「意地悪な質問やなぁ」とは、お笑い芸人・太田光の質問に対して、第104代内閣総理大臣・高市早苗が示した反応を指す言葉である。
ただし後述する通り、実際の発言は「なんか意地悪やなぁ」である。
当時の状況
2026年2月8日、第51回衆議院議員総選挙が行われた。これに合わせ、同日夜にはTBSテレビが選挙特別番組『選挙の日2026 太田光がトップに問う!結果でどう変わる?わたしたちの暮らし』を放送した。
番組内では、お笑い芸人の太田光が、同選挙で当選した自由民主党の国会議員であり同党総裁、かつ内閣総理大臣である高市早苗に対し、生中継でインタビューを行った。インタビューは、高市首相が『サンデー・ジャポン』(略称:サンジャポ。太田氏がMCを務めるTBSのワイドショー番組)が好きだと語り、太田氏が自身も高市首相のことが大好きだと返すなど、概ね和やかな雰囲気で進行していた。
しかし、インタビュー終了間際の最後の2分程度の間に、以下のようなやや緊張感のあるやり取りをする一幕があった。
太田「ただ、あの、まあ大変失礼なことを言いますが」
高市「はい」
太田「あのー、日本の政治家っていうのは、責任の所在があやふやになることが、今までの歴史の中で、僕は多いなと思うんですよね。で、やっぱり、もしできなかった場合、高市総理はどういう風に責任を取るんでしょうか」
高市「『できなかった場合』?」
高市「(遮って)いやだって公約に掲げたんだから、一生懸命今からやるんですよ」
高市「(遮って)だから『できなかった場合』とか、その、暗い話しないでください」
太田「いや暗いというか! そら責任の取り方です。政治家としての責任の取り方をどうするかという、覚悟がおありなのかという事を、質問さ……大変失礼ながら(頭を下げ)質問させていただきます」
高市「なんか意地悪やなぁ最初からできへんこと」
太田「(遮り、驚いたような顔で)いやそんなことないですよ!」
高市「できるように……あ、何でやろ。あのー、やっぱりこれは一生懸命、あのー、公約で訴えて、で沢山の方々にお認め頂いたことやと思とるんです。」
太田「そうですね」
高市「だから、だからやっぱり他党にも呼び掛けていって……」
太田「(遮ろうとして)例えば……」
高市「(言葉を止めずに)で財源はこうだから、だから一緒にやろうよと。で給付付き税額控除に、少しでも早く移行したいわけですよ、これやっぱり低所得者、」
高市「(言葉を止めずに)低所得者の方にね、大変なメリットがあるわけですから」
太田「うんうん」
太田「(遮ろうとして)例えば……」
高市「(言葉を止めずに)だってみんな思いは一緒なんですから」
太田「そうですよね。あの、FRB[3]だとね、インフレターゲットって言うとそこでできなかったら、あの、辞職するみたいな。あの欧米的にはそういうこともあるじゃないですか。日本はなかなかその、日銀の総裁そういうことしない。そ、そういう意味で、あの、要するに責任の所在をどうするのかっていうのを、お聞きしてんですけど、あの意地悪、ですかねこの質問」
生中継で時間に限りがあったため、インタビュー中継はここで終了した。
ネット上の反応
このやり取りは放送後、インターネット上で賛否が大きく分かれた。
太田氏の質問に対しては、「結果が出る前に辞任を想定させるのは短絡的で、民主主義を軽視した詰問だ」との批判があった。
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https://twitter.com/kenji_minemura/status/2020734818112147668
一方、高市首相の応答に対しては、「公人としての職務を問われている場面で『意地悪やなあ』と言うことで、論点をずらす効果があった」との指摘も見られた。
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https://twitter.com/mayumiura/status/2022568701589856434
このほか、「双方に問題はない」「双方に課題があった」など、中間的な受け止め方も多く、単純な二分法では語れない意見も目立った。
また、文章だけでは語調やニュアンスが伝わりにくいため、実際の印象は動画視聴の有無や視聴者の立場によって異なるとの声もあった。
番組で取り上げられた自由民主党の公約についても、実際の文言は「実現に向けた検討を加速する」とするものであり、「2年間ゼロにする」との断定的表現との間に差があるとの指摘もあった。
当事者のその後
選挙特番のエンディング
上記の選挙特番のエンディングにおいて、太田氏は高市首相とのやり取りに触れ、自身の質問について「失礼だったかもしれない」と前置きしつつ、日本の政治では誰がどの段階で責任を負うのかが明確にされないまま物事が進められる傾向があるのではないかと述べた。
