、警察全面協力の下で飲酒検査機に戦いを挑んだり、国立エネルギー研究所の協力を得てゴキブリに放射線を浴びせたり、NASAの設備を借りて月着陸の真偽を検証したり、広大な荒野のど真ん中で道路封鎖をしなければいけない程の大爆破を行なったり、市民プールに向かって大型ライフル銃をぶっ放したり、アメリカ空軍の協力を得て訓練機でソニックブームを発生させたり、同じディスカバリーチャンネルの『竜巻バスターズ』とのタイアップ企画では、民間航空会社に依頼して竜巻探索車をジャンボジェットのジェットエンジンの排気で吹き飛ばそうとしたり、消防署の訓練施設でバックドラフトを発生させたり…とまぁ、とにかくスケールの大きな番組である。
これらの検証にはもちろん警察や消防、FBIの爆破処理班、軍やNASA等が協力しており、アメリカの政府機関の大らかさや科学番組に対する協力姿勢を感じる事が出来る。日本のテレビ番組では到底真似の出来ないスケールである。
とはいえ、ジェイミーの会社であるM5 Industries(特殊効果を手掛ける企業。サンフランシスコにあるらしい)の敷地から出ない程度の小規模な実験もそれなりにある。初期シリーズでは予算が比較的少なかった為か、ジェイミーの私物を実験で用いたり等の代替策も見られた。実験規模から推察すると、潤沢に予算が使えるようになったのはおそらくここ1~2年くらいだろう。
また、動物が関わる伝説や、実験により野生動物に被害が出る可能性がある場合、実際の野生動物を傷つけないように代替策を取る。その為、水中爆破等により魚が死ぬ可能性のある実験については、全て魚がいない人工湖(採石場の水溜りが元になった湖等)で行う等の配慮をしている(実験前に必ずその旨をナレーターか出演者が強調して説明している)。さらに動物に関わる伝説については、血液・内臓等は処理済みの家畜を使用し、外見はロボット・模型・自作のダミー類を自作もしくは購入して検証を行っている。これについては、「動物愛護団体からのクレーム対策」とか「自然保護を題材とした番組を多く放送しているディスカバリーチャンネル側の方針によるもの」と言われているが、真の理由は不明。
※例外として「ヤギは驚くと硬直して倒れる」実験では、実際に飼育されている家畜のヤギを使用して実験が行われた。
そして、いかなる実験であっても、最終的には特に理由も無く(もしくは無理矢理検証結果を導き出す為に)派手な爆破や破壊行動等を行なう事が恒例となっている。その為、過去にニコニコ動画に本編動画が上げられていた時には、爆破や破壊が無い場合に「爆破無し」のタグがつけられたり、「なんだよ、爆破無しかよw」というコメントが付けられたりもしていた。
尚、あまりに危険であり、やろうと思えば簡単に大規模な人的・物的被害が出せる実験が多い為か、FBIに目を付けられているとの噂もあるとかないとか。その為、最新シーズンでは(以前と比較して)少しだけ爆薬とかが控えめになっていたり、インターネット上(主にYouTube)上にアップされている動画の再現実験や、視聴者からの検証結果に対するクレームや意見を採用した再検証をやっていることもある。
ちなみに、本国では随分前から行っていた実験テーマ募集が2011年から日本でも開始されている。もしかしたらニコニコ技術部vsMythBustersのマッチアップが見られる可能性もある。期待して待とう!
Brainiacとどう違うの?
