怪獣 マリンコング |
とは、1960年の毎週日曜9:30~10:00枠にフジテレビ系で放送された、日本のTV番組初の怪獣を主役にした特撮TVシリーズである。
全26話だが、番組タイトルは1話~13話の「怪獣マリンコング」から、14話~最終話は「マリンコングの大逆襲」に改題されている。
「マリンコング」は作中に登場するロボット怪獣の名前で、番組タイトルにもなっているが悪の手先である。
概要
ストーリーは、恐竜型のロボット怪獣「マリンコング」を操って日本を征服しようとする国際陰謀団「Z団」の女首領「お菊」と、電波工学の権威・矢田博士、矢田博士の息子の矢田和夫、中央新聞の岩田記者、カメラマンの丸さんらが立ち向かうと言うもので、第二部からは、「くれない天使」としても活躍する高宮比佐子が加わって、3倍の性能を得た新型マリンコングの破壊とZ団壊滅を目指して戦うと言うものである。
※当時の人気子役だった太田博之演じる矢田和夫は、第二部終了近くで登場しなくなるが、設定上はマリンコングに殺されたとの事らしい。
当初は予算不足により、マリンコングは頭部だけを製作し、海に見立てた川からマリンコングの頭部のみ露出させる等していたり、逃げ惑う群集役を通行人に依頼する等していたが、フジテレビ単独での放送が27%という高視聴率を記録し、マリンコングの全身の着ぐるみや実物大の手、3メートル程の足等が製作されて、カットバックを使用したマリンコングの出演シーンや暗闇にたたずむマリンコングにより、当時の子供達がトラウマを覚える程の恐怖に陥れたらしい。
マリンコング
本作最強の悪の尖兵である「マリンコング」は、恐竜型怪獣の様な外見ながら無線操縦可能なロボット怪獣である。
初代と二代目の2体が存在し、劇団プークの手による初代は、大きな丸い目をした愛嬌のある顔をしており、悪側のキャラとしてはパンチに乏しかった為か、二代目は眼光や牙を鋭く変更して畏怖すべき存在として見えるように調整している他、製作者のH・ローガンによると二代目マリンコングは初代の3倍の性能があるらしい赤いのか!?が、初代がもっていた煙幕を利用した瞬間移動能力を失っている。
※代わりに二代目は初代よりもコントローラーがコンパクト化され、アタッシュケースに入る大きさにまで小さくなっている。(初代は据置型)
口から火を吐く能力をもっているが予算と言う最大の敵により見た目はとてもしょぼい炎しか吐けない為、メインウェポンは頑丈な身体と肉弾攻撃である。
結局、初代のマリンコングは矢田博士の「X電波」により破壊され、二代目も高宮比佐子が完成させたアルファ光線によって破壊され、くれない天使の活躍もあってZ団は壊滅した。
なお「マリンコング」と言う名前は、キングコングが密林=山から現れた存在だから、海から現れる脅威と言う意味でつけてあるだけらしい。(序盤に海にみたててマリンコングの頭だけが襲ってくるのはこの設定の為か)
くれない天使
第2部から登場する日本のTVドラマ史上初の女性の正義の味方(変身ヒロイン)が「くれない天使」である。
しかし、専門誌に数回掲載された以外は映像化されていない事もあって、変身ヒロインものの話にまったく登場しない。
矢田博士マリンコングを破壊するアルファ光線実用化の為に日本に戻ってきた高宮比佐子が正体で、アイマスクに大きな襟とリボンといった「リボンの騎士」風の姿でで矢田和夫の危機を何度も救い、Z団の女首領「お菊」らと戦いを繰り広げる。
メディア展開
- 現在のところ、全話がセットになって発売された記録は無い。
- 1984年に1話・2話・13話の3本を収録したビデオ「怪獣マリンコング特別限定版」の通信販売が雑誌「宇宙船」に掲載され、VHS版とベータ版が販売された事から、トランスグローバル社が版権とネガを所有していると思われる。(同社はニッサンプロダクションの後継のNMCプロ製作の「魔神バンダー」の版権とネガを所有している)
- 第二部も予約注文の予定があったが実現しなかった。
- 本放送中の1960年6月~9月に「少年画報」にて桜井はじめによるコミカライズ版が掲載された。
貴重映像
スタッフ |
キャスト |
放映リスト
第1部「怪獣マリンコング」 | 第2部「マリンコングの大逆襲」 | ||||
話数 | 放映日 | サブタイトル | 話数 | 放映日 | サブタイトル |
第1話 | 1960.4.3 | 謎の怪獣 | 第14話 | 1960.7.3 | 怪獣再び現わる |
第2話 | 1960. 4.10 | 危うし!和夫少年 | 第15話 | 1960. 7.10 | 危し!和夫少年 |
第3話 | 1960. 4.17 | 怪ボートの男 | 第16話 | 1960. 7.17 | 秘密研究室の危機 |
第4話 | 1960. 4.24 | X電波の秘密 | 第17話 | 1960. 7.24 | 正義の味方くれない天使 |
第5話 | 1960. 5.1 | 追跡 | 第18話 | 1960. 7.31 | 高原の決闘 |
第6話 | 1960. 5.8 | 敵か味方か | 第19話 | 1960. 8.7 | 和夫少年を救え |
第7話 | 1960. 5.15 | あばかれた正体 | 第20話 | 1960. 8.14 | 脅迫電話 |
第8話 | 1960. 5.22 | 敵基地発見 | 第21話 | 1960. 8.21 | 迫り来る魔手 |
第9話 | 1960. 5.29 | 作戦敵中 | 第22話 | 1960. 8.28 | 必死の追跡 |
第10話 | 1960. 6.5 | 奴を逃がすな | 第23話 | 1960. 9.4 | 計略 |
第11話 | 1960. 6.12 | 危機迫る | 第24話 | 1960. 9.11 | 時限爆弾 |
第12話 | 1960. 6.19 | 本拠地潜入 | 第25話 | 1960. 9.18 | 決戦迫る |
第13話 | 1960. 6.26 | 世紀の爆発 | 第26話 | 1960. 9.25 | Z団の最後 |
関連項目 |
関連コミュニティ |
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