悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲とは、探索型2Dアクションゲームである。
その名の通り、悪魔城ドラキュラシリーズに含まれる。
最初はPSで発売され、その後に追加要素のSS版、XBLA(Xbox LIVE アーケード)にて配信、さらにはPSPで発売された「悪魔城ドラキュラ Xクロニクル」に収録されている。なお、SS版の追加要素はXBLA版及び、悪魔城ドラキュラ Xクロニクル収録版には収録されていない。
2020年3月4日iOS版とAndroid版が配信、価格は370円。
概要
探索型アクションゲームであり、悪魔城という広大なマップを狼、蝙蝠、霧に変身して進んでいく。悪魔城シリーズでは落下死あり・ライフ制・ステージクリアタイプのアクションゲームだったが、これを撤廃して探索に特化したことで、初心者でも探索する楽しみを味わえるタイトルとなっている。
またアクションゲームらしく、
など、遊び方は非常に多彩である。
装備システム
このゲームで特徴的なのは、非常に豊富な武器・防具が存在すること。
左右の手にそれぞれ1本ずつ、最大2本の武器を同時に装備可能で、装備はいつでも切り替え可能。このため、特殊な耐性を持つボス・雑魚には弱点属性で攻撃し、辛くなってきたらすぐ武器を変える、逆に上手いプレイヤーは自分が扱いやすい武器だけで進んだりと、遊ぶ側が創意工夫をしやすくなっている。
武器解説
打撃
短剣
剣
- このゲームにおいて最も平均的なモーションを持つ武器。
初期装備である「アルカードソード」もこの部類に含まれる。 - MPを消費することで必殺技を出すことが出来る武器が多く、全体的に扱いやすい武器。
- 最強武器は「アルカードソード」だが、扱いやすさでは「ヴァルマンウェ」(威力は低いが攻撃モーションなし+4回攻撃+連打可能)に軍配が上がる。
- 特殊なものでは「バルザイの偃月刀」(プレイ時間に応じて攻撃力が上がる)か、「使い魔の剣」(使い魔のレベルに応じて攻撃力が上がる)が挙げられる。
大剣(日本刀)
- 両手持ちの剣。威力は大きいが、その分硬直も大きい。
剣同様、必殺技を持つものもあり、パワータイプの武器だと言える。 - 日本刀は下位武器こそ西洋刀と同じ大振りなモーションだが、上位武器は「目の前に複数回判定の攻撃を発生させる」という特性を持つ。
特に「やすつな」(童子切安綱)は「複数回攻撃判定」をノーモーションで出せるため、非常に強力。 - 代表的武器は「グレートソード」「まさむね」「むらまさ」など。
投剣
- その名の通り、投げて攻撃する武器。手元に戻ってくるため、遠距離攻撃として最適。
その代わりに攻撃の回転率が下がるため、なんというかロマン武器。 - わりとレアなわりに使い勝手は良くないが、
「ヘブンズソード」二刀流で使える必殺技がかっこいいので良しとしよう。
メイス
攻撃アイテム
- 投具
- 爆発物
など。
敵モンスター
吸血鬼のドラキュラ伯爵を筆頭に、西洋を中心とした神話・伝承で伝えられる悪魔・悪霊・怪物や、霊魂を閉じ込めた鎧甲冑の魔物(アーマー)、様々な技能を持つ骸骨(スケルトン)等が城の探索を阻んでくる。これらの敵モンスターは、一度倒せば蔵書庫の「怪物図鑑」で能力と説明を閲覧できる。
モンスターのビジュアルデザインには前作「血の輪廻」に登場した敵をそのまま用いたものも多い。また、シリーズ初作「悪魔城ドラキュラ」のステージボス5体が、本作後半のエリアボスとして再登場する。そのほか、19世紀初頭のフランスの書籍「地獄の辞典」(ブランシー著)の個性的な記述が複数引用されているのも特徴である(アリオルムナス、アマラリックの射手、ジャクマンの蛙など)。
移植版について
1998年6月25日に発売、移植元は悪名高いKCE名古屋だが移植度はそこまで悪くない。
最初からリヒターでプレイする事が可能になり、十字キー上に押しながらリヒターを選択すると新規ドットのリヒターでプレイする事が出来る。アルカードは逆さ城突入時にダッシュを使えるようになる。さらにプレイアブルキャラクターとして大人マリアが追加された。それに伴い、本編の中盤でマリアとのイベントバトルが発生する様になった。
装備枠が1つ増えた為、各種武器やシールドを持ちながら消費アイテムを装備する事が出来るようになったがマップを見るには一旦装備メニューを開かなければいけない。
PS版では没となってしまったエリアが追加されており、それぞれの追加エリアにはVampire KillerやBeginningのアレンジが流れる。アレンジ担当は後にDanceDanceRevolutionをはじめBEMANIシリーズ全般で大活躍する事になる、「JunはドS」の異名を持つJunこと辛島純子。
新武器として「アルカードスピア」「アストラルダガー」「ダブルアックスブレード」、新しいアイテムとして「ウッドランドシールド」「虹色のロープ」「かしかーど」「サイン入りしたじき」、新しい食べ物として「うまいめし」「くさっためし」も追加された。
ちなみに、セガサターンは半透明技術が不可能な為「インビジブル」が「グレアリングクロス」に差し替えられている。ボスが追加されたのが原因なのか、爺の戦術指南も見る事が出来なくなっている。
なお、以降の移植作品はいずれもPSのオリジナル版をベースに作られた物が大半であるため、現在のサターン版は今作はおろか現在の悪魔城シリーズ作品の中でも最もプレーが困難に。所謂「幻の作品」という扱いになりつつある。さらにセガサターン版は海外版が発売されていない為、海外での実機プレイはさらに困難だと思われる。