よく『Brainiac(イギリスの科学番組)』と比較する視聴者がいるが、『Brainiac』は科学を悪用して絶対に真似してはいけないお馬鹿な実験の数々を決行する科学娯楽番組である。
『怪しい伝説』とは方向性が全く違い、『Brainiac』の方が総じて過激であり、見比べてみると面白いかもしれない(ただし、『Brainiac』は日本未放送、YouTubeからの転載が多い為、字幕コメントがない場合が多い)。
私ならダイナマイトで一発だ
「映画の中の盗みの技1」において、「ダイヤル式金庫に聴診器を当てて音を聞き取り、鍵を開ける」という一昔前のスパイ映画やルパン三世などにありそうな場面が本当に可能か検証をすることにしたアダム。しかし鍵に関しては素人に過ぎないアダムに開けられるはずもなく、時間ばかりが過ぎていく。それでも飽きずに金庫のダイヤルをいじくり回しているアダムを見て、ジェイミーが静かに一言。
「(こんな面倒な開け方をせずとも)私ならダイナマイトで一発だ」
いつもどおりの冷静な口調でさらりと危険な発言をするジェイミーの姿に人々は唖然感動。以降この発言は「怪しい伝説」を象徴する名言となった。
ちなみにその金庫は上記の方法では開けられず、最終的には電動ドリルで鍵を破壊し金庫扉をこじ開けた。当初の目的がいつの間にか破壊活動にすり替わっているのは、『怪しい伝説』ではよくあることである。
出演者
「伝説バスターズ」の金髪・Tシャツ・黒フチ眼鏡、ボケ担当の方。
ハリウッドでも屈指の凄腕を持つ、フリーの特撮技術者。さらに自分の劇団を持っていたり、大学で教鞭を取っていたりもする。多芸多才。
個人サイトを持っている。http://www.adamsavage.com/
子供のようにはしゃぐ無邪気さと、大人の技術力を持った危険人物。ジェイミーとの対決では複雑な構造の装置で勝利を狙うが、大抵自滅する。そして、敗北の原因を「ジェイミーがズルしたせいだ」と言うのもお約束である。
トリー同様、体を張って実験をするポジションだが、彼の場合は自分から立候補することが多い。「第三軌条形式の線路に向かって立ちションをすると感電する」という伝説を確かめる為、救急隊の立ち会いの元、電気を張った線路(に見立てた実験用具)に実際に立ちションして、本当に感電する(ただし、感電死する程ではない)ことを身を持って示した。
船に弱いらしく、嘔吐することが非常に多い。カットもモザイクもピー音も一切なく堂々と嘔吐シーンが放映された回もある。生放送でならともかく、編集済みでコレである。ディスカバリーさんパネェっス!
爆破大好き。
「伝説バスターズ」のヒゲアザラシ(もしくはセイウチ)・白Yシャツ・ベレー帽、ツッコミ担当の方。
ハリウッドでも有名な特殊効果会社「M5 Industries」のCEOで、おもちゃのデザインも行っているらしい。とっても偉いヒトであり、謎の多いヒトでもある。
常に冷徹に爆破を行なう危険人物。アダムとの対決ではシンプル・イズ・ベストの精神で挑むことが多く、大抵は勝利する。
ベトナム帰りと番組中で言われているが、ちょっと年齢的に合わないことと、ジェイミー自身による経歴に従軍経験について触れた記述が見当たらないことから、嘘設定というよりもギミックである可能性が高い。
しかし、番組内で披露する射撃の腕はピカイチで、視聴者にもベトナム帰りは真実なのでは、と思わせるほど。意外と良い体をしており、この歳にして筋トレをこなせる。
爆破大好き。
日本名は今原 真申で、日系人だが日本語は喋れない(グラント本人曰く、日系4世らしい)。
ジェイミーの会社「M5 Industries」のスタッフであり、3人組の中では技術担当。かつて同社が主催した全米ロボコンに優勝した経歴を持つ。
『スターウォーズ』後期三部作に登場したR2-D2は、彼が改造・操作を手掛けた。その他、多くの映画作品でモデル制作者としてクレジットされている。
番組内では数々のロボットや電子制御機材(リモコン等)を製作。それらのシリーズは「ロボ・グラント」と名づけられ、人間が行えない検証を担当する回で大活躍する。
「植物にも感情があるか?」の回で行われたポリグラフ(ウソ発見器)の動作テスト中に、「実は女性型ロボットを作ろうと考えた事がある」という羨ましい?事実が発覚。
いや、もしかしたらプライベート用にロボダッチワイフくらいは作って(ry
本名、Kari Elizabeth Byron。「M5 Industries」のスタッフ。本業はアーティスト。
3人組の紅一点で、視聴者からは「おっぱい」と呼ばれる見事なスタイルを持つ。
愛嬌のある美人だが、その言行は顔に似合わぬ過激なものが多い。さらりと「爆破しましょう」と言い放ち、トリーやグラントに容赦ない責め苦を与える等、伝説バスターズの中でも最も危険な人物。つまりドSである。
