慣用句(かんようく/idiom)とは、各単語の意味を離れて慣用的に使われている表現である。
概要
例えば、「話の腰を折る」は、誰かの腰をアルゼンチンバックブリーカーでへし折ることではなく、「他人の話に割り込む」という意味である。
すなわち、「腰を折る」の意味が本来とは離れて別の意味になっている。
同様の表現は他の言語にも存在し、外国語学習者を困惑させる。
例えば、「He cried wolf.」は、彼が狼のようにワオーンと吠えたのではなく、「口から出任せを言った(狼少年の逸話に由来)」という意味である。
このように、本来の意味から離れて使われている表現が慣用化したものが慣用句である。
ことわざや故事成語などとの境界は曖昧であり、ことわざ辞典などではしばしば混同される。
ことわざと慣用句を区別する場合、慣用句は動詞・形容詞として使われることが多く、また教訓的な内容を含まないものをさす。
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単語の意味を離れた教訓を含まない表現は、ことわざ・故事成語・格言・成句と重複する場合も記述する。
また、伝統的ではない慣用表現も同列に表記する。
日本由来
- (秋の日は)釣瓶落とし
- 揚げ足を取る
- 怒り心頭に発する
- 馬から落ちて落馬する
- A定食
- 大盤振る舞い
- 大目玉(を喰らう)
- 影が薄い
- カモネギ(鴨が葱を背負ってくる)
- 火事場の馬鹿力
- かまとと
- 消し炭(にする)
- 白羽の矢(が立つ)
- 高みの見物
- 狸寝入り
- 伝家の宝刀
- とどのつまり
- 捕らぬ狸の皮算用
- 七色の声
- 鳴り物入り
- 猫かぶり
- ねこのて(猫の手も借りたい)
- 猫もまたいで通る
- 根掘り葉掘り
- 根も葉もない
- 昼行燈
- 道草を食う
- 胸が熱くなるな
- 諸刃の剣
中国由来
故事成語の記事も参照。
欧米由来
- 俺の屍を越えてゆけ
- 銀の匙(をくわえて生まれてくる)
- 銀の弾丸
- 剣を鋤に/剣を鍬に
- 事実は小説より奇なり
- ピンクの象
- ピュロスの勝利
- 部屋の中の象 (elephant in the room)
- Bad Apple
- Blue Moon
- Dead or Alive
- Double or Nothing
- Green-eyed Monster
- Here's to You
- Never Say Never
- Odds and Ends
- Reach for the Moon
- Seventh Heaven
- Split Hairs
- Tomayto, tomahto
- Over-the-Shoulder Boulder Holder
- Pollyanna
パロディ
( )はパロディ元。
慣用句が多く登場する作品
- 怪しい伝説 英語の慣用句を本当に実現させる企画をすることがある。
- 不思議の国のアリス 当時の英国の慣用句から名付けられたキャラクターが登場する。
- ポケットモンスターシリーズ 一部ポケモンや技の名前が慣用句由来。
- マジック:ザ・ギャザリング カード名など。
- 妖怪ウォッチ 慣用句由来の妖怪が多数登場する。
- ヨーヨーのトリック一覧 一部トリック名が慣用句である。
- らんま1/2 「気」が含まれる慣用句になぞらえた技「獅子咆哮弾」「猛虎高飛車」などが登場する。
関連項目
親記事
子記事
兄弟記事
- なし
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