惑わない星とは、石川雅之がモーニングにて連載中の漫画である。
概要
空は曜日によって七色に変化し、街中に愛と希望と萌えがあふれる「内側」の世界。主人公S沢はそこから職場に向かう。灰色の嵐が吹き荒れ、防御服がないと大地を踏むことすらできぬ「外側」の世界へ——。
石川雅之が2015年5月22日発売の「月刊モーニング・ツー」7月号より連載開始した、惑星擬人化SF漫画。
死の星と化した未来の地球を舞台に、生き残った人類と、彼らの前に人間の姿で現れた太陽系惑星(および準惑星や小惑星、衛星など)たちとで展開される会話劇。病状に伏す地球のもとへ訪れた惑星たちと、人類である主人公たちがトラブルを生じながらもコミュニケーションを図っていくさまが描かれる。回を進めるごとに、地球が死の星となった経緯や、人類から失われた知識などが惑星たちによって語られていく。
本作は2016年4月に作者体調不良のため一旦休載しており、同年7月より掲載誌を「モーニング」へと移して連載再開している。2023年5月時点でコミックスは既刊8巻、月一連載という形式で執筆を続けている。
あらすじ
廃棄物の蔓延、世界規模で発生した電子機器異常、そして人類の紛争などにより、防護服なしでは生きていられないほどに地表が汚濁されてしまった未来の地球。衰退した人類は、"内"と呼ばれる居住シェルター中で愛と希望と萌えという現実逃避に明け暮れながら、外界である地表環境が回復するのを待つべく世代を重ねていた。
ある時、仕事のため、外郭設備である"外"の天文台跡地にて宇宙へと信号を送り続ける主人公「S沢3国」の元に、防護服なしで外界からひとりの女性がやってくる。彼女はS沢へ宇宙のとある座標へ信号を送るよう依頼すると、そのまま倒れ伏して意識を失ってしまう。
彼女の指示の通り信号が宇宙へと送られてすぐ、天文台跡地へ、同様に防護服なしの女性たちが次々と訪れてくるようになる。彼女たちは、自身を『火星』や『金星』と名乗り、意識を失っている女性のことを『地球』と呼んだ。
キャラクター
人類
コミックス1巻時点では、人類側のメインキャラクターは2名のみ。なお、植物の絶滅、および前時代の記録の消失などの理由で大部分の漢字が廃止されており、そのため、この時代の日本人は氏名に英数字が混じっている。
- S沢3国
- 本作の主人公。人類、日本国の住人である男性。居住シェルターである"内"での職にありつけない非エリート階層。外郭設備である"外"の天文台跡地にて、未だ見ぬ宇宙の知的生命体へ向け、信号を発信する仕事に従事している。ある日、天文台跡地に『地球』を名乗る女性がやってきて以降、次々と惑星たちが訪れる事件に巻き込まれる。現在の退廃的な世界で生きていくための心の折り合いがすでに済んでおり、惑星たちにより語られる地球本来の光景に戸惑いを隠せないでいる。
- 及川8月
- 第1話より登場。人類、日本国の住人である女性。名前の読みは「おいかわはづき」(「葉」という漢字が廃止されている)。S沢の同僚で、防護服を着た状態で外界の物質を回収する業務などに従事している。常に嵐が吹き荒れる外界にて、空がどんな色をしているのか、その光景に想いを馳せる。惑星たちと出会ってからは、地球の回復に意欲を見せる。
太陽系の天体たち
本作にてキャラクターとして登場する天体たちは、いずれも女性の姿となっている。ただし、衛星などのサイズの小さいものは人間型ではなく、実際の衛星の姿に「もやしもん」の菌のような顔が描かれたデザインとなる(冥王星におけるカロンのように、衛星でもサイズが大きい場合は女性の姿である)。
なお、これら人間の姿とは別に、本来の天体としての姿も並行して存在しており、実際に太陽の引力や公転の遠心力などを振り切って地球へと接近していることが語られている。
惑星
- 地球
- 第1話より登場。蔦のようにうねる長い緑髪で、葉のような意匠をあしらった緑色のドレス、雲のようにもこもことした白いコート(大気)をまとい、根のような茶色い編み込みのリストバンドとグラディエーターサンダルを身に着けている。周囲にはバレーボールほどの大きさの衛星『月』を従えている。第1話にて、S沢に宇宙のとある座標へ信号を発信するよう依頼後、昏倒。体調不良の状態でずっと睡眠を続けており、本編にほとんど絡まない状態が続く。
- 火星
- 第1話より登場。S沢の指示により発信された信号に呼ばれ、S沢たちの元へと訪れる。ポニーテール状の赤髪で、赤色のアームカバーとルーズソックス、黒色のファーが付いた上着とスパッツに身を包む。周囲にはソフトボールほどの大きさの衛星『フォボス』『ダイモス』を従えている。行動的で竹を割ったような性格をしており、職場から帰宅するS沢に付き添って"内"を観光するなど、エネルギッシュにふるまう。
- 金星
- 第2話より登場。他の惑星同様、天文台跡地から発信された信号に呼ばれ、S沢たちの元へと訪れる。『地球』や『水星』と似た服装となっているが、全体的に金色で丈が短く、大気をまとっていない。かわりに、布状のショールのようなものを、日本神話の風神が持つ風袋、あるいは天女の羽衣のように両腕へまとわせている。地球とは異なり大気や衛星を持っておらず、そのため、初訪問時は『地球』のコート(大気)と『月』を借りてはしゃぐなどの一面を見せた。
- 水星
- 第3話より登場。他の惑星同様、天文台跡地から発信された信号に呼ばれ、S沢たちの元へと訪れる。地球に比べて重力が小さいことと、太陽の引力を引きちぎってきたため登場時は立ち上がることができなかった。かつて「水星には蜘蛛のような模様がある」と人類に言われたため想像でその姿を模した衣装(大気)で身を包んでいた。ショートヘアでややクールな性格。
準惑星/小惑星
いずれもフリフリとした服装に身を包んだ少女の姿をしている。1巻時点で紹介された準惑星は『冥王星』『エリス』『ケレス』。また小惑星達も一部登場しており、その中には唯一環を持つ『カリクロー』と思われる少女も確認できる。
- 冥王星
- 第7話より登場。他の惑星同様、天文台跡地から発信された信号に呼ばれ、S沢たちの元へと訪れる。人間の少女程度の年齢の外見をしており、黒のゴスロリ服に身を包む。さらに幼い少女に見える衛星『カロン』、およびソフトボール大でヘッドドレスを付けた衛星『ニクス』『ヒドラ』『ケルベロス』『ステュクス』を従えている。『地球』の容体を回復させたいという想いは『火星』たちと同じだが、反して人類の存在は『地球』にとって害悪だと考えている。
衛星
外部リンク
公式
関連項目
親記事
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