また、失敗を想定しない姿勢が過去の重大事案における混乱につながった可能性があるとして、東京電力福島第一原子力発電所事故を例に挙げ、「安全神話」のように前提を疑わない体質の問題に言及した。その上で、そうした前提を十分に議論しないまま物事が進むことへの懸念を示した。
後日のラジオ放送
2026年2月10日、太田氏はTBSラジオ『火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ』において、高市首相とのやり取りが賛否を呼んでいることに言及した。冒頭で「早苗ちゃーん、ラジオ聞いてる?意地悪でごめんね」と冗談めかして述べた上で、自身の見解を語った。
自身の発言が反発を招いたことについては「世間がオレを嫌うのもわかる」としつつ、インタビュー自体は礼儀を尽くして行ったとの認識を示し、「悪かったとは思っていない」と述べた。その上で、発言は責任の所在を明確にすべきだという問題提起の意図によるものだったと説明した。
また、自身の所属事務所社長である太田光代の例を挙げ、テレビ出演時には「失敗した場合に誰が責任を取るのか」をあらかじめ明確にしていると述べ、責任の所在を事前に定める姿勢が今回の発言の背景にあると語った。さらに、最終的な判断は民意によるものであり、多数が支持するのであればそれを受け入れるとも述べた。
以上に関し、高市首相側からの追加的な発言や公式見解は現時点では伝えられていない。
一方、太田氏のラジオ発言に対しては高市支持者を中心に「上から目線」「からかっているだけ」といった批判が相次いだ。
後日のテレビ放送
2026年3月3日放送回の『太田上田』でもこの件について言及。
太田氏はそもそも『選挙の日2021』(「ご愁傷さまでした(笑)」等の発言で大炎上した回)でも、公文書改ざん問題についてコメントを控えた高市首相(当時政務調査会長)に対し「責任逃れ」と批判するなどの「意地悪な質問」を行っていたため、その時に嫌われたと思っていたとのことだが、『NEWS23』2026年1月26日放送の党首討論見学にて顔を合わせた際に高市首相から「サンジャポ大好き!」「録画して見てる!」と好意的な挨拶を既に受けていたことから、そこまで嫌われていなかったと理解し、踏み込んだインタビューを行えたことを述懐している。(これについて太田氏は「好きな子はちょっと意地悪したくなっちゃう」と、ラジオ同様に冗談めかして弁明している。)
太田氏は2021年の炎上は当然としながら、今回の世間からの批判については「意外だった」と反応。
なお、この件で太田氏は高市首相から嫌われたとは特に思っておらず、サンジャポへの出演依頼を検討していることを述べた他、「意地悪やわぁ」については「今年の流行語も狙っていこうかな」と意欲的な姿勢を見せている。
関連リンク
以下のように、様々な報道機関がこのやりとり、およびその後のインターネット上での反応について記事として取り上げていた。
- 高市早苗首相、太田光と“消費税”議論 「サンジャポ大好き」友好ムードから一転「なんかいじわるやなぁ」 | オリコンニュース(ORICON NEWS)
(2026/02/08記事) - 高市首相「なんか意地悪やなあ!」太田光の一言に怒気にじませる (2026年2月8日掲載) - ライブドアニュース
(2026/02/08記事) - 太田光、高市首相への“責任”質問「失礼だったかもしれないけど…」 真意を明かす | オリコンニュース(ORICON NEWS)
(2026/02/09記事) - 「無礼極まりない」爆笑・太田光 高市首相への「直球質問」に支持者ブチ切れ…いっぽうで「当たり前の質問」と肯定する声も | 女性自身
(2026/02/09記事) - 「爆笑問題・太田光」高市首相をブチギレさせた質問に賛否続出! 「やっぱり選挙特番に向いてない」の声も | AERA DIGITAL(アエラデジタル)
(2026/02/10記事) - 「意地悪」か「当然の問い」か 太田光の“責任論”が大炎上 高市首相と「噛み合わない」ワケ | デイリー新潮
(2026/02/18記事) - 《高市首相「意地悪」発言は…》太田光の質問は「当然の問いかけ」「むくれたりせず、覚悟を」作家・鈴木涼美氏が思う、“高市人気”の危うさ | 文春オンライン
(2026/02/19記事) - 【衆院選】太田光が高市首相にぶつけた“意地悪質問”を池上彰が「稚拙」一刀両断、一方で首相の回答への疑問も | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]
(2026/02/19記事)
関連動画
関連項目
脚注
- *「飲料や食料品にかかる消費税を2年間ゼロにすることについて実現に向けた検討を加速する」という、自由民主党がこの選挙で掲げていた公約について言いかけたものと思われる。
- *「やりますよね」と言おうとして口がもつれたものと思われる。
- *アメリカ合衆国の「連邦準備制度理事会」(Federal Reserve Board、略してFRB)
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