ちなみに追加アイテムである「サイン入りしたじき」はこれは当時コナミが行ったキャンペーン用のアイテムであり、ハガキにこの「サイン入りしたじき」が置いてあるエリアを記載してコナミに送ると、なんと先着順で本作から本格的に悪魔城シリーズに関わる事となるキャラクターデザイナー小島文美のサイン入りのしたじきが送られたと言われている。
また、ドリームキャストで発売予定だった「悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲-ダークナイトプレリュード-」の続編、ソニア・ベルモンド主役の「Castlevania Resurrection」が開発中止となった為、本作がセガハード最後の悪魔城シリーズとなった。
⬛︎XBOX Live Arcade(XBLA)版
PS版準拠の移植。移植元はPS2版カプコン クラシック コレクションやロックマン クラシックス コレクションなどを担当した「Digital Eclipse」。2023年11月現在はATARI社に買収され、傘下の会社となっている。
配信当初は北米PS版に日本語字幕を付けたバージョンが国内で配信されたが批難の声が上がっていた為、一旦配信が停止となり国内向けに日本版の再販が行われた経歴を持つ。その為セーブデータの互換性はなく別ゲーム扱いとなっている。
残念ながらエンディングテーマは変更されており、「I AM THE WIND」の代わりにPS2「キャッスルヴァニア」のエンディングテーマが流れる。
下位互換に対応しているのでXBOXONE・XBOX series S/Xでも購入、プレイが可能。海外のみで発売された「コナミコレクション」にも収録されている。
■悪魔城ドラキュラ Xクロニクル収録版
Xクロニクル本編のステージに隠されたアイテムを入手する事で、「血の輪廻」と本作「月下の夜想曲」を遊ぶ事が出来る。
PS版準拠の移植だがセガサターン版同様、マリアを使う事が可能。ただし性能はセガサターン版と異なる。さらに爺の部屋での音楽鑑賞が出来るようになった。
エンディングテーマは「哀悼のセレナーデ」という山根ミチルの新曲に変更された。
海外版は国内PS版をベースに新たに制作された物になっていて、オリジナルの海外版ではリストラされていた半妖精と鼻悪魔も登場する様になっている。このためか、以降に発売された月下の移植版は国内外含めて本バージョンをベースした物がリリースされる形となっている。
これによりサターン版は幻の存在と化してしまった。元プロデューサーの五十嵐孝司ことIGAによると一応セガサターン版の追加要素をPS版ベースであるXクロニクル収録版に入れる検討はしていた模様。
■悪魔城ドラキュラ Xセレクション
内容はXクロニクル収録版と基本的に同じ。PS4版パラッパラッパーなどで使用されているPSPエミュレータで動いているとの事。
こちらもXクロニクル収録版準拠の移植だが最初から1度クリアしている扱いとなっている為、最初からリヒターやマリアでのプレイが出来るようになっている。
タッチ操作では操作しにくいのでコントローラーやその他のゲームパッドでのプレイ推奨。一応タッチ操作時のリヒターではタックルがワンタッチ操作で行えるようになっている。
まずGame.comについて知らない人もいるので少し解説。Game.comというのは1997年にTIGERエレクトロニクス社から発売された白黒の携帯ゲーム機である。当時としては活気的なインターネット機能やさらに後継機の「Game.com Pocket Pro」にはニンテンドーDSに先駆けてタッチスクリーン操作を搭載した。言わば早すぎた携帯ゲーム機である。が、売上に貢献出来ず商業的な失敗に終わり、2000年に製造中止となった。
そんな携帯ゲーム機に本作が移植され、発売される予定だったのだがその中身はとんでもない無茶移植であった。TIGERエレクトロニクス社が移植の担当を務めたのだが、容量の都合なのか
名シーン直後にリヒターのムチ一発で滅ぶドラキュラ伯爵・キャラクターのドットこそある程度再現はしているものの非常にカクカクした動作・敵を倒す度に途切れるBGMなど本家もびっくりの仕様となっている。
また、Game.com版月下の夜想曲にはセーブ機能が無い。その為セーブポイントはパスワードポイントとなり、コンテニューする度にパスワードを入力しなければ行けない。
ちなみにGame.comの当時の雑誌によるとコナミは同じく初代PlayStationで発売された「メタルギアソリッド」もGame.com版を出す予定だったとの事。恐らくこちらも無茶移植になっていたと思われる。
北米のトイザらスで発売された携帯の液晶ゲーム。中身は本家と全く別物な為、これを移植版と言うよりかは月下の夜想曲を元にしたLCDゲームして見たほうが良いかもしれない。
Castlevania Puzzle encore of the night
こちらは2010年7月16日にiOSなどモバイル機種で海外向けに配信された本作のスピンオフ作品(現在は配信停止となっている)。
月下の夜想曲のキャラクター・ストーリーをそのままパズルゲームに落とし込んだ作品であり、コナミの対戦ぱずるだまシリーズを彷彿とさせるがレベルアップや武器装備など原作を踏襲したシステムを採用している。
関連動画
関連項目
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