三十路の人妻であり子持ち。出産スレスレまで爆破実験に立ち会ったりもしていた。だがそれがいい。
入社一日目、そして記念すべき初登場回で、こともあろうに自分の尻の型を取らされるというセクハラまがいなデビューを果たす羽目に(ちなみに回タイトルは「飛行機のトイレに吸い込まれた女」)。
また雑誌モデルとして、性欲を持て余すような水着姿(白衣を着ており完璧には見えていないが)を披露している。
そんな彼女が唯一苦手とするものは、ベジタリアンらしく動物の肉やその類。実験でそれらを使用する際には手を触れようともしない。登場して間もない頃のエピソード「空調ファンで首チョンパ」にて、検証用のゼラチンダミーに入れる豚の脊髄を見せられた時には、本気で嫌な顔をし、作業場を出て行ってしまった程。
米WIRED誌において、「2008年度・最もセクシーなギーク」第4位を獲得している。
トリー・ベレッチ(通称:トリー)
本名、Salvatore Belleci。
この人も「M5 Industries」のスタッフであり、グラントとは前会社「ILM(インダストリアル・ライト&マジック)」時代からの同僚である。
グラントと同様、『スターウォーズ』後期三部作に携わっており、フェデレ-ション戦艦等の製作を手掛けた。
イタリア系でノリが軽く陽気で、どちらかと言うとアダムに近いタイプ。3人組の中では作業シーンで映る量が多くはないが、細かいアイテムや模型、人形作りを担当することが多く、彼の職人技がキラリと映える。
そして、彼は肉体労働系の作業や命の危険が無い程度に過激な実験においては、身体を張って結果を導き出す番組内で最も重要なポジションを担うことが多い…散々な目に遭うことも多いのだが。
登場したばかりの頃は目立たなかった彼だが、生身のダミー人形として様々な検証をこなし、散々な目に遭い続ける内に、もっぱらヨゴレ担当と化している気がする。
番組には欠かすことの出来ないマスコット的存在にして、6人目の伝説バスターズメンバー。
その正体は、様々な実験において、トリーやアダム(つまり人間)では超危険だという時に使われるダミー人形。
具体的には、シートベルト無しでの超高速自動車衝突実験や数十メートル上空からの落下、爆心地のすぐ横にいる、機関銃で蜂の巣にされる等々…どう考えても明らかに人間では死ぬ場合、そして損害保険会社の担当者から電話で「マジで人間で実験するな!」と怒られた場合にのみ登場し、その大役を果たす。それ以外の「死ぬかもしれないな」「まぁ、怪我程度で済むよ」程度の場合は基本的にトリーもしくはアダムが担当する(多少誇張が入ってるけれど大体あってると思うよ?)。
何度も爆破や衝突に巻き込まれてボロボロになった為、一度首から下を新調している(首から上を残したのは、アダムの強い思い入れからである)。その為、現在のバスターは「二代目」である。
「アラスカで車を運転していてヘラジカに衝突しそうになった時には、加速をつけると跳ね飛ばした位置が高くなる為、運転手に直撃するのを避けられる」という伝説で、おそらくは初めての本来の使われ方をした。
その他、番組初期にいた「都市伝説を語るババアおばさん(ヘザー)」「溶接が得意な刺青姐ちゃん(スコッティ、後に退社)」、準レギュラー(番組的には「伝説バスターズの名誉会員」)的立場の「元FBIで爆破のプロ(フランク)」、「爆破技術者(JD・ネルソン)」等がいる。
関連動画
2009年2月9日、ディスカバリーチャンネルがニコニコチャンネルに参入。『怪しい伝説』ダイジェスト版の配信を開始した。詳しくは関連チャンネルを参照。
ニコニコ動画にも以前は本編動画が数多くうpされていたが、現在ではそのほとんどが削除されている。本編動画だったし仕方ないね。伝説バスターズの雄姿が今すぐ見たければ、ディスカバリーチャンネルに加入しましょう。
以下はYouTubeからの転載。
関連チャンネル
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2008年10月現在、日本語字幕版DVDは発売されていない。英語版DVDは日本語字幕がない上、リージョンコードが1である。「リージョンコードって何?」という人は、「日本では簡単に再生出来ないDVDである」と理解すればほぼ間違いない。
日本語字幕版DVDが出るのを気長に待つか、ディスカバリーチャンネルの配信元であるジュピターTVにリクエストを出しましょう(『アメリカンチョッパー』はリクエストがあった為、第1シーズンだけDVD化された経緯がある)。
関連項目
外部リンク
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